小綬鶏に誘はれ山の社まで
「雲の峰」2024年5月号青葉集掲載。
小綬鶏はキジ科の鳥で春の季語。もとは中国から持ち込まれたという。2024年3月16日、以前亡父が歩いた十三峠を歩いた。近鉄平郡駅から十三峠を越えて近鉄枚岡駅まで歩くコース。途中いくつか寺社を訪れるが、比較的山の麓に近い白山神社に近づいた際、山の奥から小綬鶏の声が聞こえてきた。この鳥の囀りは独特で、大きな声で「チョットコイ、チョットコイ」と鳴き続ける。それが神社へ自分を呼ぶ声のように聞こえて詠んだ句。
この鳥の声は知っていたが、「チョットコイ」と聞こえるというのはネットや図鑑で知った。言われてみれば確かにそう聞こえる。昔の人の耳と想像力は、実に逞しいものがある。自分も見習わねば。
鳥に関して言えば、「頂を欠く石塔や杜鵑」という句を詠んだことがある。この句を故・中戸川朝人氏は「ホトトギスの『テッペンカケタカ』という鳴き声に、この石塔がぴったり合っている」と評した。詠んだ本人はそんなつもりはなく、あくまで偶然なのだが、現代の人間の想像力も捨てたものではない。
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