東京スカイツリー展望台 天望デッキ&天望回廊の眺め

東京スカイツリー

2012年に開業した東京の新しいランドマーク、東京スカイツリー。

とはいえ開業からもう10年が経とうとしているんですね。

今回は東京スカイツリーに実際に行った経験をもとに、展望台からの眺めや天望デッキと天望回廊の違いをレビューしていきたいと思います。併せて割引チケットの購入方法などを紹介しています。

東京スカイツリーとは?

東京スカイツリー入口

東京スカイツリーは東京の墨田区にある高さ634mの電波塔です。

NHKと民間テレビ放送は長らく東京タワーから発信されていましたが、東京都心の建造物高層化に伴って、電波をより届きやすくするため計画・建造されました。事業は東武鉄道をはじめとする東武グループが担っています。

タワーは日本の伝統的な建築様式や文化を応用していることでも知られ、五重塔に着想を得た耐震構造や、地上部分が正三角形、頂点を円形とするデザインは日本刀の「反り」を意識したものとなっています。

展望台は2カ所設置されており、地上350m地点は天望デッキ、450m地点は天望回廊という名前が付いています。展望台の高さは建造物としては全国でもっとも高く、東京をはじめ関東平野を一望することができます。

また、周辺はスカイツリータウンとしてタワーと一緒に開発されています。複合施設の東京ソラマチにはすみだ水族館やコニカミノルタのプラネタリウム天空などの観光名所も集まっているため、セット入場券なども販売されています。

天望デッキと天望回廊の違い

東京スカイツリーには天望デッキと天望回廊という2つの展望台があります。

この2ヶ所の展望台の違いはまず、高さ。

地上に近い350m地点にあるのが天望デッキ、それよりもさらに100m高い地上450m地点にあるのが天望回廊です。天望回廊に行くためには天望デッキのフロア350を経由してエレベーターを乗り継ぎます。そのため、天望回廊のみのチケットはなく、必ず天望デッキ+天望回廊セット券を購入する必要があります。

ちなみに、天望デッキのみのチケットとの差額はおとな1,000円ほどです。

天望デッキ(左)と天望回廊(右)の内部

次に展望台内部の違いです。

天望デッキはフロアは3層構造になっています。円錐台を逆さにしたような構造をしていて、天井から足元まで広がる窓ガラスも1枚1枚が大きいので見晴らしは良好です。特に窓ガラスが斜めに取り付けられているため、地上の街並みがよく見えるように工夫されています。

天望回廊はフロア445と450を繋ぐ回廊(スロープ)構造になっています。建物からせり出した回廊を、反時計回りに歩きながら最高地点の450mを目指します。スロープの手すりから顔を出すと直下を覗くこともできるので、展望デッキよりもスリリングな体験ができます。その一方、建築構造上必要な支柱や窓枠といった部分が邪魔になり、写真を撮るには向いていないかもしれません。

天望デッキ(左)と天望回廊(右)からの景色

最後に展望台からの眺めです。

天望デッキと天望回廊の標高差は100m。

あくまで私の感想ですが、天望回廊からの眺めは離陸直後の飛行機からの眺めを思い出させるほどの高さでした。東京の街を眺める、というよりかは関東平野を見渡すといった表現が最適かと思います。空も近くいので、晴天の日や夕暮れ時こそ、ダイナミックな景観を楽しむことができるのでおススメできます。

結局、天望回廊にも上るべきか?

天望デッキは晴れていれば1,000円の差額を支払っても訪れる価値があります!

