西浦特急 鉄道と旅のブログ

鉄道・飛行機などで国内外を旅行した様子のほか、鉄道を中心に交通全般の話題を取り上げます。

【快速サンポート松山行?】四国最長普通列車の旅(高松13:13→松山17:52)

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2021年1月某日。JR四国高松駅

今回はここからJR四国の「メインライン」予讃線で松山へ向かいます。


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高松駅7番線で発車を待つ松山行の特急いしづち号。

高松から松山までは特急で2時間30分ほどですが、

今回は特急列車は利用しません。

 

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こちらは高松発13:13の快速サンポート南風リレー号。

列車としては観音寺行ですが、その先列車番号上は別列車となるものの、同じ車両が松山まで直通します。

駅の発車表示は快速サンポート南風リレー号松山行となっていました。

今回はこの列車に終点の松山まで乗り通します。

 

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高松~松山間の営業距離は194.4km 。普通・快速列車としては実質的に四国最長距離を走る列車です。

 

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13:13。半分程度の席を埋めて高松駅を発車。

サンライズエクスプレスなどが休む車両基地の脇を通過します。

 

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高松と岡山を結ぶ快速列車マリンライナーの場合、

大半は高松を出ると坂出まで停車しませんが、

同じ快速列車でも、四国内だけを走る快速サンポート南風リレー号は途中の端岡駅にも停車します。

快速サンポート号は、2001年に現在の高松駅舎と駅周辺の整備が完了した際に運転を開始しました。

端岡駅はその際、快速列車と普通列車の緩急接続を実施するために構内の改良が行われ、

限られたスペースに上下線それぞれの待避線が設けられています。

 

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端岡の次の停車駅坂出で快速運転は終了。

その先、宇多津・丸亀と市街地の高架駅に停車します。

始発からしばらくの間だけ優等列車として走り、

その後各駅停車として走りつづけるというのは、

大都市圏私鉄の準急列車を思わせるものです。

 

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13:43。高松から30分で高知方面との分岐駅多度津に到着。

ここで10分停車し岡山から来る高知行の特急南風11号と接続をとります。

これが「南風リレー号」の列車名の由縁です。

高松から松山方面へは高松からの特急いしづち号と岡山からの特急しおかぜ号を宇多津で連結しますが、

高松から高知に関しては、独立した特急列車を仕立てるほどの需要が見込めないようで、

一部時間帯をのぞき、高松近郊の快速列車サンポート南風リレー号との乗り継ぎ対応となっています。

 

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蒸気機関車時代の給水搭が残る多度津駅西方。

右方向へ進む予讃線松山方面に対して高知へ向かう土讃線は左手方向に分岐していきます。

 

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多度津から2駅、14:03詫間着。

温暖な瀬戸内ですが乗車日は小雪の舞う寒さでした。

 

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14:25。観音寺に到着。

高松から56.5kmを72分かけて走ったことになりますが、

多度津での10分停車があったことを思えば快速列車らしいスピードと言えそうです。

ちなみに特急に乗ると45分程度で到達します。

 

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取り外された快速サンポートのヘッドマーク。

 

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列車は終点の松山まで2両編成での運転ですが、

ここからはワンマン運転の普通列車となり、後方の車両は締め切り扱いとなります。

JR他社では2両編成をワンマン運転する場合、後方車両はドアだけ締め切り車内は開放することが多いようですが、

JR四国ではこの列車に限らず車両ごと締め切る対応になっているようです。

ドアの締め切りを知らず「列車に乗れない降りられない」といったトラブルの防止や、

乗務員の目が届くことによる不正や犯罪の抑止には効果的かもしれませんが、

突発的な混雑が発生した際の苦情など苦労もありそうです。

 

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観音寺では16分の停車時間があり駅前に出て見ました。

観音寺市は愛媛県境に接する香川県西端の都市で人口約6万。

観音寺駅は特急列車も全て停車する予讃線の主要駅の一つです。

 

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観音寺から2駅、香川県最後の停車駅箕浦は貨車を転用した駅舎が特徴です。

 

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観音寺から先、普通列車となっても駅間では100km/h をこえる快走が続きます。

