2024年社会人野球の記事書き残し製作。試合の方は東北連盟会長大会岩手県予選で終了。ここでは年間のまとめを記述します。記述内容は例年通り年間公式戦の勝敗数と各大会の進出実績とします。
▽水沢駒形倶 22勝9敗
都市対抗県予選3位・東北予選第2代表三回戦、クラブ選手権県予選優勝・東北予選準優勝・本大会二回戦、福島市長杯二回戦、一関市長旗二回戦、岩手県知事旗準優勝、東北連盟会長大会クラブの部県予選優勝・本大会優勝、岩手アマ王座クラブの部準優勝
▽トヨタ自動車東日本 11勝10敗
都市対抗県予選優勝・東北予選第2代表一回戦、JABA東北大会予選リーグ、JABA北海道大会予選リーグ、岩手県知事旗優勝、岩手定期戦優勝、日本選手権東北最終予選準決勝、東北連盟会長大会企業の部一回戦、岩手アマ王座企業の部優勝・毎日旗優勝
まずは2024年も岩手県を引っ張り続けてきたチームから。今年の岩手県チームの勝ち頭は水沢駒形倶楽部。クラブ戦線で東北地区レベルでも上位の力を発揮し全国大会でも一勝。都市対抗も企業チーム相手でも引いた戦いはせず5日間を戦い抜くなど力量を見せつけた形となりました。次の目標はクラブ選手権の最終日進出というところでしょうか。

トヨタ自動車東日本。県内の戦いに関しては圧倒的な力量を見せ、都市対抗野球では12連覇を達成。また東北部分の戦いでも都市対抗本大会で準優勝を果たしたJR東北に勝つなど存在感を示した大会もありましたが、都市対抗東北予選では2連敗を喫するなど痛恨の結果を見せた時もありました。ここ数年指揮にあたった夏井大吉さんが勇退。大谷龍太さんが監督に就任し再起を期します。

▽オール江刺 9勝7敗
都市対抗県予選本戦一回戦、クラブ選手権予選三回戦・東北クラブカップ県第2代表決定戦敗退、一関市長旗一回戦、岩手県知事旗準決勝、東北連盟会長大会クラブの部県予選準優勝、岩手アマ王座クラブの部優勝・毎日旗準優勝
▽久慈クラブ 9勝6敗
都市対抗県予選クラブ二回戦、クラブ選手権県予選三回戦・クラブカップ県第2代表決定戦勝利・東北CC3位・東北北海道交流大会一回戦、東北連盟会長大会県予選準決勝、北上市長旗準優勝
▽盛友クラブ 8勝8敗
都市対抗県予選4位、クラブ選手権県予選4位・東北CC4位、東北連盟会長大会県予選準決勝、岩手アマ王座クラブの部一回戦
▽住田硬式ク 6勝4敗
都市対抗県予選クラブ二回戦、クラブ選手権県予選準優勝・東北予選一回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選三回戦
続いてはクラブ戦線で存在感を見せた4チーム。
オール江刺は上位大会をかけた戦いで苦杯を喫するなど「どうにも」という戦いを見せた前半戦ですが、秋の2大会で存在感を見せ、年間トータルでは多くの試合を経験できたのは地力のなせる技でした。
久慈は東北クラブカップ戦線で自力を発揮。クラブ選では駒形に破れたものの代表決定戦に勝ち東北CC進出するとそこでも3位に入り交流大会を経験。東北連盟会長県予選でも準決勝進出するなど上位に食い込む戦いを経験しました。

盛友は春先から上位進出を多く経験。悔しいのは各々の代表決定戦で勝ちきれずに“次点コレクター”となってしまったこと。それでも公式戦だけでも年間16試合戦ったわけで、いい経験になったのは間違いないでしょう。
そしてある意味では今年一番注目を集めたのが住田の戦いぶり。ここ数年、大会によっては存在感を見せてきた住田が、クラブ選手権で江刺、盛友と東北予選を経験したチームを連破。特に盛友戦では「3回まで0対8」をひっくり返し、クラブ選手権東北予選に初進出。東北予選では郡山に集中打を浴び破れましたが、1つの壁を破った戦いぶりは見事でした。