少なくとも、雨の降っていない日という条件付きで価値のある場所です。天望回廊の魅力は高さ450mから遠方や真下眺めることができるという点。湿度の高い日や雨の日は視界が悪く、遠くを見渡すことができず最大限に楽しむことができないので、無理に行くことはないかと思います。

チケット購入方法&割引

4階の展望台入場ゲート

展望台の料金は当日券と前売券の2種類があります。

まず、当日券は4階のチケットカウンターで直接購入するチケットです。

当日券の料金 (2021年現在)

平日:セット券3,100円、天望デッキ券2,100円
休日:セット券3,400円、天望デッキ券2,300円

料金は平日と休日の2パターンあり、休日は平日よりも数百円高めに設定されています。当日気軽に購入できるのはメリットですが、混雑時には整理券配布となり、すぐに入場することができない可能性がありますのでご注意ください。

とうきょうスカイツリー駅から近い西エントランス

前売券は事前に日時指定予約と購入を行うチケットです。

前売券の料金 (2021年現在)

平日:セット券2,700円、天望デッキ券1,800円
休日:セット券3,000円、天望デッキ券2,000円

前売券は割引料金で購入できるので、予定が決まっていれば前売券が断然お得。当日券と比べて、セット券の場合は400円、天望デッキ券であれば300円割安になっています。予約は利用日の7日前から可能で、現在は「アソビュー」もしくは「セブンチケット」から購入できます。

アソビューの場合はすべてWEB完結。セブンチケットの場合はWEBで予約して店頭で受け取るか、店頭のマルチコピー機から直接購入も可能です。当日はカウンターでQRコードもしくはチケットを提示して、入場券に引換えを行います。

天望デッキ(地上350m地点)

天望デッキは地上350mにある東京スカイツリーのメイン展望台です。

フロア350、354、340の3フロアで構成されていて、エレベーターの到着はフロア350です。帰りのエレベーターはフロア340から出発しているので、上階から順に見学していく順路になっています。フロア350と340にはカフェが、フロア345にはレストランとショップがあります。

フロア350には天望回廊の入口があります。

チケット売り場も併設しているので、セット券を持っていなくても天望回廊のチケットを追加購入可能です。

天望回廊にはここから天望シャトルと呼ばれる専用のエレベーターで行き来します。天井と正面がガラス張りになっているので、エレベータの構造や外の景色を眺めることができます。

一番下にあるフロア340にはスカイツリーカフェがあります。

こちらのお店では軽食やスイーツも提供しており、窓際のカウンター席に座って景色を眺めながら食事を楽しむことができます。ちなみに方角は南西側なので東京タワーや皇居など東京都心方面が見えます。

フロア340には人気スポットのガラス床があります。

床の一部分が強化ガラス張りになっていて、地上を見下ろすことができます。スリリングなスポットですが、地上に向かって変化していくスカイツリーの構造もじっくりと鑑賞できます。東京タワーにも「スカイウォークウィンドウ」と呼ばれる同様のガラス床がありました。

天望デッキからの眺め【西側】

展望デッキ西側の眺め
西側の眺め(柱番号09)

東京都心方面(丸の内高層ビル群、新宿副都心、東京ドーム、上野恩賜公園、池袋、浅草)、丹沢山地、富士山、高尾山

西側は東京都心方面なので高層ビルも多く、見応えのある景色です。

印象的なのは、ぎじっりとビルが立ち並ぶ景色に残された広大な緑地。皇居や新宿御苑、上野恩賜公園がそれに当たりますが、都市化した東京の街の中でどれだけ貴重な緑なのかを実感させてくれます。

縦方向に走る道幅の広い道路は浅草通りで、隅田川に架かるのは駒形橋。隅田川沿いに建つ高層建築は左からリバーピア吾妻橋ライフタワー(高層マンション)、アサヒビール本社ビル、墨田区役所。印象的な金色のモニュメントはアサヒグループ本社ビルのホール棟。内部にはビアホールがあるそう。

少し北側に視線を向けると、北十間川と東武伊勢崎線の高架橋が見えます。東武線が隅田川を渡った先が浅草の街。緑の多い場所が浅草寺境内で、大きな五重塔や本堂が目立つ。その先にある高層階が黒っぽいビルは浅草ビューホテル。遠方にある緑地は上野恩賜公園で、国立博物館本館の茶色い瓦屋根が見えます。

直下を見下ろすと、東京ソラマチが見えます。ソラマチの右側には北十間川が流れ、左側には東武伊勢崎線のとうきょうスカイツリー駅があります。以前は駅名を業平橋といいましたが、スカイツリーの開業に先立って2012年3月に現在の駅名に変更しています。

