かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 174 中国①

2023-02-06 11:13:14 | 短歌の鑑賞
  2023年度版 馬場あき子の外国詠22(2009年10月実施)
   【紺】『葡萄唐草』(1985年刊)
    参加者:Y・I、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
    レポーター:渡部 慧子 司会とまとめ:鹿取 未放


174 民衆は豊かならねどくつろぎて飲食に就く暗き灯のもと

      (レポート)
 刻々と変貌・発展する上海の富裕層に追いつけない人々を「民衆は豊かならねどくつろぎて」と詠いおこす筆には温かさがある。そして「飲食に就く」のだが、「暗き灯のもと」とは、多くの品数を照らしているとは思えない。(慧子)


       (当日意見)
★歌の普遍性を考えるとどうか。私は89年に中国を訪問したが、高層ビルの足場が竹
 組みでびっくりした。(藤本)


      (まとめ)
 レポートの「刻々と変貌する上海の富裕層」というとらえ方は2009年の現時点では言えるが、83年当時はどうだったろうか。富を求めるさもしさやいやしさが無く、精神の豊かさを保って自足している(ように見える)庶民のおおらかな様子が「豊かならねどくつろぎて」あたりに出ているように思う。古来、こういう風土からスケールの大きな思想家や詩人達が出てきたのではなかろうか。(鹿取)


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