すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ランドクの秋、冷える

2021年10月19日 | 読書
『ケーキの切れない非行少年たち』
 (宮口幸治  新潮新書)

 一昨年から昨年話題になった一冊であることは知っていた。著者の結論と願いは、最終章本文の結びにある。「犯罪者を納税者に~そのためにできることは『困っている子ども』の早期発見と支援である。最も効率的に支援できるのは学校以外にあり得ない。新たな視点をもった学校教育が充実していくこと」。強く共感する。この「新たな視点」が重視されていく学校教育は、今後期待できるだろうか。著者が訴えている現状に対する認識は、微々たるとはいえ現職時代から気づき、一定の力も尽くしてきた。また今も現に奮闘している方々も多くいる。その努力を泡にしないための、幼少期からの教育課程の検討が急務だ。あまりにも広告されていない



 『のうだま 2』
 (上大岡トメ・池谷裕二  幻冬舎文庫)


 『のうだま 1』は読んだ記憶がある。脳について分かりやすく解説してくれる池谷氏の文章はいつも注目している。この文庫は高齢者にとって、救いの一冊(笑)。なんと「記憶が年齢としともに衰えるなんてウソ!」と副題にもある。もちろん実験結果なども示されてある。要は…とここから提示されるのは「好奇心」「アウトプット」とそんなに他の本と変わらない。だから自分のしていることは案外間違いない…いや、その割に忘れている…という不安がよくないようだ。さて、実は「ケーキの切れ~~」を読み、無理やり関連付けるわけではないが、学校の教育課程に参考になるヒントを得られる一節が随所にある。脳を働かせる力をつけるために、著者か示した条件は二つ。「学習スピードが遅いこと」「繰り返し勉強すること」…これらをどの程度確保できているか。



コメントを投稿