青春18きっぷを使い、在来線で仙台から函館まで向かいました。
今回のルートだと、仙台~函館の路線距離は約660km。
仙台~名古屋が700kmちょっとなので、1泊2日~2泊3日の乗り鉄旅行コースとしては十分にアリだと感じました。
中でも仙台~青森のルートは多種多様で面白い列車も多いですし、機会があればぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
当ブログ「東北旅びより」では、以下の内容を紹介していきます。
- 青春18きっぷ 仙台駅~函館駅の旅行記
- 青春18きっぷで北海道へ行く際の注意点
- 青春18きっぷで東北旅行する際の注意点とおすすめルート
ぜひ参考にしてみてくださいね。
青春18きっぷとはどんな切符?簡単におさらい
青春18きっぷとは、JRの普通列車や快速列車、BRTなどが3・5日間乗り放題になる切符。
- バス・ラピッド・トランジット(バス高速輸送システム)の略
- バス専用道などを走ることで、路線バスよりも速達性、定時性を確保できる
10,000~12,050円で発売されてるので、1日あたり2,000円分ほどの移動をすれば元を取れます。
ちなみに仙台駅~函館駅を新幹線で移動した場合、費用は片道18,000円ほど。
しかし青春18きっぷを使えば、実質10,000円以下での移動が可能です。
本州~北海道を鉄道で移動するには、新幹線を使わなければいけません。
そのため北海道まで向かう場合、青春18きっぷ代とは別に追加料金が発生するので要注意です。
青春18きっぷの詳しい買い方や使い方は「初めての青春18きっぷ」を参考にしてみてください。
【旅行記】青春18きっぷで仙台から函館へ!北海道新幹線オプション券を使わずに行くとこうなる
【1日目開始】仙台駅から東北本線を乗り継ぎ盛岡駅へ
旅の始まりは仙台駅。
まずはここから東北本線に乗車し、終点の一ノ関駅まで向かいます。
1日目の目的地、青森駅まではおよそ500km。
約10時間の旅、ゆっくりじっくり楽しんでいきましょう。
本日最初の列車。
4両編成のE721系です。
2~4人掛けを基本とした車内。
定刻通りに仙台駅を出発した東北本線。
塩釜駅を過ぎると、車窓からは日本三景の松島が見えてきます。
仙台~一ノ関では、ここが一番のビューポイントでしょう。
仙台駅から約1時間半、一ノ関駅に到着。
岩手県に突入です。
一ノ関駅からは盛岡行きの東北本線に乗り換え。
2両編成の701系です。
東北本線は盛岡駅~東京駅を結ぶ長大路線ですが、地域によって車両に特徴があって面白いですね。
これも鉄道旅の楽しみのひとつではないでしょうか。
一ノ関駅から約1時間半で終点の盛岡駅に到着。
もし自分が盛岡生まれで上京する時にこの発車メロディー聞いてたら確実に大号泣してたぞ pic.twitter.com/NMpca6xC3w
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) October 24, 2024
盛岡駅からは秋田新幹線に乗車し、秋田駅を目指します。
盛岡駅といえば、個人的に新幹線ホームの発車メロディ「ダイジョウブ」が特に印象的。
2007年放送の連続テレビ小説「どんど晴れ」の舞台にもなった盛岡市。
その主題歌になったのが、小田和正さんの楽曲「ダイジョウブ」でした。
本来であれば2019年11月1日~2021年10月31日の2年限定だったそうですが、好評だったことから現在も継続使用されているんだそう。
【初心者必見】青春18きっぷ利用者は盛岡~青森の移動に要注意
東北新幹線が八戸駅・新青森駅まで延伸開業したことで、東北本線の盛岡駅~青森駅間はJRではなくなりました。
つまり青春18きっぷのみで青森まで行きたい場合、山形県・秋田県側から迂回して向かう必要があるんです。
仙台駅から青春18きっぷのみで青森へ向かう場合、考えられるルートは主に以下の3つ。
- 仙台→(仙山線)→山形→(奥羽本線)→青森
- 仙台→(東北本線)→北上→(北上線)→横手→(奥羽本線)→青森
- 仙台→(東北本線)→盛岡→(田沢湖線)→大曲→(奥羽本線)→青森
中でも3番に含まれる田沢湖線はかなり本数が少ない路線。
盛岡駅~大曲駅を直通運転する列車はほぼありません。
もし田沢湖線を使うなら、短区間で新幹線に乗る「ワープ」という方法がおすすめです。
関連記事青春18きっぷ利用者がよく使う「ワープ」とは?東北のおすすめ区間を一挙紹介
秋田新幹線で盛岡駅から秋田駅へワープ!
