『整骨院の海外展開 オーストラリア編9』

日経新聞九州版(2017/11/23)にサンテ整骨院グループが掲載される。

 

融資が決定して1週間後くらいに、日本政策金融公庫の担当者の方から電話があった。

 

「当社でも珍しい融資なので、日経新聞に情報を流してもいいですか?」と聞かれた。

「もちろんいいですよ!」と即答。

 

後日、担当の記者さんがいらっしゃって、

『なぜ海外なのか?』

『なぜオーストラリア?』

『見込みは?』

『今後の展開は?』

と鋭い質問を投げかけてきた。

 

やはり国内での競争が激しくなっていること、日本の施術技術は海外で充分に通じること、できればブリスベン・シドニーなどにも分院を出していきたいことなどを話した。

 

最初の目標は損益分岐点になる売上を計上できるようにすることを話したが(バッチリ金額まで書かれてしまった...)、中期的な目標で就労ビザが発行できる規模の会社になることを話しそびれた。

就労ビザが発行できる会社になれれば、日本からオーストラリアに働きに行きたいやる気のある人を呼べる。

やはりワーホリビザでは、永くはオーストラリアにいられない。

 

そして最終的な目標は、オーストラリアを中心としたオセアニアエリアの分院展開だ。

 

いいじゃないか、大風呂敷を広げても。私の代で無理だったら、子どもや甥っ子がやってくれるかもしれないし。

 

日経新聞に記事が掲載されたことで、患者さん、友人、銀行など各方面の方々から声をかけていただいた。ありがとうございます。

 

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)日本大阪支店の方からもコンタクトをいただき、次へのステップに明るい光が差し込んできたような気がする。

 

しかし、一番驚いたのは次のメールだった。

 

「在福岡オーストラリア総領事館のMと申します。九州の法人がオーストラリアに進出するという記事を拝見しまして、よろしければ領事とお会いしませんか?」

 

話しが大げさになってきた......

 

続く

 

 

『整骨院の海外展開 オーストラリア編8』

 

当社のオーストラリアでの不動産物件の選び方。

だんだん整骨院の話から遠ざかっているような気がするが、整骨院と不動産事業のハイブリッドなので諦めて欲しい(笑)。

 

不動産事業の成功見込話をしないと、事業の話として成り立たない。

 

基本的にオーストラリアの不動産は、毎年価値が上がっていく。

これは人口増加と緩やかなインフレによるものだが、開発できる土地が多くないというのも理由の一つだ。

 

オーストラリア大陸は大きいが、中心部は結構な不毛地帯であり、また自然保護の観点からあまり大胆な開発は行なわれない。

 

地価が年々上昇していくことを考えると、物件は借りるより買おうという考えが当然生まれる。

 

もちろんこの考えには、大きな借金を背負うという精神的な負担がある。

しかし、オーストラリアはしかるべきエリアは慢性的に物件不足であり、賃貸に出した場合でも空室のリスクは低い。

融資が受けられて購入できるのなら、進んでもいいのではないかと判断した。

 

オーストラリアにはシドニー・メルボルン・ブリスベンなどといろいろな都市があるが、今回は副社長が住んでいるゴールドコーストに決定した。

 

マネジメントを考えると、ここ以外選択肢はない。

 

幸い、ゴールドコーストの不動産価格はシドニーのように(新築戸建で8,000万円~1億円くらい)高過ぎず、何とか手が届く価格帯(4,000万円~5,000万円)である。

 

現地法人は海外資本100%なので、新築しか購入できないのが辛いところだ。

 

オーストラリア院の家賃と日本から派遣するスタッフの家賃を購入物件の返済に充てるため、commercial property(商業物件)は考えない。

 

他人にもシェアハウスで貸すつもりなので、少なくとも3LDK以上で2台分の駐車場がある物件を探さなくてはならない。

 

基本的にゴールドコーストの住人は一軒家が好きで、コンドミニアムは少々避けられてしまう傾向がある。

 

将来売却することを考えると、一軒家や長屋形式のタウンハウスが望ましい。

 