▽JR盛岡 5勝9敗
都市対抗県予選準優勝・東北予選第2代表二回戦、岩手県知事旗一回戦、定期戦3位、日本選手権東北最終予選一回戦、東北連盟会長大会企業の部一回戦、岩手アマ王座企業の部準優勝
▽釜石野球団 4勝4敗
都市対抗県予選クラブ一回戦、クラブ選手権県予選3位・東北予選一回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選三回戦
▽盛岡球友倶 3勝4敗
都市対抗県予選本戦一回戦、クラブ選手権県予選二回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選二回戦、北上市長旗二回戦
▽一戸桜陵ク 3勝3敗
都市対抗県予選本戦一回戦、クラブ選手権県予選二回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選三回戦
続いては年間3~5勝チーム。JR盛岡はトヨタと違い、JABA大会は不参加、他の地区では企業セカンドグループを対象にした大会もありますが東北はそういうのはなく、その代わりに練習試合で多くの大学チームに胸を貸している様子は伝えられています。申し訳ない話、この記事は公式戦ベースで書いているので残念ながらこの位置での記述となりました。それでも各種大会でトヨタに食らいつき、東北連盟会長大会ではTDKにも肉薄しました。

釜石野球団は何と言ってもクラブ選手権の県予選3位。チームとして22年ぶりに進出した東北予選でも意気のいい立ち居振る舞いを見せ、社会人野球ファンの注目を集めました。盛岡球友は突出した戦績はありませんでしたが、都市対抗のトヨタ戦、北上市長旗大会の大崎戦と上位進出を経験したチームにも食らいついた姿が印象的でした。
一戸も年間6試合を戦い、都市対抗県予選では本予選進出するなど意地を見せました。
▽矢巾硬式ク 2勝5敗
都市対抗県予選クラブ一回戦、クラブ選手権県予選三回戦、岩手県知事旗一回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選一回戦、北上市長旗準決勝
▽赤崎野球ク 2勝5敗
都市対抗県予選本線一回戦、クラブ選手権県予選二回戦、一関市長旗一回戦、岩手県知事旗準決勝、北上市長旗準決勝
▽MKSIBC 2勝3敗
都市対抗県予選クラブ二回戦、クラブ選手権県予選二回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選三回戦
▽宮古倶楽部 2勝3敗
都市対抗県予選クラブ一回戦、クラブ選手権県予選二回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選二回戦
▽雫石クラブ 2勝2敗
クラブ選手権県予選三回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選二回戦
年間2勝チームは5チーム。矢巾と赤崎は前年上位進出の実績で多くの大会に出場しましたが壁にぶつかった印象がありました。矢巾は23年北上大会優勝の実績を残しましたが今年はその北上大会とクラブ選で一勝ずつをあげたのみに。次年度の復讐を狙います。赤崎野球クは23年のクラブ選県準優勝・東北進出の経験を今年に持ってこれるか期待されましたが、序盤戦で苦戦を強いられ波に乗れず低空飛行。それでも岩手県知事旗で矢巾に勝ち、トヨタに食らいつくなど存在感を見せる場面も作りました。

