30mm厚のフローリング材を自作・実加工して床張りするまでの全工程

地杉無垢の床板 18坪の家作り
もくじ

無垢の床板を30mmの厚みにした理由・コンセプト

家づくりのコンセプトは、化学物質フリーの自然素材の家にしたい

接着剤や、断熱材などをできる限り使わずに、
地杉の材で、自然素材の家を建てること。

おさかな
おさかな

化学物質で体調が悪くなるので、なるべく使わないようにしています。

厚みのある杉材は、吸湿性・調湿性が期待できる

構造用合板を使わない床作り

湿気が多い地域で、
構造用合板(OSBボード・コンパネなど)はシロアリに食べられてしまったり、

合板が湿気・水分を吸って、ベコベコになってしまうという話をよく聞きます。

おさかな
おさかな

平面出しや、強度を出すのにはとても優れているけど、

ベニヤ特有の水分への弱さがイマイチ使いたくない。

めじなくん
地元のおっちゃん

この地域で家作りするなら、合板は使わない方がいいよ〜。

厚みのある30mmの床材にすることで、断熱効果を高める、断熱材を省く

薄い板を2重に張ることも考えたけれど、
隙間を作ることで虫が入り込む可能性があるので辞めました。

おさかな
おさかな

床板を厚くして、断熱材を使わない方針にしました。

やぎおくん
自然派の人

薄い材と厚い材では、木の耐久年数が全然違うよ。

無垢材の床は、裸足で歩くと心地良い

杉材は柔らかくて、素足で歩くととても温かく感じます。

おさかな
おさかな

よくあるビニールコーティングされているような、
テカテカしたフローリング材の感触は気持ち悪くて・・・。

経年変化する無垢材の風合いは素晴らしい

無垢材は汚れが目立って、
すぐに汚れて傷も付くけれど、

長く使っていると、
不思議と足の油分などでいい風合いが出てくる。

おさかな
おさかな

古いお寺やお堂の床の、
黒くテカテカした感じ、黒光りする床が好き。

床材の厚みが安定感・安心感を作り出す

歩いたときに少しでも床がしなると気持ちが悪い。
厚みのある材にして、安定感のある床面を作る。

杉板15mm厚のフローリングにする場合は、
根太ピッチをかなり狭く(200mm以下)しないと床がしなります。
(杉は特に柔らかい材なので注意)

無垢板のフローリング材を自作する。床張りDIY方法

床張り工程と必要な大工道具

木材を加工して床材を作る方法、床張りする方法と、
作業で使った道具を全てまとめました。

おさかな
おさかな

独学で床張りした方法ですので、

参考にする際は自己責任でお願いします。

根太工法の床下地を作る(土台・大引・根太)

木材を組んで、床板を張る下地を作ります。

木材の厚み
  • 土台:4寸材(120mm)
  • 大引:3寸材(90mm)
  • 根太:45mm×45mm(床根太は60mm材の方が望ましい)
土台・大引のスパン(間隔)
900mm〜1,000mm
床板30mm厚の床根太スパン(間隔)
300mm〜330mm
めじなくん
お友達

30mm厚の床材なら、根太を抜いて、ネダレスでも良いんじゃ無いの?
(大引スパンの900mmで床を張る)

合板を使わない分、根太&釘で少しでも強度を出したかったのと、
床の安定感を出すために根太を入れました。

おさかな
おさかな

素人大工はとにかく丈夫に作る〜。(そうしないと不安)

四角穴コーススレッド

ネジの長さは、根太(タルキ)厚の2倍程度はあった方がよい。

おさかな
おさかな

普通のコーススレッドで留めてもいいけど、
四角ビットの方がネジ頭をなめにくい。

四角ビット(#3)

建築金物のネジビットは、主に四角ビット3番を使います。

インパクトドライバー(18V)

18Vはパワーがありすぎるので、
ネジ留めは丁寧にやらないとネジ頭をなめてしまいます。

マキタのインパクト、最新モデル(TD171)になって多機能になりました。

おさかな
おさかな

無駄に機能が増えて使いにくくなりましたよ。。ケースだけ欲しい笑

透湿防水シートを張る(湿気・隙間風の対策)

隙間風を防ぐために、床下地の上に透湿シートを張る。
タッカーで留めていきます。

透湿防水シート
おさかな
おさかな

床下からの湿気を(気持ち)防ぐつもりで入れてます。

タッカー(釘打ち機)
おさかな
おさかな

タッカーはプロ用の方が、パワーがあってガンガン打てる。

タッカー芯(ステープル)