天望デッキからの眺め【北側】

天望デッキ北側の眺め
北側の眺め(柱番号12)

荒川区・墨田区 (桜橋、白髭橋、白髭東アパート、汐入公園、隅田川貨物ターミナル、北千住、荒川、五色桜大橋)、埼玉県方面

北側は隅田川と荒川と密接に結びついた下町エリアです。

隅田川と荒川に挟まれたエリアは墨東とも呼ばれるエリア。上流では両河川が対岸の荒川区を取り囲むように流れています。荒川の河川敷は広く、首都高速道路の高架橋が沿っているため、遠方でも位置を確認することができます。

隅田川の対岸は荒川区は住宅地が中心で、マンションが多い印象。特に目印となるものはありませんが、縦に走っている道幅の広い道路は土手通りで、東浅草から三ノ輪付近を結んでいる道路です。その先にある緑地は荒川自然公園で、隣接する浄水施設も見えます。

隅田川の手前側は墨田区で、隅田川に架かるアーチ橋は白髭橋。橋の近くの高層建築はリバーサイド隅田セントラルタワーです。直列に並んだ印象的な集合住宅は都営白髭東アパート。対岸の荒川区も集合住宅が多く建っており、川沿いは広々とした汐入公園があります。

両国橋付近から隅田川の左岸を走る首都高速向島線は、東に向きを変えて荒川を渡ります。荒川を渡る際は上下2層になって中央環状線と合流しています。

古来より江戸東京の街づくりに影響を与えてきた隅田川。川沿いぎりぎりまで住宅が立ち並んでいます。古来は荒川の本流であった隅田川は水害が絶えませんでしたが、1930年に水量を調整するために荒川放水路(現在の荒川)が完成したため水害は減り、さらに宅地化が進みました。

荒川区の住宅地の中に小豆色のコンテナが並ぶエリアはJR貨物の隅田川駅。東北・上越方面へ運ばれる貨物はここから発着しています。

晴れた日はスカイツリーの影がくっきりと落ちる

天望デッキからの眺め【東側】

天望デッキ東側の眺め
東側の眺め(柱番号03)

墨田区・葛飾区・江戸川区(荒川、中川、江戸川)、千葉県方面、筑波山

東側も墨田区や葛飾区などの下町エリアです。

率直に言うと東側がもっとも目印となる建物が少ないです。荒川、中川、江戸川といった大きな河川の下流部に当たり、戸建て住宅が密集するエリア。南北に流れる荒川より手前側が墨田区、対岸が葛飾区です。

中心付近に見えるのは隅田清掃工場の煙突。すぐ近くに荒川に分断された旧中川が流れ、対岸には中川を望むことができます。荒川放水路の工事が地形や街を変える大規模なものだったことが伝わってきますね。

荒川に架かる橋は平井大橋。その隣にはJR総武本線の鉄橋が架かっています。

足元に目を向けると押上曳舟の街が広がります。スカイツリー建設とともに再開発が行われたエリアです。右下からゆるやかな弧を描いて走るのが東武伊勢崎線で、地下から出てきて直線を描いているのが京成押上線。高層マンションが林立しているのが曳舟駅付近で、ここ数年で様変わりしました。

さらに直下に目を移すと、スカイツリータウンが見えます。

ガラス張りの綺麗な高層ビルは東京スカイツリーイーストタワーというオフィスビルがあります。その下には東京ソラマチがあります。円形の建物はプラネタリウム天空です。緑化された屋上が綺麗です。

東武伊勢崎線の路線が走っていて、留置線には特急車両が停車しています。右側に見える三角形の緑地は押上駅前自転車駐車場の屋上広場なのだとか。散歩が楽しそうな場所です。

天望デッキからの眺め【南側】

天望デッキ南側の眺め
南側の眺め(柱番号06)