- 一部区間のみ、新幹線や特急に乗車すること
- 在来線の運行本数が少ない区間などで使うことが多い
盛岡駅からはワープという手法を使い、秋田新幹線で秋田駅へ。
盛岡駅~大曲駅を結ぶ田沢湖線は全線走破する列車が極めて少ないため、この区間は新幹線を使ってしまうのがベター。
今回は久しぶりに田沢湖線の景色を楽しみたかったので、盛岡駅~秋田駅のみ新幹線を使うことに。
ちなみに盛岡駅~秋田駅の新幹線料金は通常4,220円。
ただ事前予約割引になる新幹線eチケットのトクだ値14を使えば、2,940円での移動が可能です。
盛岡駅を出発した秋田新幹線は高架橋をくだり田沢湖線内へ。
日本最速の列車が在来線区間を走るギャップがたまらない。 pic.twitter.com/wlBU9pljna
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) October 27, 2024
盛岡駅を出発した秋田新幹線は高架橋をくだり田沢湖線内へ。
時速320kmで走行する日本最速の列車が在来線区間を走るとは。
そのギャップもまた楽しみのひとつです。
新幹線が走るとは思えない峠道での列車交換を楽しめるのも、ある意味東北だからこそ楽しめるワンシーン pic.twitter.com/0twQqCSmet
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) November 2, 2024
新幹線が走るとは思えない峠道での列車交換を楽しめるのも、ミニ新幹線ならでは。
大曲駅に無事到着し、これにて田沢湖線走破完了。
これより先は行き止まりになっており、進行方向を逆向きにして奥羽本線内を走行します。
新幹線のバック運転も、ある意味ここでしか楽しめません。
秋田駅から奥羽本線を乗り継ぎ青森駅へ
盛岡駅から1時間40分ほどで秋田駅に到着。
普通列車のほか、特急や観光列車、新幹線など多種多様な列車が日常的に行き交う秋田駅。
仮に仙台駅を6時に出発した場合、今回のルートだと秋田駅到着時点で11時半頃かと思います。
この辺で食事休憩をとるとちょうどいいでしょう。
ランチは筆者のお気に入りのカフェ、赤居文庫へ。
赤居文庫は、2019年9月に秋田市に誕生したカフェ。
仙台の人気カフェ「青山文庫」の姉妹店としてオープンしました。
ノスタルジックな雰囲気漂う、落ち着いた店内が特徴的な赤居文庫。
秋田駅から徒歩6分と好立地ですし、夜遅くまで営業しているのも魅力です。
秋田駅からは奥羽本線に乗車し、目的地の青森駅へ。
東北ではお馴染み、2両編成の701系。
この赤と紫のカラーリングを目にすると、秋田まで来た実感が湧きます。
奥羽本線の車窓から眺める田園風景。
秋田の素晴らしいお米はここで作られているんですね。
秋田駅からはるばる約3時間半、目的地の青森駅に到着。
2024年から本格的に営業開始した青森駅の新駅舎。
正面から眺めるとその巨大さに圧倒されます…
仙台から約10時間の鈍行旅、とても充実した時間を過ごせました。
1日目の宿泊地、まちなか温泉 青森センターホテルに到着。
青森駅前では唯一の天然温泉を有するまちなか温泉 青森センターホテル。
施設自体は年季が入っているものの、清掃は細かい部分まで行き届いていますし、立地やサービスどれにおいても大満足。
ぜひまた利用したいと思えるホテルでした。
夕飯は味の札幌大西へ。
まちなか温泉 青森センターホテルから徒歩1~2分とアクセス抜群です。
青森に来たら外せない、味噌カレー牛乳ラーメン。
「ラーメンに味噌とカレーと牛乳入れるとうめえらしい!」という学生のアイデアから誕生したと言われる一品。
味の札幌大西は、その味噌カレー牛乳ラーメンを売りにする人気店です。
他では食べられない青森ならではのソウルフード…
一度食べる価値アリです。
【2日目開始】末端区間廃止がほぼ確定した津軽線…沿線の現在は?
