小雨来て蓮葉の露に食まれけり

 

「方円」2014年9月号清象集掲載。母校のお膝元、東寺を訪れた時の一コマ。

東寺境内には堀や蓮池が点在し、ここに自生する蓮は、この時期見事な花と大きな葉で楽しませてくれる。葉には撥水性があり、水が落ちると水玉が出来る(「ロータス効果」と言うらしい)。昨日降った雨の跡だろうか。この日も見事な水玉が乗っていた。そこへ、梅雨時らしく小雨。蓮の葉に落ちた雨は葉の真ん中に集まり、すでにあった水玉と同化してしまう。これが「露が雨を食べる」ように見えたことから詠んだ句。

水は清らかで、神秘的で、尚且つ恐ろしい。この句の中の小雨なら、雨を楽しむという趣もあろうが、ひとたび牙をむくと、誰にも止められない。2020年の梅雨は、雨が集中して降る傾向にある。そして各地に爪痕を残し、それでも飽き足らず各地に襲い掛かる。まさに水の恐ろしい面を垣間見たここ数週間だった。早く怖い顔の水が穏やかになり、被災された方々の生活が元に戻る事を祈るばかりだ。

 

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