囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

歴史は知っている 1

2020年08月16日 | 雑観の森/政治・経済・社会

 

透徹した歴史観のない政治がたどる道 ~ 繰り返される過ち 智恵のない権力者たち の巻】

 

大臣は禄を重んじて諫めず

小臣は罪を恐れて申さず

       「平家物語」

 

身分の高い大臣は

家禄が召し上げられるのを恐れては

天子を諫めることをしない

身分の低い小臣は

処罰されることを恐れては

意見を述べない

誰もが保身に汲々として

「事なかれ主義」である


         ◇


比叡山と院の庁との対立に際し

寵臣の言に左右されて

対策を誤る院に対して

直言する者がいない状況を述べるくだりがある。


権力者の支配下にあって

その意思に逆らうまいと

小心翼々と我が身を守ることに腐心する臣たち。

阿諛迎合する臣の集団となり果てては

ついには権力機構事態の腐敗を招き

滅亡の道を歩み始めるのであるーー。

史書にはこうした話が珍しくない。


紀元前の「前漢」の故事説話集「説苑(ぜいえん)」に

「それ大臣は禄を重んじて極諫せず、

近臣は罪を畏れて敢えて言わず、

左右小官を顧寵して君知らず、

これ誠に患(うれい)の大なるものなり」

とある。

 

このあたりが出典とされるのだから

少なくともさかのぼること二千年、

こうしたことを

繰り返してきたのである。

 

世を治めようというもの

こういった歴史を

学んだことがないのか。

学ぼうとさえしていないのか。

権力は、退屈凌ぎの玩具であってはならぬ。

 

 


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