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国際貿易の最新動向:トレードトラッカーの分析

こんにちは!

ブルームバーグのトレードトラッカーというツールを使って、世界貿易の最新の動向を分析してみましょう。

 

 

 

トレードトラッカーとは

トレードトラッカーは、船舶、センチメント、輸出量などの指標を選んで、それぞれの歴史的な水準からどれだけ離れているかを示しています。最新の記事によると、紅海での攻撃の悪化が、供給網のボトルネックを引き起こし、世界の輸出の回復を脅かしているということです。

 

また、インフレがまだ有意に下がっていないことや、一部の中間財が不足していることも、世界貿易にとっての課題となっています。

 

トレードトラッカーは、あくまで選択された指標の一部を示しているだけであり、世界貿易の全体像を捉えるには不十分かもしれません。例えば、サービス貿易やデジタル貿易などの新しい形態の貿易は、トレードトラッカーには含まれていませんが、世界経済にとって重要な役割を果たしています。また、トレードトラッカーは、貿易の量や価値だけでなく、貿易の質や多様性にも着目する必要があると思います。

 

サービス貿易とデジタル貿易

サービス貿易とは、国境を越えてサービスを輸出入することで、運送、金融、通信、旅行などのサービス業の国際取引を指します。サービス貿易は、WTOのGATS(サービスの貿易に関する一般協定)やEPA/FTAなどの枠組みで自由化交渉が進められています。

 

日本のサービス貿易の貿易収支は、2022年に1.7兆円の赤字となりました。これは、訪日観光客の増加に伴う旅行収支の黒字化や、海外現地法人からの知的財産権等使用料の増加により、10年前の4兆円の赤字から大きく改善したものです。しかし、専門業務サービスや通信・コンピュータ・情報サービスなどの収支は依然として赤字であり、サービス産業の生産性向上や海外進出の促進が必要です。

 

デジタル貿易とは、データや情報の移転を伴う商取引の総称で、ECサイトやコンテンツ配信サービスなど、インターネットを基盤とした製品・サービスの取引を指します。デジタル貿易は、データの自由な越境移転やコンピュータ関連設備の設置、ソースコードやアルゴリズムの保護などの論点を含みます。デジタル貿易に関するルール形成は、EPA/FTAやWTOの電子商取引有志国会合などで議論が行われています。

 

日本のデジタル貿易の貿易収支は、2022年に4.7兆円の赤字となりました。これは、海外のITサービスへの支払いが急増したことによるものです。日本のデジタル貿易の輸出は、主に半導体製造機器や産業用ロボットなどの高付加価値製品で競争力がありますが、輸入は、ネット広告やクラウドサービスなどのサービスが多く、収支の改善には課題が残されています。

 

サービス貿易やデジタル貿易の赤字がドル円に与える影響

サービス貿易やデジタル貿易は、財貿易と比べて、為替レートの変動に対する価格弾力性が低いと考えられます。つまり、為替レートが円安になっても、サービスやデジタル製品の需要はあまり減らないということです。

 

この場合、円安はサービスやデジタル製品の輸出を増やし、ドルの需要を高めることになります。逆に、円高になっても、サービスやデジタル製品の輸入はあまり増えないため、円の需要は高まりません。したがって、サービス貿易やデジタル貿易は、ドル円の為替レートを円安方向に押し上げる要因となると考えられます。

 

一方で、サービス貿易やデジタル貿易は、財貿易と比べて、為替レートの変動に対する所得弾力性が高いと考えられます。つまり、所得が増えると、サービスやデジタル製品の需要は大きく増えるということです。

 

この場合、所得が増えると、サービスやデジタル製品の輸入も増えるため、円の需要が高まります。逆に、所得が減ると、サービスやデジタル製品の輸出も減るため、ドルの需要が減ります。

 

したがって、サービス貿易やデジタル貿易は、所得の変動によって、ドル円の為替レートを円高方向に押し下げる要因となると考えられます。

 

さらに、サービス貿易やデジタル貿易は、財貿易と比べて、為替レートの変動に対する期待形成の影響を受けやすいと考えられます。

つまり、為替レートが将来どうなるかによって、サービスやデジタル製品の取引のタイミングや規模が変わるということです。

 

この場合、為替レートが円安になると予想されると、サービスやデジタル製品の輸出を早めたり、大きくしたりすることで、ドルの収入を確保しようとします。逆に、為替レートが円高になると予想されると、サービスやデジタル製品の輸入を遅らせたり、小さくしたりすることで、円の支出を抑えようとします。

 

したがって、サービス貿易やデジタル貿易は、為替レートの期待によって、ドル円の為替レートを円安方向に振れやすくする要因となると考えられます。

 

以上のように、サービス貿易やデジタル貿易は、ドル円の為替レートに様々な影響を与える可能性がありますが、その影響の大きさや方向は、他の要因との相互作用や、市場の状況や心理によって変わることがあります。したがって、サービス貿易やデジタル貿易の動向だけでなく、総合的な視点でドル円の為替レートを分析する必要があります。

 

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