みなさん、こんにちは。
「日本で2番目にドSな社労士試験対策講師」の塚野です。
毎日、ありがとうございます。
はじめましての方、ようこそいらっしゃいました。
僕はこんな人です。
今年の本試験(令和7年8月24日)まで、残り211日(30週と1日)です。
あなたが本試験までに勉強につぎ込められる最大時間は何時間ですか?
1日1日を大切に過ごしましょうね。
ただし、テンション抑え目で、じっくり準備していきましょう。
このブログでは、来年の本試験向けに択一で50点を取るための準備として、毎日、過去問を1題例に挙げ、その問題を解くことで、どんな知識を本試験会場に持っていくかを検討していきます。
必要な論点知識に関しては、「記事を検索」の窓に必要なキーワードを入力して、探してみてください。
ただし、過去記事は予告なく限定閲覧記事に変更する場合があります。
また、マインドセットやスキルセットに関する過去記事は、以下のまとめ記事からご覧ください。
これまでのマインドセット/スキルセット記事のまとめ - 日本で2番目にドSな社労士試験対策
今日もメインシリーズ
「過去問はこうやって本試験の知識に変える」を学んでいきましょう。
【もくじ】
昨日の振り返り
昨日は、「確定保険料の認定決定」を整理しました。
督促が行われるのは、どんな時でしたっけ?
はい、思い出して!
………、
「労働保険料その他この法律の規定による徴収金を納付しない者があるときは、政府は、期限を指定して督促しなければならない。」
でしたね。
これを記憶しやすい情報に加工して京大式カードに書くなり、ICレコーダーに録音してクイズ化し、何回か繰り返せば、簡単に覚えられますね。
スマホアプリの「分散学習帳」がもっと使いやすいでしょう。
情報を覚えやすく加工する過程で脳みそに汗をかき、覚えやすくしたものを何回も繰り返し思い出すことで長期記憶に変えることが一番の忘却対策です。
分かりやすい講義や資料を1回聴いたり、眺めたりしただけで問題が解けるなんて魔法じみた方法はありません。
筋トレと一緒です。
脳みそに汗をかいた分、あなたが本試験で使える知識になります。
今日の過去問検討
今日のテーマと本試験に持っていく知識の個数
では、過去問検討に移りましょう。
今日は、「保険料の申告と納付」のうち「確定保険料」から、
「口座振替による納付等」(徴収法21条の2第1項)を整理します。
僕が持っている過去問集と、今年の問題からは、
「口座振替による納付等」の過去問は15肢(類題含めて19肢)、載っています。
ただ、僕の検討では、問題の数だけ知識が必要なのではなくて、
「口座振替による納付等」は「5個」の知識でパーフェクトだとまとめました。
その中でみなさんは、お持ちの過去問集から、
本試験に持っていく知識はどのように準備していますか?
では、そのうちの1つを見てみましょう。
今日の1問
「労働保険料の口座振替による納付制度は、納付が確実と認められ、かつ、口座振替の申出を承認することが労働保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができ、納入告知書によって行われる納付についても認められる。」
(令和6年度問2B)
この問題、問われている知識は何でしょう?
論点2つありますよ。
では、シンキングタイム、スタート!
このブログでは、5W1Hの疑問形になるように考えることを推奨しています。
………、
「労働保険料を口振できる要件は何か?」と、
「口振できる労働保険料の種類は何か?」
ですね。
では、答えは?
