教員採用試験では、教職教養と一般教養があります。
この記事では教職教養の教育心理学の分野である学習の理論の中の「学習方法と個人差 」についてご紹介します。
学習の理論 学習方法と個人差 教育心理
学習方法には、全習法と分習法、集中法と分散法という2種類の分類分けがあります。
また、学習には個人差があり、人によって効果的な始動方法も異なるATI(適性処遇交互作用)という考え方があります。
この記事では、学習方法と個人差についてご紹介します。
※こちらの記事は下記書籍を参考に作成しています。
学習方法
①全習法と分習法
全習法は、学習材料を分けることなくまとめて学習する方法で、分習法は、学習材料をいくつかの部分に分けて学習する方法のことです。
一般的には、全習法は、学習材料が有意味で量的に少ない場合や、学習者の知的レベルが高い場合に効果的で、その逆の場合は分習法が効果的だと言われています。
②集中法と分散法
集中法とは、休憩時間なしで学習をする方法で、分散法は休憩時間を入れて学習する方法です。
一般的には、長時間学習する場合は、心的飽和や疲労からの回復、学習が学習後に一定時間経った後に定着することから、分散法が効果的だと言われています。
学習の個人差
クロンバックのATI(適性処遇交互作用)は、能力や適性、態度、性格など学習者の特徴が異なればその人に対する効果的な始動方法も異なるという考え方です。
例えば、学習活動に自信があり学力の高い場合は発見学習的な方法、基礎力が整っていない場合は丁寧な教師主導的な方法が良いと言われています。
モデリング
モデリングは、他者の行動や特性をモデルとして、それらを習得することを、バンデューラが命名したもので、観察学習とほぼ同じ意味の言葉です。
学習者自身が体験することによる学習のほかにも、他者がおこなっていることを観察しているだけでも学習できるという考え方を、社会的学習理論と呼びます。
学習者自身が強化を受けなくてもモデルが強化を受けることで学習が生じることを代理強化と呼びます。
単にモデルを観察して真似ることを模倣、模倣した本人が強化を受ける場合を模倣学習と呼ばれます。
バンデューラは、具体的な行動を通して得られる結果に対する期待(結果期待)と、結果をもたらす行動を自分が実行できるという期待(効力期待)も理論化しました。
「自分はできる」という効力期待の重要性を強調し、「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」と呼びました。
終わりに
この記事では、教員採用試験の教職教養の分野である教育心理学の学習方法と個人差についてご紹介しました。
学習方法には、全習法と分習法、集中法と分散法という2種類の分類分けがあります。
また、学習には個人差があり、人によって効果的な始動方法も異なるATI(適性処遇交互作用)という考え方があります。
「自分はできる」という効力期待「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」も重要な概念です。
※こちらの記事は下記書籍を参考に作成しています。
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