あなたは「やりがいのある仕事をすることが幸せ」だと思っていますか?
お金よりも何よりも、やりがいを追求していくことに意味があるんだと思っていますか?
僕は昔そう思っていました。
だから「やりがいがない」「仕事がつまらない」と感じたとき、自分が悪いんだと思っていました。
自分の仕事に対する姿勢がダメなんだと。
でもそうではありません。
悪いのは「仕事にはやりがいが絶対必要」というその考えです。
今回の記事によって「仕事にやりがいはいらない」ということを認識してもらうと共に、「やりがいがない」という悩みから解放されてください。
目次
医療事務にやりがいはいらない!?【仕事とやりがい】
結論
仕事にやりがいは求めなくていいです。
仕事とやりがい
そもそも仕事のやりがいって、どういうものなのでしょうか?
人はどんなときにやりがいを感じるのかというと、次のような場合が考えられます。
・感謝されたとき
・評価されたとき
・自分の目標を達成したとき
・スキルアップしたとき
「感謝されたとき」「評価されたとき」というのは、他者の行動に委ねられるものです。
「自分の目標を達成したとき」「スキルアップしたとき」というのは、自分のとらえ方しだいのものです。
やりがいによって疲弊していく僕たち
上記の場合、他者の行動に委ねられるものは、自分ではどうすることもできません。
仕事でいくら頑張っても感謝されない場合、評価されない場合なんて普通にあります。
その結果、相手の行動が自分の期待値よりも低いことを知り、がっかりしたりモチベが落ちたりします。
次に自分のとらえ方しだいである場合、そのハードルは徐々に上がっていくことになります。
なぜなら、仕事にやりがいを持つことが当たり前になってくるからです。
そうすると「仕事にやりがいを持つ自分」像をつねに保つ必要が出てきます。
その結果、自分の限界を超えるくらいの仕事量をこなしたりします。
どちらも仕事にやりがいを求めるがゆえに、心はすり減っていくのです。
要するに、やりがいは絶対必要という思いを持つことで、僕たちは疲弊していくのです。
やりがいと自己実現
「仕事で大事なのはお金よりもやりがい」「給料は別に高くなくてもいいから、やりがいのある仕事がしたい」という価値観で働いている人って少なくないはずです。
そういう僕も若い頃はやりがい第一主義でした。
それは社会人になる前から、周りの大人たちから「仕事はやりがいが大事」ということを刷り込まれているからでした。
このように「仕事=やりがい」という風潮が強いのは「人は仕事を通じて自己実現すべき」という価値観が存在しているからです。
これは勤勉な日本特有の価値観なのかもしれません。
この国では「やりがいよりもお金が大事です」という発言は良く思われない空気感があります。
つまり、仕事とはお金を稼ぐ手段であると共に、自分の夢をかなえる手段でもなきゃいけない、という空気感です。
たしかに、これはひとつの考え方です。
そして仕事でその2つがかなえられるなら、それはとても喜ばしいことです。
でも実際にそんな働き方ができる人はごくわずかです。
たとえば、将棋のプロ棋士は将棋というものが、お金を稼ぐ手段であると共に自分の夢もかなえています。
ですがその職業に就ける人は、ほんのひと握りです。
プロスポーツ選手もまたしかりです。
そういう意味でいうと、やりがいのある仕事に就いて自己実現ができる人は、才能に秀でたごく一部の人に限られます。
それはみんなわかっています。
でもここで問題なのは、社会の価値観が働く人全員にそんな生き方を強いているということです。
「仕事にやりがいは必要」という意味は結局そういうことなのです。
しかし別に仕事にやりがいを感じられなくても、別のところで自己実現すれば何の問題もありません。
極端な話、無職の人でも自己実現はできます。
働かないでダラダラ生きるというのがその人の夢ならば、それで自己実現はできるのです。
この国では「やりがい」のある仕事につかなければいけない、という固定観念があまりにも強いのです。
医療事務にやりがいは求めなくていい!?
ここで誤解してほしくないのは、本当にその仕事が好きで充実感があって、自己実現できると思っている人のことを否定しているわけではないということです。
ただそんな天職のような仕事ってほぼないと思うのです。
そもそも天職って大部分は偶然です。
その人がたまたま天職と自分が思えるものに、たどり着いたに過ぎません。
やりがいなんて最初全然感じていなかったのに、いつのまにか今やっている仕事が天職だと思えるようになっていた。
そんなパターンの方が多いはずです。
だったら仕事に特別やりがいなんて求めなくていいのです。
そもそも人生の幸せって、好きなことがやれているから感じられるものなのでしょうか。
そういう人もいるとは思いますが、多くはイヤなことから遠ざかっているから感じられているのではないでしょうか。
イヤなことがないだけで人生って割と幸せです。
だとすれば、仕事の幸せ、満足度ってイヤなことではないってことが最低条件です。
別にやりがい、仕事の意義を見出そうと無理に頑張らなくてもいいのです。
そして続けてみた結果、その仕事にやりがいを感じるようになるってことは案外多いような気がします。
僕も最初、医療事務は好きでもなんでもありませんでした。
新人の頃は一体何をやっているのか全然わかりませんでしたし、そこにやりがい、仕事の意義なんて何も感じていませんでした。
そして今でも病院の古い考え方の体質は嫌いですし、時間に追われる仕事も合いません。
率直にいうと、医療事務が好きかと聞かれればそうでもないです。
ですが医療事務の仕事は得意です。
これは仕事の能力うんぬんではなくて単に経験による力です。
どんなに好きでもなくて、能力も高くなくても23年もやっていればそりゃ得意にもなります。
そしてその結果やりがいは十分感じられています。
要は好きになるより、得意になったことでモチベーションが高まったということです。
これはなぜか。
それは人の役に立てるからです。
仕事をなぜやるのかということの1つの大きな理由は他者貢献です。
そのためには好き嫌いより、得意不得意の方が重要です。
だからたとえ好きでなくても、得意なら良しなのです。
別に仕事にやりがいを求めなくても得意にはなれるのです。
まとめ
仕事に限らずはじめはイヤだなって思っていたことも、やり続けていくうちにだんだん楽しくなってきた、なんて経験は誰にでもあるはずです。
医療事務が最初から好きで、今やりがいを感じているという人がいるのなら、それは素晴らしいことです。
しかし反対に医療事務が好きかどうかもわからない、やりがいなんて感じないという人もきっといるはずです。
でも悩まないでください。
それは普通の感覚です。
そしてその状態ではまだ辞めないでほしいのです。
医療事務が嫌いとまだなっていないのであれば、もう少し続けてみてください。
そうするともしかしたら、好きではないけど得意になったり、面白くなかったのにだんだん楽しくなってくるかもしれない。
その結果、仕事にやりがいを見い出すってことは十分あり得ます。
だから、はじめから仕事にやりがいを求めることはしなくていいのです。
医療事務にやりがいはいらないのです。