2日目は今回の目的のひとつでもあった津軽線に乗車。
2022年8月の大雨により、長らく運休となっていた津軽線の蟹田駅~三厩駅間。
- 赤字ローカル線であること
- 運休区間だけでも6億円の復旧費用を要すること
- 中小国~三厩の利用者数がここ30年ほどで約70%減少したこと
以上の理由から、この区間の存廃を巡り議論が続いていました。
しかし2024年5月23日の首長協議にて、唯一鉄道での復旧を望んでいた今別町が苦渋の決定としてこれを断念。
事実上の廃線がほぼ確定しました。
今後はバス・タクシーへ転換していくとのこと。
今回はそんな津軽線をバス・鉄道で全線乗車してみることに。
沿線の様子は現在どうなっているのでしょうか?
北海道新幹線で新青森駅から北の大地を目指す
津軽線での旅を終え、いよいよこの旅メインの目的地である函館へ。
青森駅のひとつ隣、新青森駅から北海道新幹線で新函館北斗駅を目指します。
「青森から北海道への行き方」で紹介しているように、青春18きっぷ利用者が北海道へ行く主な方法は以下の通り。
- 北海道新幹線オプション券を購入し、木古内駅へ
- フェリーで函館・室蘭・苫小牧へ
- ネット予約サービス「えきねっと」の割引切符で木古内駅or新函館北斗駅へ
筆者はネット予約サービス「えきねっと」の割引切符を使い、新函館北斗駅まで行くことに。
2024年冬から青春18きっぷのルール変更が実施されることで、相対的にその他の方法がお得になったように感じます。
14日前までのネット予約で適用になる「新幹線eチケット(トクだ値14)」を使えば、新青森駅~新函館北斗駅が4,500円に。
ちなみに北海道新幹線オプション券も同額です。
なお期間限定で発売する「トクだ値スペシャル21」なら、新青森駅~新函館北斗駅が半額の3,750円。
もしタイミングが合えば検討してみるのもアリです。
定刻通りに新函館北斗行きのはやぶさ号が到着。
新幹線eチケット(トクだ値14)で予約した場合、あらかじめ座席を指定している点も地味にポイント。
北海道新幹線オプション券で乗車した時のように、空席を探す手間が省けるので楽チンです。
北海道新幹線オプション券で乗車する場合、普通車の空いている席or立席を使うようになります。
仮に自分の座っている席の指定券を持った人が来たら、その人に場所を譲らなければいけません。
青函トンネルに入りました!! pic.twitter.com/Eqvf7P2oxB
— なか / 東北旅びより (@naka_travel) November 11, 2024
はやぶさ号はいよいよ青函トンネルへ。
筆者、何気に新幹線で青函トンネルを越えるのはこれが初めてでドキドキです。
かつては特急白鳥で2時間だった旅路も、いつしか1時間程度に。
近い将来、これが50分台になる日も来るのでしょうか。
新青森駅から約1時間、新函館北斗駅に到着。
この旅ラストを飾る列車、はこだてライナーに乗車。
終点の函館駅までは20分ほど。
いよいよ終わりも近づいてきました。
仙台駅から2日かけて、ついに目的地の函館駅に到着。
函館では未だ現役の「本場の味サッポロビール」とキハ40。
360度どこを見渡しても絵になる夜の函館。
潮風がとても心地よく、日々の疲れを癒してくれます。
函館市民の何気ない日常は、筆者にとってそのひとつひとつが特別なものです。
函館といったらもうここ。
ハセガワストアのやきとり弁当とラッキーピエロのハンバーガー、大変美味しくいただきました。
