冷え性に効く漢方薬ってどれ?冷え性のタイプから見た漢方の選び方

冷え性に効果的な漢方薬 東洋医学

みなさんこんにちは!

ほっと鍼灸接骨院の鈴木です。


10月も終わりが近づいて、気温もだいぶ下がってきましたね。

以前、お灸冷え性に効果的なツボをご紹介しました。

東洋医学では、鍼や灸の他にも『漢方薬』という天然の薬があります。

今回の記事ではそんな漢方薬について、冷え性にはどんな漢方薬が効果的なのかをご紹介していきます!

漢方薬とは?

まずは漢方薬について簡単にご説明していきます。


漢方は一般的な薬とは違い、人工的に作られた薬ではありません。

自然界にある植物や鉱物などの『生薬』を複数組み合わせて作られた薬です。


中国、韓国(朝鮮半島)で行われていたものが日本にたどり着き、さらに組み合わせや効果、有害な事象がないかを精査し、漢方処方として扱われるようになりました。

現在の漢方薬は自然の物を利用して作られる薬には変わりまりませんが、過去とは違い『製剤』として、最新の技術を駆使し作られる薬となっています。

製剤は生薬の効果を引き出し、保存や服用しやすいように加工する事を言います。

漢方は厚生労働省に認められ、「医療用漢方製剤」として健康保険を適用し病院での処方が可能となっています。

生薬とは?

漢方の材料となる『生薬』とは何なのかご説明します。

生薬とは、葉・根・茎・花などの植物や鉱物、菌類や昆虫など、薬効が期待できる自然界の物質を乾燥させたりすることで、利用や保存をしやすい状態に加工したものをいいます。

生薬


例えば、「陳皮」という生薬があります。

これはミカンやオレンジの皮を干したものです。

他にも、葛根湯に使用される「葛根」は葛(くず)の根、鉱物では「石膏」、牡蛎の貝殻なども生薬として使用されます。


どんな物でも生薬として利用できるわけではなくに選んでいるわけではなく、長い歴史の中で効果をひとつひとつ確認、選定した上で生薬として利用しているのです。

漢方と民間薬の違いは?

民間薬という言葉は聞いたことありますか?

漢方薬と同じように、自然界の植物などを利用した薬です。


ドクダミやセンブリ、ビワの葉などはお茶などで良く商品化されていますね!

ドクダミ茶

健康や美容を目的として使用されている薬草です。


これらは家庭で対応できる範囲の病気やケガに使用されてきましたが、「この薬草はこんな病気に効いた」など民の間で受け継がれてきたものです。

これらに医学的な背景などはありません。


漢方薬と民間薬で最も大きな違いは、薬の作り方です。

民間薬は1種類の薬草を使用しているのに対し、漢方薬は2種類以上の生薬を決められた分量で配合し漢方薬を調合しています。

漢方薬は漢方医学に基づいて、細かく様々な条件が決められています。

東洋医学から診る冷え性チェック

漢方の基礎知識をお話したところで、本題の冷え性に参りましょう!


ところで、冷え性にもいくつかタイプがあることをご存じですか?

同じ冷え性でも冷える部分などが人それぞれ違います。


まずは5つのタイプ別にご説明していきます。

タイプ1:全身冷え性型

『全身冷え性型』はその名の通り、全身が冷えてしまうタイプです。

全身冷え性型

全身が冷えるという事は、体の基礎代謝などが低下しており、体内で熱がうまく産生できていない状態です。


全身が冷えてしまう方は症状に波があまりなく、慢性的にずっと冷えている方が多い傾向にあります。

内臓も冷えの影響を受けてしまうので、疲労感や倦怠感が抜けず、食欲なども低下してしまうことがあります。

全身冷え性型におすすめの漢方薬

【漢方名】
六君子湯(リックンシトウ)

【効果・効能】
手足の冷え、食欲不振、疲れやすい


【漢方名】
大建中湯(ダイケンチュウトウ)

【効果・効能】
腹部の冷え、下腹部痛、腹部膨満感

おすすめのセルフケア

全身冷え性の方は体の基礎代謝を上げるよう意識しましょう。

ウォーキングなど有酸素運動を行う事で筋肉自体が熱を多く生み出すようになります。


食べ物は生姜やネギなど、冷え性に効果的と言われるものを積極的に摂取しましょう。

みそ汁やスープなどの温かいものも、体の中から温めてくれるのでオススメです!


一番重要なのが睡眠の質を高めることです。

睡眠は自律神経に大きく影響します。

自律神経が乱れると血流が乱れ、体の体温調節もうまくいかなくなります。


血流の悪さは冷え性の悪化につながってしまうので、睡眠の質を高めて血流を改善していきましょう!

タイプ2:ストレス冷え性型

ストレスの影響を受けて冷え性が強くなるのが『ストレス冷え性型』です。

ストレス冷え性型

このタイプは自律神経の乱れからくる冷え性です。


前述したように、自律神経が乱れると血流が悪くなり冷え性が悪化します。

そのため、ストレスを強く受けると特に症状を感じやすい傾向にあります。


冷え性以外にも睡眠障害や胃痛、喉が詰まるような症状も出やすいです。

ストレス冷え性型におすすめの漢方薬

【漢方名】
加味逍遙散(カミショウヨウサン)

【効果・効能】
精神不安、イライラ、のぼせる感じ、更年期障害、PMS(生理前症候群)によるイライラ

おすすめのセルフケア

ストレス冷え性型は兎にも角にもストレス発散をして体をリラックスさせることが重要です!