………、
本試験に持っていく論点知識①
労働保険料を口振できる要件は、
「政府は、事業主から、預金又は貯金の払出しとその払い出した金銭による印紙保険料以外の労働保険料(以下この条において単に『労働保険料』という。)の納付(厚生労働省令で定めるものに限る。)をその預金口座又は貯金口座のある金融機関に委託して行うことを希望する旨の申出があつた場合には、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが労働保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができる。」
ですね。
整理の視点①
今日のもおなじみの内容ですね。ただ、一見すると何が問われているんだろう(@_@。という点で、普段の過去問検討のやり方が問われた問題です。
まず、口振の要件ですが、条文に何て書いてあるかさえ知っていれば、どうってことはない内容です。
ポイントは、
・事業主からの申出
・その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが労働保険料の徴収上有利と認められるときに限り
・政府が承認
くらいでしょうか。何度も反復想起するほどのものでもありませんね。
強いて言えば「認可」とかではなく「承認」という言葉遣いなところくらいでしょうか。
同じような条文が社会保険科目にもありますが、誰が承認するのかと、誰からの申し出によるかが異なる言葉遣いなので、チェックはしておきましょう。
本試験に持っていく論点知識②
口振できる労働保険料の種類は、
「論点知識①の厚生労働省令で定める納付は、納付書によつて行われる法第15条第1項又は第2項の規定により納付すべき労働保険料及び法第18条の規定により延納する場合における法第15条第1項又は第2項の労働保険料並びに法第19条第3項の規定により納付すべき労働保険料の納付とする。」
ですね。
整理の視点②
こっちもおなじみの内容なんですが、条文ベースで書かれると、何のことだ?となりやすいですね。
まず、出だしのところで「納付書によつて行われる」とありますから、この時点で、納入告知書によって納付する労働保険料は口振対象外だということが分かります。
条文番号ごとに詳しく見ると、
「法第15条第1項又は第2項の規定により納付すべき労働保険料」ってのは、継続事業(有期一括含む)と単独有期事業の概算保険料、
「法第18条の規定により延納する場合における法第15条第1項又は第2項の労働保険料」ってのは、継続事業(有期一括含む)と単独有期事業の延納における概算保険料、
「法第19条第3項の規定により納付すべき労働保険料」ってのは、継続事業(有期一括含む)と単独有期事業の確定保険料の不足額
のことです。
で、これらの内容は、皆さんお手持ちのテキストでは一覧表になっていることもあるでしょう。
要するに、口振可能な労働保険料ってのは、「概算保険料(with延納)+確定保険料(の不足額)」だけってことです。
こうやって、省エネを図ることで記憶しやすくし、問題文を読むときにもどのフレーズに反応したらよいかが分かる点で、工夫を凝らしましょうというのは常々申しておりました。
で、更に今日の問題は、問われていることと、私たちが過去問検討を通じて身に着けた内容をどのように結びつけたらいいのかという点にまで踏み込んでいるところが、最近の問題の特徴を表しています。
というのも、これまでの出題の仕方は「〇〇保険料って、口振できましたかね?」というものばかりで、口振できる労働保険料さえガッチガチに固まっていれば、秒で正誤判断できていました。
ところが、今日の問題は、切り口が全然違いますよね。訊いていることは「口振できる労働保険料の種類って何でしたっけね?」なんですが、それが文面上はすぐには分からないようになっています。
実際、本試験会場でも「何これ? 何訊かれてんのか分かんない(´゚д゚`)。」とパニックになりかけた方もいるようです。
けどね、問題文に出てくる「納入告知書」なるものを私たちは「納入告知書によって納付する労働保険料等って何でしたっけ?」という論点知識として持ち合わせていますよね?
それのアウトプットをしたときに、口振可能な「概算保険料(with延納)+確定保険料(の不足額)」と重なるものがないことには気付けます。
なので「納入告知書によって納付する労働保険料等は口振できない。」という結論に至ることができます。
合格者レベルの方であれば、問題文中に出てきた論点知識にまつわる用語に目を付け、それを取っ掛かりにして既存知識を思い出します。
そのうえで「何が問われているのか?」を明らかにし、1つ1つ処理を施していきます。
そうでない方は、文字面にしか反応できませんから「納入告知書による納付って口振できたっけ?」と思考することしかできず、無駄に時間を費やすばかりか、正解することすらできなくなります。
普段の過去問検討時に、一見すると何が問われているのかが分かりにくい問題への対処法まで検討していたか否かが差を生むわけです。
令和7年度の本試験問題も、こうした「一見すると何が問われているのかが分からないんだけど、実は、過去問論点知識の問い方の切り口や言葉遣いが変わっただけで、使われている用語の過去問論点知識をワンクッションとして使ったら、何が問われているのかが分かる。」ような問題は出るでしょう。
つまり「問いの要求を正しくとらえる能力」とでもいうものが本試験でも問われているってことです。
知識の量や正確さ以外の点でも、合格者レベルの方とそうでない方との差があるということなのです。
このブログを活用しているあなたであれば、読みにくい文章の過去問検討を通じて、正しく問いをつかむ訓練もしていますよね(^_-)-☆。
今日のまとめ
今日は、「口座振替による納付等」を整理しました。
また、問題文の文字面だけに反応しているうちは、合格には程遠いということについてもお伝えしました。
下の方にあるコメントから一言、感想や実践して効果があったことなどをいただけると嬉しいです。
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「自分では気づかない「解法のテクニック」があったことがわかった。」
「戦略的に表を書き3点取りにいくことです。一般常識以外でも難問が出るという心づもりと大ボス、中ボスとの戦いに向けて、構える姿勢について知れました。」
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