乗車中の7000系の最高時速は110km/h 。加速性能も高く地方幹線を走る普通列車としてはハイスペックと言えます。

多度津以西が単線の予讃線で、前から後ろから頻繁にやってくる特急列車を効率的にやり過ごすダイヤを組むには、このくらいのスペックが必要だったのでしょう。

 

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愛媛県四国中央市に入ると海岸に沿って並ぶ製紙工場の煙突が右手に見えます。

14:58川之江、15:03伊予三島と特急も停車する主要駅が続きます。

 

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関川~多喜浜駅間で小さな峠をこえ、15:31新居浜に到着。

 

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ここでも10分停車し上りの特急列車と行き違います。

 

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JR初期から活躍が続く振子式8000系アンパンマン仕様車両で到着した上り特急しおかぜ・いしづち22号。

8000系の後継車両として車体傾斜方式の8600系が2014年から投入されていますが、

JR四国ではディーゼル特急向けの振子式2000系の後継に登場した車体傾斜の2600系が期待された走行性能を示すことができず、

振子式2700系に後継車両を切り替える事態になっており、

8000系の後継車両については今後の動向が注目されます。

 

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新居浜から2駅、約10分で四国鉄道文化村が隣接する伊予西条に到着。

愛媛県東部は中規模の都市が連続し、コロナ以前は駅の利用者数も比較的堅調に推移していたようですが、

その数字を支えているのは特急列車のようで、

普通列車は1~2両で1時間に1本程度と少なく、

地元内での移動に鉄道は十分には活かされていないように見えます。

 

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壬生川と今治の中間に位置する伊予桜井。

手前は伊予三芳、次は伊予富田です。 

高松~松山間には香川県21駅、愛媛県33駅の計54の途中駅があります。

そのうち香川県の旧国名「讃岐」を冠するのは讃岐府中と讃岐塩屋の2駅のみですが、

愛媛の旧国名「伊予」を冠する駅は伊予三島、伊予寒川、伊予土居、伊予西条、伊予氷見、伊予小松、伊予三芳、伊予桜井、伊予富田、伊予亀岡、伊予北条、伊予和気と12駅もあります。

 

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丸亀以来の高架線に上がり今治の市街地へ。

 

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16:37今治着。高松発車から3時間24分が経過しています。

今治では松山行の特急しおかぜ・いしづち15号を先に通すため11分の停車があります。

 

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今治駅は四国の県庁所在4市に次ぐ四国5番目の人口規模を誇る今治市の玄関です。

 

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なお観音寺駅で締め切られた後部車両は、ここで再び開放されます。

先述のようにJR四国はワンマン運転=1両という立場のためワンマン運転もここで終了です。

松山都市圏での需要を考慮した措置のようですが、

コロナの影響もあってか、1両ワンマンのまま松山まで運転してもなんら問題がない程度の混み具合(空き具合)でした。

 

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今治駅を発車すると右手にしまなみ海道の南端に位置する来島海峡大橋の主搭が見えます。

今治駅前からは「しまなみ海道」経由で広島県の福山へ向かうバスも運転されています。

 

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浅海駅~大浦駅付近では、香川愛媛県境付近以来、久しぶりに瀬戸内海の波打ち際へ。

冬の早い日没が迫ります。

 

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終点松山が近づいて初めて車内でカメラを取り出せる状況に。

坂出駅~詫間駅間では満席に近い状態でした。

乗車日は冬の青春18切符利用期間最終日だったこともあり、

筆者のように高松から松山まで乗り通した乗客も複数いたようです。

 

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17:52。高松から4時間39分かけて終点の松山に到着。

2両編成の列車から両手で数えられる程の乗客が下車し足早に立ち去ってしまうと、ホームは四国最大の都市の玄関駅とは思えない静けさに包まれました。

高松から2時間30分程度で運転の特急いしづち号より2時間ほど余計に時間がかかった計算ですが、

途中48もの駅に停車し、そのうち多度津、観音寺、新居浜、今治の各駅では10分以上停車していたことを考えると、むしろ特急との差が2時間しかないことに驚かされます。

 

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地方の県庁所在都市の古い駅舎と言えば最近役目を終えた新潟駅万代口駅舎がまず思い浮かびますが、

松山駅舎も高架化により近い将来姿を消すことになりそうです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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