立地に関しては、ゴールドコーストは現在路面電車が走っているのでこの沿線沿いを条件に入れて、更にシェアハウスの需要があるエリアを選出した。

 

現地の不動産エージェントを使い物件を探したが、なかなか見つからない。

 

結局、自分自身でネットで探して物件を見つけた結果となった。

 

見つけた物件はゴールドコーストのサウスポートにあるタウンハウスで、3ベッドルームにそれぞれ風呂トイレがついており、リビングがあって、2台駐車可能なガレージもある。

 

一番値段が高い道路側の物件がまだ購入可能だったので、看板を出す為にそこに決めた。

 

しかし2年ほど前からゴールドコーストの不動産価格は追っているが、最初の時より5万ドルくらいは確実に高くなってる....。

 

ゴールドコーストのあるクイーンズランド州の平均給与が年間730万円(1$=85円)といってもなかなか買えないんじゃないか?と思ったら、副

社長が『共稼ぎがほとんどだから、世帯年収は1,500万円クラスがごろごろいるよ。』と教えてくれた。

 

年収の5倍がローンを組んでの理想的な不動産価格だとすると、1,500×5=7,500万円....。まだまだ不動産価格は上がるかもね。

 

続く。

 

 

『整骨院の海外展開 オーストラリア編7』

 

さて、日本政策金融公庫から融資が決定したが、ちょっとその前に今回の融資要件などをお話しよう。

 

後に続く同業の人が、同じ手法で海外への進出を果たして頂ければ幸いである。

 

公庫は日本法人に融資し、そのお金を日本法人が現地法人に出資する形だ。

ゆえに、今回の海外事業支援融資は現地法人設立が必須だった。

そして出資率は日本法人100%の形を求められた。

 

その事で懸念材料が一つ出てくる。

実は、国によっては外国資本100%の法人は認可しない国がある。

 

幸いオーストラリアは外国資本100%でも認可されるが、東南アジア諸国などの発展途上国は51%以上の自国籍の株式保有割合が求められる。

 

そのような国に進出する場合は、今回の融資制度は使えないかもしれない。

 

今回の私には関係がなかったのでそのケースはどうなるのか聞かなかったが、タイなどに進出したい時は要チェックである。

 

現地法人設立に関しては、現地の日系人の有資格者に依頼すること。

 

私は経理も頼むので会計士にお願いしたが、弁護士でもいいと思う。

 

先進国は資格の重みがしっかりと活きる。

 

多少運の要素があるが、ホームページを見て決めてくれ。

 

現地法人設立で一番悩んだのは、資本金額だ。

 

公庫との取り決めで融資金額以上を資本金として設定しなくてはならないのだが、設定するには現地にその分のお金が存在している必要がある。

 

送りたくても法人口座がないと送れない。

 

法人口座を開設するには現地法人設立が完了していないといけない。

 

現地法人設立するには資本金が手元になくてはいけなくて、資本金額は融資額以上の設定が必要...........

完全な堂々巡りに陥った。

 

しかし、会計士の先生からアドバイスを受け、この難問を乗り切った!

 

資本金はまず小額で設立して、それから銀行口座を作り日本から送金すればいい。

そしてそのお金で増資すればOKだった!

 

銀行口座の作成だが、フランスでは苦戦したが、オーストラリアではバッチリだった。

さすが副社長のお膝元である。

 

銀行口座を作成したら、日本の銀行から海外送金を現地法人口座に行なう。

 

この時しっかり為替手数料(1$につき1円など通貨によって多少違う)を徴収されるので、1単位あたりいくらか確認する事。

そして現在のレートが高いか安いかしっかり把握しておく事。海外送金は、出来れば円高の時に行ないたい。

 

公庫から融資を受けて実際に海外送金しなくてはいけない期間は3ヵ月ほどはあるので、できるだけ円高のときを選ぼう。

 

増資手続きも終わり、証明書類も公庫に提出した。

 

次は物件決定だ!(おおよその目星は付けているんだけどね)

 

 

続く