ストレスを緩和させることで冷え性も緩和していきます。


ヨガなどの呼吸を意識した運動を軽くしたり、アロマや入浴を工夫してリラックスするのも良いでしょう。

仕事中も細かめに休憩をして、ゆっくり深呼吸をすると脳や筋肉に酸素が行き渡り、身体がリラックスされます。


パソコンやスマホを長時間見ていると、自律神経に負担がかかります。

なるべく控えると症状軽減に効果的です。

タイプ3:手足冷え性型

冷え性の中でも多いタイプの冷え性が『手足冷え性型』です。

手足冷え性型

手足が冷える原因は、筋肉量が低下したり、筋肉の柔軟性が低下することで起こる血流の悪さです。

血流が悪くなることにより、手足の末端までしっかり循環しなくなってしまうのです。


特に10代~20代の女性に多く、無理なダイエットが影響していることが多いようです。


他の症状として、しもやけ、肌荒れ、月経トラブル、立ち眩みなども起こりやすいです。

手足冷え性型におすすめの漢方薬

【漢方名】
当帰薬散(トウキシャクヤクサン)

【効果・効能】
精神不安、イライラ、のぼせる感じ、更年期障害、PMS(生理前症候群)によるイライラ

おすすめのセルフケア

手足冷え性型は血流改善に努めましょう!

筋肉量や柔軟性の向上は必須です。

有酸素運動も良いですが、筋トレやストレッチなどを多めに行うと尚良いです。


お風呂もしっかり湯船に浸かって軽く汗をかくまで入るようにしましょう。

お風呂の正しい入り方はこちらを参考に↓

食べ物ではドライフフルーツがおすすめです。

黒ゴマや黒豆、ひじきなど黒い食べ物も冷え性(血流改善)に効果的と言われています!

タイプ4:下半身冷え性型

『下半身冷え性型』は少し特別で、下半身は冷えを感じているのに、上半身はのぼせたように熱くなっているという状態です。

下半身冷え性型

東洋医学的な話になるのですが、血流だけではなく体内を流れる気の巡りが滞るなどが原因となります。

気の巡りが悪くなると上半身に気が集中してしまい、頭はのぼせたような状態になります。

頭や顔は熱く感じるので、下半身の冷えに気づいていない方も多くいます。


気が滞った頭は興奮状態になっているので、イライラしたり頭痛、肌荒れが出やすくなります。

下半身の冷えの影響で便秘や月経に関するトラブルなども増えていきます。

下半身冷え性型におすすめの漢方薬

【漢方名】
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

【効果・効能】
めまい、のぼせる感じ、頭重、にきび、月経トラブル

おすすめのセルフケア

下半身冷え性型は下半身を中心に対してケアをすることが重要です。

まずは半身浴や足湯などで下半身に気がしっかり巡るように心がけましょう。

ウォーキングなどの全身運動よりも、スクワットなどの下半身トレーニングが有効です。


顔ののぼせのせいで暑いと勘違いし、冷たい物や飲み物を摂取しがちになります。
冷えを悪化させてしまうので注意が必要です。

ストレスを減らして気持ちをリラックスさせることも重要です!

タイプ5:症状型冷え性

『症状型冷え性』は実際に冷えを感じるのではなく、冷えが原因でコリや痛みなどの別症状を感じている状態です。

症状型冷え性

腰痛を筆頭に、肩こりや頭痛、アレルギー症状なども冷えが原因となっている場合があります。

症状型冷え性におすすめの漢方薬

【漢方名】
呉茱萸湯(ゴシュユトウ)

【効果・効能】
頭痛、体を温める

おすすめのセルフケア

冷えは感じないけど、各部位に症状が現れている状態ですので、当然体の冷えを取るようにしていくことが重要です。

体を温めたり、冷やさないよう注意していきましょう。


しかし、感じている症状が冷えからくるとは自身で判断するのは難しいと思います。

まずは、症状の原因がどこからきているのか医療機関などで診てもらうと良いかもしれません。


腰痛はともかく、肩こりや頭痛などは整形外科を受診しても原因がわからない場合がほとんどです。
接骨院や鍼灸院を受診することをお勧めします。

まとめ

漢方薬は冷えに対して有効的な治療法となりますが、きちんと体に合った漢方薬を選ぶ必要があります。

自身の冷え性が5つのどのタイプなのかを把握することも重要です。

さらに、症状だけではなく、体力的な面やアレルギーなども注意する必要があります。

意外と漢方薬は副作用がないと思っている方も多いと思いますが、場合よっては副作用が出てしまうこともあります。


ドラッグストアで購入できる漢方薬は比較的安全ではありますが、症状が強くて漢方薬を検討している方は、しっかり病院を受診し処方してもらいましょう。

いきなり病院などは抵抗がある方は、接骨院や鍼灸院で症状を診てもらうのも有効だと思います。

施術で症状が改善する場合もありますし、病院の受診やセルフケアなども詳しくアドバイスがもらえると思います!


冷え性は慢性化すればするほど、症状も強くなり治りにくくなります。

冷え性を安易に考えず、早期改善に努めましょう!


その他、冷え性の記事はこちら↓

冷え症の新常識!冷える体の原因は毛細血管だった

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