自分の不具合対応記録 [vol.2] 自分の「ごまかし」を棚卸してみた
前回の記事の終わりに、私が、報告をしない(したくない)原因に、「スケジュールの立て方が、まずいのかも」と思い、「次は、スケジュール作成、管理について、不具合調査をしてみようと思う」と書いたのですが、その後、上司と話しをしていて、もっと重要なことに気が付いたので、そのことについて、先に考えてみたいと思います。
報告しているときの、上司からのつっこみ
上司から、また、作業報告の催促を受けてしまい、慌てて、作業の現状を説明していました。
自分の落ち度を突っ込まれないよう、言葉を選びながら話していたのですが、やはり、つけ刃的に、説明した内容では、「よくわからない」「話に違和感がある」らしく、報告内容について、上司は、いろいろ突っ込んできます。
聞かれたくないことほど、上司に細かく聞かれて、だんだん、返答に詰まってきてしまいます。
でも、自分の作業段取のまずさや考慮不足が発覚して、報告の時間が長引くのは避けたいので、上司の質問やツッコミに対して、「自分は考えてやっているアピール」の返事を返していました。
そのうち、上司が、
「ちょいちょい、ごまかしを入れてくるね」
と、ぼそっと言いました。
(ヤバイ。ばれてる).
「そんなことは、ないです」と、さらにごまかしを追加したものの、上司には、言い訳できない状態。
「すいません」というしかなくなりました。
そのあと、上司から、私が、自分の仕事全般にかかわる、大きな問題を抱えていることを指摘されました。
その問題点は
「わたしは、報告や、自己認識の中に、その場しのぎ的に、ちょいちょいごまかしを入れて、自分もまわりも、間違った判断をさせている」
ということでした。
上司曰く、
「間違った情報からは、間違った判断しかできない」
この状態では、いくら、やり方を教えてもらったり、やり直ししてもうまくいかない。
「~の仕方」「XXXノウハウ」をいくらマネてみても、ごまかしが入る限り、うまくいかない・・・ですね。
私が見直すべき重要課題は
「ごまかしをしないで、正確な状況把握、認識、報告をすること」
と、言われました。
じぶんの、「ごまかし」の現状をあげてみた
そこで、私が、今までにやっていた「ごまかし」を、あげてみました。
No | 自分のごまかしの理屈・言動 | 現実(結果) |
---|---|---|
1 | 遅れを取り戻す | 遅れの取り戻し方すらわからず、夜中、休日まで、時間をかけて作業する。しかし、遅れは拡大している |
2 | 毎日、作業報告する | 上司に聞かれるまで、状況説明、報告しない。聞かれたくないと思っている |
3 | 段取を立ててから、作業する | よく考えるのが面倒くさい、よくわからないので、思い付いたことをリストアップした状態で、段取したとごまかして、作業に入る |
4 | 複数プロジェクト・作業を並行して進めるスケジュールを立てるので、今までより、早く売上があがるはず | 1つのプロジェクト、作業にかかりっきりになり、他のプロジェクトを放棄している |
5 | 資料、情報を、検討中、正式版、ボツに分類して、「検討中状態」をため込まない | すぐに、検討中にため込んで、数か月以上放置状態だが、上司には、分類しているように答える |
6 | 作業の前後を確認・考慮して、全体を把握する | 上司に言われたことだけ、その場で考えたくせに、前々から、いろいろ考えていたような話し方をして、ごまかす |
7 | 自分のスキル(現実)にあったスケジュールを立て、自己管理する(理想論で、ごまかさない) | 「やらなくていけない」の理想だけで、最初から無理なスケジュールを引く。スケジュールを引くと、できた気になり、その後は、スケジュールは無視する |
8 | リーダーとして、プロジェクト全体を管理し、自分から考えて行動し、売上アップできる状況を作る | 自分ではどうすればいいかわからないので、上司に言われたことだけしかやらない。しかし上司に言われたことも、間に合わせない。 |
9 | 作業環境を整理整頓しながら、効率よく作業する | あとでまとめてやればいいと、整理整頓をさぼる。後になって、時間が足りない中、慌てて整理整頓してミスを起こす |
10 | 人の話を否定しないで受け入れ、理解する | 人の話は、敵対心・偏見で、勝手な思い込みを入れながら聞き、自分のノウハウには、組み込まない |
11 | 話の論点をすり替えない | 言い訳したり、自分をよく見せようとして、話の論点や、話自体すりかえる |
12 | 上司、関係者に確認しながら作業する | 誰にも確認しないで勝手にやる。注意されると、せっかくやったのにと怒る |