床板の材料、厚さ30mm・巾120mmの4m材を製材所に注文〜乾燥させる

4m材1本で600〜700円くらい。
材積によって値段が決まります。

おさかな
おさかな

製材したばかりの地杉は水分を含んで重い〜。

しばらく乾燥待ち。

めじなくん
セルフビルダーのおじさん

大工さんは、木材を1年ぐらい倉庫で乾燥・保管しているよ〜。

製材したばかりの材を使うには、最低3ヶ月は乾燥させたい。

長材を2mに切り分ける、キックバック防止に当て木を入れる

丸ノコ(165mm)
おさかな
おさかな

丸ノコは、165mmの電子造作用精密マルノコが、軽くて使いやすい。

丸ノコ定規・角度定規

切断する材に当てて、丸ノコの切断時のガイドとして使います。

おさかな
おさかな

長さ30cmを使っているけど、もっと長くてもいいかな。

自動カンナで材の厚みを揃える

自動カンナで材のムラを整えます。
側面のコバもカンナを掛けます。

水分を多く含んだ材は、カンナで綺麗に削られないので注意。

自動カンナ(研磨幅304mm)
めじなくん
大工さん

まずは、材の厚みを揃えないことには始まらないよ。

おさかな
おさかな

いい道具には投資することに決めました。
買おうかどうか、悩んでいる時間がもったいない。

自動カンナは値崩れしないので、
新品を買って、使わなくなったら売ろう。

マキタの自動カンナ(2012NB)替刃の交換方法

  • 1.サイドカバーを外す
  • 2.銀色の突起を押して刃の回転をロックする
  • 3.ボルトネジを外す
  • 4.付属品の四角の磁石2つを使って刃とプレートを取り外す
  • 5.新しい替刃に交換して、磁石を使って元の位置に取り付ける
  • 6.ボルトネジを締める
  • 7.サイドカバーを戻す

切れ味の悪い状態で使っていると、モーターに負荷が掛かって高音になるので注意。
自動カンナ替刃

雇い実のメス側をミゾキリカッターで加工する

30mm厚みの板を4本程度まとめてクランプで固定してから、
9mm幅のミゾキリ刃で材の中心を通るようにミゾを掘ります。

溝の深さは1cm程度。

一度に深く掘り過ぎたり、速く動かしたりすると、
木材のバリが出やすいので注意。

溝切りカッター本体が傾いたりすると、
掘る位置がセンターからズレるので注意。

ミゾキリ本体
おさかな
おさかな

重いだけあって、パワーがあります。

ミゾキリ刃
おさかな
おさかな

ミゾキリの刃は決して安くは無いので、
切り幅を変えられる自在カッターを1つ持っておくといいです。

クランプ
おさかな
おさかな

バクマのクランプが圧倒的に使いやすい。

懐のサイズが大きい方が使い道が広がるけど、
値段見合いで、必要なサイズをたくさん揃えた方がいい。

やぎおくん
木工作家さん

木工で何か作りたいなら、クランプは沢山あった方がいいよ。

雇い実のオス側(ビスケット材)を杉板から加工する

杉の野地板を自動カンナで9mmまで薄くして、
テーブルソーで縦挽きしてオス材を作る。

2cm程度の幅で縦挽きします。

材を押し進めるときは、治具を使う。絶対に手を刃の方へ出さないように。
おさかな
おさかな

テーブルソーで指を怪我した、指が無くなったという話をよく聞きます。。

マルノコ盤
おさかな
おさかな

木材を縦挽きするなら、マルノコ盤(テーブルソー)は必須。

縦継加工はしていない

縦方向を継いだフローリング材もあるけれど、

縦方向の継ぎ目の下には、
下地材(根太)があるので、
継手が無くても見た目に影響が無いと判断しました。

おさかな
おさかな

流石に地面が見えたら嫌です・・・。

トリマーで床材の縁の面取りをする

古い型のトリマーを安く手に入れて使っています。

おさかな
おさかな

始動から全力で動くので危ない〜。
けど、故障も無く素晴らしい製品。

電子トリマー(6mm)

電子制御が付いていた方が、始動がスムーズ・安全です。

トリマービット(6mm)

DIY程度なら、いろいろ入ったビットから始めて、
よく使うビットを質のいいメーカー品を揃えるといいです。

おさかな
おさかな

日本製の半額くらいの激安ビットセット

(今のところ問題なく使えている・・・)

床張り・フローリングの割付け(レイアウト)をする

室内の床が左右対称にレイアウトされるように、
家の中心から張り進めるようにしました。

柱の太さが4寸(120mm)で、床材の幅も4寸となるようにしたので、
柱の幅に合わせて張っていく。

フロアネイル・金槌・釘締めを使って床張り作業

釘締めは、センターポンチでも代用できる。

頭の小さいフロアネイルを締めるので、
先の細い釘締めを使います。

掛矢(かけや)・大ハンマー

実加工したオス・メスががっちり噛み合うように組んでいきます。

金槌で叩いても入らないくらいきついので、
大ハンマーで当て木をして、ガンガン叩き入れます。
(組み合わせの最初がスムーズに入るように、ノミで角を落としてもいい)