仙台から函館へ青春18きっぷで向かう場合、1日で目的地にたどり着くことももちろん可能。
ただ道中で観光を楽しむなら、やはり2~3日はあった方がいいでしょう。
特に仙台~青森のルートは多種多様なので、ぜひお好みに合わせて選んでいただければと思います。
青春18きっぷで仙台から函館まで行くには?青森~北海道の主なルートを比較
- 北海道新幹線オプション券
新青森~木古内で新幹線利用 - フェリー
青森~函館、八戸~苫小牧など - 新幹線eチケット(トクだ値1・14・スペシャル21)
新青森~新函館北斗で新幹線利用
2016年の北海道新幹線開業を機に在来線の旅客運行はなくなり、現在は新幹線の営業のみ。
つまり青森から北海道まで鉄道で行くには、北海道新幹線を利用するしかないのです。
- 北海道新幹線オプション券を利用(新青森~木古内)
- フェリーを利用(青森~函館、八戸~苫小牧など)
- 新幹線eチケットのトクだ値を利用(新青森~新函館北斗など)
主なルートは以上の通り。
筆者は今回トクだ値14を使用しました。
オプション券と同額な上、新函館北斗まで新幹線を使えるので。
また通年販売であるトクだ値1・14の他、時期によってはトクだ値スペシャル21も実施しています。
トクだ値スペシャル21なら新青森~新函館北斗が3,750円。
オプション券よりも断然安いですし、タイミングが合えば検討の価値アリです。
各ルートの詳しい所要時間や料金などは「青森~北海道の移動手段」で紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
【おまけ】東北・北海道での鉄道旅なら北海道&東日本パスもおすすめ
青春18きっぷと似たような切符で、北海道&東日本パスというものがあります。
北海道や東北方面での鉄道旅を考えている場合は断然おすすめ。
なぜなら北海道&東日本パスを使えば、青春18きっぷでは乗車できない東北の路線にも乗り放題になるからです。
青春18きっぷだと、青い森鉄道は条件付きで利用しなければいけませんし、IGRいわて銀河鉄道に至っては乗車すらできません。
そのため北へ向かう場合は、山形県・秋田県側から遠回りをして行かなければいけないんです。
北海道、東北方面での鉄道旅を考えている場合は、こちらの切符を検討してみるのもおすすめですね。
北海道&東日本パスの利用者は、特定特急券を買えば新青森駅~新函館北斗駅間で新幹線を利用可能。
2024年冬から青春18きっぷがルール変更されることで、相対的に特定特急券を利用する方がお得になりました。
東北・北海道方面をメインとした鉄道旅を考えているのであれば、北海道&東日本パスが断然おすすめです。
【旅行記】青春18きっぷで仙台から函館へ!青森から北海道新幹線オプション券を使わずに行くとこうなる|まとめ
以上、今回は「【旅行記】青春18きっぷで仙台から函館へ!青森から北海道新幹線オプション券を使わずに行くとこうなる」という内容でお届けしました。
今回のルートだと、仙台~函館の路線距離は約660km。
仙台~名古屋が700kmちょっとなので、1泊2日~2泊3日の乗り鉄旅行コースとしては十分にアリだと感じました。
中でも仙台~青森のルートは多種多様で面白い列車も多いですし、機会があればぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。