13 | 頭のうろ覚えを当てにしないで、確認しながらやる | 確認が面倒くさいので、すぐに頭のうろ覚えをたよりにして、そのうろ覚えも曖昧で、嘘の結果しか得られていない |
14 | 今度こそは、ちゃんと(正しいこと、決めたことを)やる | 「ちゃんと」の中身がわかっていないので、今までと同じ作業をして、いい加減なものを作る |
15 | 自分の言いたいことより、相手の聞きたいことを先に話す | 自分の言いたいことだけ言って、相手の話は聞く気がない |
16 | 「今日はXXXをやる」と予定を決め、他人にアピールする | 決めてあった「XXX」をやらずにすぐに、自分のやりたい(おもいついた)ことを、ちょっとだけと言ってやり始め、メイン作業に勝手にすり替えてやる |
17 | 社内で取り決めたルールに従う | 面倒くさい部分はすべて無視して、自分のやり方でやって、失敗する |
18 | (やりたくない作業でも)やりますと答える | やりたくない作業は、後回しにして、そのままフェードアウトして、なかったことにしようとする |
19 | いいわけやごまかししないで、必要なことを、まじめにやる | すぐに言い訳、ごまかしの理屈を返して、済まそうとする。必要なことは、最初だけやりかけるが、実力つくまで継続してやらない。何か理由ができると、やらないことを正当化する言い訳で済ませる |
20 | スケジュール管理を毎日やる | スケジュールを何回引き直してもすぐに破綻する。また、すぐ遅れが出るので、スケジュール表も見なくなり、放置する。上司にスケジュール管理しているか聞かれると、「管理しているが遅れが出ている」と、管理していないことをごまかす |
21 | 作業しにくいと思ったら、上司、関係者に相談し、自分から効率化を図る | 他人に相談するのが面倒くさいと思い、勝手に、自分のやり方・順番に変えるか、不満を感じながらそのまま放置。うまくいかないと、他人のやり方が悪いと文句を言う |
22 | (上司、他人に)言われたことは、自分もやっている・わかっている・考える必要があると思っている | 言われる前は、気づいていない。言われてから、相手の言葉のうけうりで考えようとしているが、「ずっと考えているところ」とごまかす |
23 | 自分の作業の遅れ具合の現状を理解している | 遅れが拡大してきてヤバいということはわかるが、本当の遅れ具合(工数)が、明確にはわからず、放置している |
24 | わからないことがあったら、現状整理してわからない部分・理由を明確にしてからやることを決める | 状況がよくわからなくても、早く何かやらないといけないからと、とりあえず思いつくことをやる。思いつくところを調べる |
25 | 「大丈夫か?」聞かれると大丈夫と答える | 大丈夫といえる根拠がなく、願望で言っているだけ。間違った作業したり、よくわからず困っていたり、本当に良いかどうか迷っていることが多い。 |
26 | XXXをみて、学べた気がする(わかった気がする) | 何を学んだのかを、明確に言えない。本当は学んでいないが、願望から、調子の良いことを言っているだけ。 |
27 | 売上アップできる事業計画を立てて、実行に移す | 事業計画は願望だけで立てていて、現実は売上アップできる根拠がない状態。計画を立てて終わっている。実現できるような行動をしていない。 |
28 | STP分析、ペルソナ設定等のマーケ作業を行ってから作業に入る | 少し検討した状態で、すぐに実作業に入り、行き詰っている |
29 | 自社製品にあったマーケティングのフレームワークを構築して製品開発に役立てる | 受け売りのマーケティング分析作業すら、できていない。(何を売りにして、営業、製品開発すればいいかのアイディアがでていないのが証拠) |
30 | 世間の関心、ニーズを勉強する | 作業がたまっていることを言い訳にして、自分から勉強する時間を作り出していない。世間のニーズを勉強していない。そのため周りのマーケ情報を聞いても、ピンときてない。でもそれもごまかして、わかったような返事をする |
31 | XXX作業が落ち着いたら、営業回りする | 過去何回もその予定を言うが、他の作業を言い訳にして、営業回りしない |
32 | 客先に行く前に、交渉をイメージして、契約とれる商談を行う | 押し売りして契約とれない。客に契約してもらうために割引などしかできず、利益が出ない契約しかとれない |
33 | 客との商談の手応えでは、契約できそうな感じがする | よほど安い金額や、マシン入れ替え以外の新規システムの案件・提案は、断られている。自分の感じた「手応え」は、願望でしかなかった |