墨田区・江東区・中央区、江戸川区(猿江恩賜公園、葛西臨海公園、東京ゲートブリッジ、晴海、お台場)、房総半島、三浦半島方面

南側は東京湾に面しています。

東京都内だけではなく房総半島や三浦半島も確認することができます。ちょうど午前中に訪れたため、南側は少し逆光気味でした。夕方や朝に訪れると見やすいかもしれません。

墨田区と江東区あたりは区画整備がしっかりしていて道路が碁盤の目のようになっているのが分かります。下町でも古くから人が住んでいて、関東大震災と東京大空襲でかなりの被害が出たエリア。

緑色をした箱形の建物はJTの施設で、企業博物館のたばこと塩の博物館が隣接します。右側に走る緑道は大横川親水公園。上の方にビルが立ち並ぶエリアは錦糸町駅付近です。

天望デッキではフロア350に3ヶ所、高精細望遠鏡が設置されています。

90秒200円と安くはない金額ですが、QRコード決済が可能なため小銭がなくても安心ですね。肉眼では確認しにくいような場所や建物は望遠鏡を利用するといいかもしれません。それにしても、昔は展望台というと双眼鏡がたくさんあるイメージでしたが、少なくなったのは時代の流れでしょうか。

天望回廊(地上450m地点)

天望回廊は地上450mにある東京スカイツリーの特別展望台です。

フロア445に到着し、建物から飛び出したような回廊(スロープ)を歩きながら最高地点のフロア450を目指します。タワーから回廊がせり出したような構造になっているため、空中散歩しているような気分を味わうことができます。

天望デッキよりもさらに100m高い場所にあるため、視界もかなり広がっています。案内板には筑波山や日光、榛名山など遠方の山々が紹介されています。空気の澄んだ冬の日には肉眼でも見えるかもしれません。

ゆるやかなスロープを反時計回りに進みます。

平面ガラスで曲面のような構造に仕上げているため、窓枠多い印象です。

そのため、風景写真を撮影するのには向いていません。最高地点のフロア450は天望デッキと同じような大きな窓の展望室になっているため、撮影するには上の階が向いていると思います。

回廊の手すりから下をのぞき込むと、直下の景色を眺めることができます。

天望回廊の終端部からは、先ほど到着したフロア445の回廊部分を見ることができます。
建物から飛び出すように造られた天望回廊の構造がよくわかりますね。

天望回廊が終わると、フロア450に到着します。

回廊部分は反時計回りでしたが、フロア450の通路は反転して時計回りとなります。トイレの近くには昔懐かしの記念刻印メダルの自販機がありました。メダルを購入して、刻印機で当日の日付や名前を刻印することができます。

フロア450の最高到達地点は451.2m。

最高到達点を示す南西向きの柱はソラカラポイントと名付けられています。

フロア450は天井も広く、天望デッキと似たような構造。
最高到達点を頂点にしてその先は下りスロープ状になっています。

天望回廊からの眺め

北西方向の眺めです。

隅田川に架かる言問橋と歩行者専用の桜橋が見えます。遠くにゆるやかに蛇行する荒川と埼玉県の川口市さいたま新都心の高層建築も確認することができます。

隅田川沿いに目を落とすと、渋滞し始めている首都高速向島線が見えます。川沿いの緑豊かな場所は墨田区立隅田公園。公園の右端に鎮座するのが歴史ある牛嶋神社です。右側にある言問橋は隅田川に架かる橋のなかでは比較的シンプルな構造の橋。

遠くに目を向けると、荒川に2層構造の大きな橋が目につきますが、こちらが首都高速中央環状線五色桜大橋です。その先に見える高層マンションは川口元郷や川口駅付近の高層マンション。その先ある横長の白い構造物は外環自動車道の高架橋です。

次に北側の眺めです。

遠方が少し霞んでしまって見えませんが、北側は榛名山赤城山男体山筑波山といった北関東の名峰が並んでいる方角です。

隅田川の対岸にはコンテナが並ぶJR貨物の隅田川駅があり、その左上には3路線が集まる南千住駅が見えます。南千住付近から隅田川を越えた先の北千住付近までは開発が進み高層マンションが多く立ち並んでいます。

東京スカイツリーの情報

最寄り駅:東武伊勢崎線とうきょうスカイツリー駅、地下鉄押上駅からすぐ
チケット:事前購入可(一部割引あり)