MKSIBCは上位進出も睨んだ姿勢を見せましたが、残念ながら序盤敗退が続き悔しいシーズンに。一方で宮古は2大会で勝ち星をあげ光も見えたシーズンになったものと思われます。雫石は何と言ってもクラブ選手権の2連勝。最後はバテて負傷没収試合となってしまいましたが、チームの意欲に火がついたのではないでしょうか。
▽花巻硬友倶 1勝4敗
都市対抗県予選クラブ一回戦、クラブ選手権県予選二回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選一回戦、岩手アマ王座クラブの部一回戦
▽遠野クラブ 1勝4敗
都市対抗県予選クラブ二回戦、クラブ選手権県予選一回戦東北連盟会長大会県予選二回戦北上市長旗二回戦
▽一関BBC 0勝4敗
都市対抗県予選クラブ一回戦、クラブ選手権県予選一回戦、一関市長旗一回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選二回戦
▽オール不来方 0勝3敗
都市対抗県予選クラブ一回戦、クラブ選手権県予選二回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選二回戦
▽黒陵クラブ 0勝3敗
クラブ選手権予選一回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選二回戦、北上市長旗一回戦
▽北上REDS 0勝3敗
都市対抗県予選クラブ一回戦、クラブ選手権県予選一回戦、北上市長旗一回戦
▽高田クラブ 0勝3敗
都市対抗県予選クラブ一回戦、クラブ選手権県予選二回戦、東北連盟会長大会クラブの部県予選二回戦
▽滝沢スイカーズ 0勝1敗
東北連盟会長大会クラブの部県予選一回戦
▽盛岡倶楽部 休部
▽前沢野球倶 休部
▽福高クラブ 休部
最後は年間0~1勝チーム。この中で目立ったのは岩手アマ王座に参加した花巻ではないでしょうか。勝ち星はクラブ選一勝ながら、地元枠で出場した岩手アマ王座でも駒形に善戦。参加したメンバーが根付いている様子も見え、ここからという意気込みも見ます。遠野も近年加入選手が中心的な位置で登場することも。選手の気の持ち方によっては来年以降花開くものになるのではないでしょうか。
未勝利になってしまったのは6チーム。トーナメントの多い岩手社会人野球において力量差によっては試合数を多く持てずにいたりします。他の県では硬軟兼業禁止のチームもありますが、岩手の場合は軟式チームと兼任して在籍している選手も多く(さすがに企業2チームは“専業”ですが)選手の集合も簡単ではありません。その中でも年間3試合でも「地域野球人を結集」して戦いに臨む姿は地域の野球の力を維持する基となってるのではないでしょうか。「続けていればいずれその意欲が芽吹く時もあるということでまあ近年だって一戸の北上市長旗大会優勝とか住田のクラブ選手権東北進出とかあるわけで。各チームそれぞれでそういう活路を見つけるというか、希望を拾い続けてほしいと願っています。それは今休部している盛岡倶楽部、前沢野球倶、福高クラブもそうです。
全国を見ると…30年前は約30チーム在籍していた福島県が10チームそこらになるなど厳しさを見る場面もある一方で、東京や神奈川、千葉ではクラブチームが増えている様子も見えます。JABAホームページでチーム情報を得るのが年1回だけになったので、いまの時点では全体の状況を掴めてるとは言えませんが、それでも岩手の20数チーム在籍というのは全国で抜けたチーム数であることは間違いありません。地域の野球熱を拾い続ける存在でいて欲しいものです。
一方で。社会人野球は何年間かでチームの姿変わる場所でもあります。昨年晩秋、トヨタ自動車東日本では岩手チーム初の社会人野球日本代表となった望月直也さんら4選手、JR盛岡では“ザ・いぶし銀”大越拓人さんら9選手の勇退がチームあるいはチーム関係者から報じられました。
特記2人。
JR盛岡の寺田翼さんは30代半ばから自らのMAXを更新し続けた野球選手の軌跡もさることながら、独自の情報発信で“フルタイム勤務企業チーム”の姿というのも世の中に知らしめた方でありました。その尽力に心から敬意を表するものです。

トヨタ自動車東日本の小野勝司さんは山梨県出身。縁もゆかりもないだろう岩手にやってきて攻守に存在感を見せ一年目からレギュラー。都市対抗野球本大会進出を果たすなど一時代を築いたキャッチャーでした。(岩手社会人野球最低捕手が言っても「なんだこれ」程度にしか思わないでしょうが)10数年の奮闘に感謝を申し上げるものです。
他11選手にもそれぞれ思いがありますが、代表してこの2人に一言を申し上げました。尚、関わる赤崎野球クラブに関しての人事異動に関しては申し上げることがありません。私は「別世界に招集されての引退」にならないように気をつけます。
社会人野球のシーズンは始まっていて、トヨタ自動車東日本がスポニチ大会に出場し1勝2敗。岩手県内の公式戦は4月下旬の三陸沿岸大会から始まる、というところではありますが、皆さん無事にその場に居続けていただければと願うものです。
今回もクソ長い記事でしたがおつきあいいただきましてありがとうございます。