34 | 自社の過去の開発実績を見せれば、客は興味持つはず(多種多様の基幹業務の実績があるから) | 客の業務と同じ系統の実績がないとかえって、「合わない」と判断されて断られる。自分が、経験・スキル・知識不足だと、話をしているところで、見抜かれて、断られる。 |
35 | 顧客本位で考えられるように、客や上司、他人からの注意、不満は、素直に受け取る | 自分が気に入らない、気にしていること、都合の悪いことを言われると腹を立てて、言い訳したり、言い返したり、不機嫌な態度をする |
こんなに、いろいろと出てきて、非常に恥ずかしいです・・・。
(もっと細かなものまであげると、きりがない状態です)
自分の「この場の体裁を取り繕いたい」「根拠ないけど大丈夫」で、次々に出てくる「ごまかし」たち。
・結果的にごまかしになっているもの
・自分でも「ごまかし」と最初から認識しているもの
・大きなごまかし(現実と自分の言葉が対局にあるもの)
・ちょっと話を盛る程度のごまかし
「ごまかし」のタイプはいろいろありますが、こんなにいっぱい自分が「ごまかし」を発信しているとは・・・。
「ごまかし」していない時はあるんだろうか?と思うほどです。
たとえ、1個1個は、「ちょいごまかし」レベルであっても(「ちょい」では済まないものもありますが)、これだけの数(場面)を、ごまかししているとは、うまくいかないはずです・・・。
「ごまかし」の心理を考えてみた
なぜ、過去何度も、「すぐに上司にばれる」のに、私は、ごまかしをするのか?
「ごまかす」自分の思考、意識、心理の問題点は何か?
を、自分なりに、分析してみます。
ごまかしのパターンを分けてみました。
(A)他にやりたいことがあるので、その場を早くすませたい場合
(これ以上、注意を受けるより、早く話をおわらせて、自分の作業に戻りたい)
(面倒くさい勉強や調査に時間かけるより、早く実作業に移りたい。)
上記の表のうち、16個が該当しました。
(B)自分の体裁を取り繕う場合
(他人にバカにされたくない)
(自分は、ちゃんとやっている、考えているように見せたい)
これも、表のうち、17個が該当。
(C)やるべきことを、やっていないことを正当化する場合
(なるべく、面倒くさいこと、時間かかることやりたくないので、「ざっと」簡単に済ませて、ちゃんとやった」ことにして、次の作業に進みたい)
(苦手なことは、後回しにするときの、それらしい理由を主張)
これは2個でした。
ただ、表にはないものの、仕事以外でも、誰かに用事を頼まれたりしたときに、「今、XXXやってるから」とか「○○がないから、できない」という言葉が、口癖のようになっている感じはあります。
自分の心理は、以下のような感じのようです。
・スキルやノウハウがなく自信がない
↓
・でも、自分の「できなさ」をバカにされたくない(ここで、ごまかしで、見栄を張る)
↓
・自分のやり方で、なんとかうまくやりたい
↓
・報告などに時間とるより、早く自分の作業に戻りたい
↓
・とりあえず「わかった」体にして、この場をすませる(ここで、ごまかしで、わかったように「XXXします」という)
↓
・「やる」ことをやっていないことを指摘されると「XXXしていたので」と正当化を主張する(ここで、ごまかしの言い訳)
う~ん、私の心の闇が・・・。
今後の課題
私は、自分のごまかしによって、正しい状況の把握ができなくなっていて、その上、嘘やごまかしの情報で、自分自身が惑わされ、振り回されていることが見えてきました。
そして、そのことを指摘されると、イライラして、周りに対して、攻撃的になり、さらに、ごまかして、現実からずれて行ってしまうという、悪循環に、自分からはまり込んでいる状態です。
また、このブログを書いていて、1つ疑問が出てきました。
それは「理解する」「身に着ける」とは、どういうことなのか、を私は理解できているのかなということ。「本当の理解」ができていないから、どんな情報も薄っぺらくて、ちょっと突っ込まれると、返事ができなくなってしまう・・・。
今後の課題は、
・外に発信する前に、ごまかしにつながる自分の言動を自制する
(ごまかししたい気持ちを自制つき)
・そもそも「ごまかし」しなくて済むように、「早く」自分のスキルをつける
(スキルをつける際に、わかってないことをごまかさないという自制つき)
・「『理解する』『身に着ける』とはどういうことなのか」の本質を理解する
上記の課題を克服しながら、自分の日々の「やらかし」の不具合対応を、ごまかさないでやっていこうと思います。