既製品のフローリング材は、適度な遊びがあって大ハンマーは必要ないかもしれません。

おさかな
おさかな

頭の重いハンマーがあると、杭打ちや、棟上げの材を組むときに役立ちます。

フロアネイル(釘)
釘締め
おさかな
おさかな

頭の幅が広いので、

金槌の打ちミスで手を打つことが無いのも良い点。

おさかな
おさかな

フロアネイルの頭は小さいので、
先端が細いセンターポンチの方が使い勝手が良いです。

フローリングの端の納まり・巾木仕上げ

おさかな
おさかな

まだ納められていない。。(まだまだ床張ってる途中)

壁面・端との納まりは、巾木を貼って隙間を埋めます。

段差のあるタイル面との納まりをどうするのかが、今後の課題。

DIY床張りのアドバイス、注意点、失敗したこと

床下地の根太材スパン(桟木の間隔)は25cm以下がおすすめ

30cmスパン(303mm)が標準スパンとされているのは、
合板を敷いたり、硬い床材を使う前提なのでは?

杉の床板は厚さ15mmだと薄すぎる

303mmスパンで、15mm厚み薄い杉材を使うとしなる。

柔らかい杉の床材を使う場合は、
床がしならないようにスパンは狭い方が安定感が増す。

つま先か踵が必ず根太の上になるように、
スパン20cmまで狭めても良い。

手作業の加工精度では、それなりの品質になる

おさかな
おさかな

自然な味わいがあって良いとも言えるけど、微妙に段差が出来る〜。

板の厚さは自動カンナで確実に揃えておく

板の厚さが少しでも違うと、
少しの差が水平面のずれになる。

ミゾキリのライン(実加工のメス側)がぶれると床の平面もぶれる

ミゾキリ作業は、さくさく進むけれど、
意外と完全に中心を溝掘りするのが難しい。

実を組み合わせたときに、
少しのずれで水平面がずれてしまう。

床下地の直角が完全でないと、張り合わせで隙間が出来る

狭い空間(6〜8畳程度)で区切って床張りする場合は問題ないけれど、

3間×6間のワンフロアを全て同一面で床張りしたので、
柱をまたいだり、壁に沿って床を張ったりしていると、
どこかで直角でない箇所の角度のずれを吸収する必要が出てくる。

ピタッと実加工で隙間なく納めたいけれど、隙間が出来る。。

おさかな
おさかな

自然素材の木なので反ってくるし、

そんなに気にならないけれども・・・。

無垢材・杉の床板はすぐに傷と汚れが付く

四つ脚の椅子を使っていたら、すぐに脚の跡が付きました。

おさかな
おさかな

傷も汚れもご愛嬌かな〜。

早く経年変化していい感じになって欲しいです。

DIYで床張りして良かったこと

木材加工製品のフローリング材より圧倒的に安く出来る

36畳分(3間×6間)の床材の材料代

30mm(厚さ3センチ)×120mm(幅12センチ)×4,000mm(長さ4メートル)の木材を、
150本(1階床と余ったら2階床の分)注文しました。

床材の費用は、10万円ほど(大工道具代は除く)
おさかな
おさかな

DIYなら買うより半額以下には出来る。

長いスパン(2m以上)で継いだので、縦の継ぎ目が少ない

既製品のフローリング材だと、
一般的に910mmや1820mm程度の長さで売られていますが、
自作したおかげで、1本の長さが200cm〜220cm程度で継ぐことが出来ました。

おさかな
おさかな

製材所から送られてくる4m材の長さが、

420〜430cmもあるので助かります。

雇い実加工のメリットは、木材の有効幅を最大限に利用できる

1枚の板からオス・メスを切り出す、本実加工は、
オス側の加工で床板の幅が少なくなってしまう。

雇い実加工の場合は、両端ともにメス加工のため、
床板の幅は材の幅分使えます。

加工作業もシンプルになって良いですが、
強度は本実の方が強い。

杉板のビスケット材は、柔らかくて強度は期待出来ません・・・。

おさかな
おさかな
1.5坪の小屋の床張りの様子はこちら。
15mmの薄い板を張ったのでイマイチだったかな〜。
杉の無垢板フローリングを自作する、雇い実加工して床張りDIY
セルフビルド1.5坪の小屋の床作り 屋根と壁が出来て、 床が無い状態の小屋。 地杉の板で、床材を自作して、床張りしていく。 おさかな 地産地消、身土不二の暮らしを作る! そのへんにあるもので作るがテー...
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