【ザル碁ヘボ碁あるある / いにしえの川柳、狂歌から】
プロ棋士のボヤキは
大別して二種類あります
ほんとに困っている正直タイプ
困っているフリをする策士タイプ
さて、あなたはどっち?
あるいは、黙って打つ?
口三味線も時によりけり?
◇
ときは昭和56年冬
第5期 棋聖戦七番勝負での名場面ハイライトです
華麗なる技芸の藤沢秀行(大正14年6月生まれ)
形を尊ぶ美学の大竹英雄(昭和17年5月生まれ)
古今の大勝負という
鳴り物入りで始まりました
新旧最強者の激突ですが
前評判は今期も挑戦者有利
ところが終わってみると
あっけなく藤沢4連勝で防衛
棋聖位5連覇となりました
当時の観戦記を読むと
激しく鳴る扇子トラブルや
口三味線(ボヤキ等)の応酬等
〝賑やかな対局室〟だったようです
皆さん、どうお感じになりますか?
「バラバラになってしまった
あーあ、参り軒のおやじか」(大竹十段)
「うふふっ」(藤沢棋聖)
「あいた、いた、
いかんな、麻雀のしすぎか」(大竹)
「軽率だったか」(藤沢)
「ええーい、
威張られちゃたまらんよ」(藤沢)
「撲殺されたかな
頭をガツンとやられた
アタガンだ」(大竹)
「いかん、いかん
軽率ヨビタイをやった」(大竹)
「オレのほうがおかしかった
軽率をやった」(藤沢)
「ダメダメダメダメ……」(大竹)
「持ち込みになった」(大竹)
注:捨てるつもりだったらしい