町田そのこ作「星を掬う」(ほしをすくう)を読みました。
今回も、泣かせてくれました、町田そのこ。
別れた夫のDVに苦しむ主人公。金を無心に来る元夫に殴られ蹴られ…
もう殺すしかないという状況下、ラジオに応募した母との最後の夏休みの思い出がきっかけで、子供のころ別れた母と再会。
が、母は若年性の認知症。元夫の暴力から逃れるため母の住む家に身を寄せる。
そこには、母に救われた、不幸だったけれど幸せに暮らす女がふたり、家族のように暮らしている。病気の母のお世話もしている。
母に捨てられたために不幸になったと思いこんでひねくれた性格になってしまった主人公が、だんだん自分の人生は自分のものと気付いていく。
人は不幸を誰かのせいにすることで気持ちは楽になる。ひとのせいにすることで努力しなかったことを棚に上げることができるのだ。
私は、そういうひとを知っている。ネットの世界にもたくさんいる。親ガチャという言葉が流行ったのも、努力しない自分を正当化するためだと思う。
親がいうから、世間ではそうだから、ひとが言ったからそうした…
それは、あなたが考えてした行動ですか?
あなたのことは、あなたしかわからない。
地位やお金をもってる他人に言われたことが正しいのですか?
いいかげん、ひとのせいにして生きるのはやめたらどうです?
自分の頭で考えて自分の責任の下で行動しなさい。
みんなと同じようにしていれば無難だった時代は終わりました。
習ってないとか、教えてもらってないとか、それも言い訳です。
自分の目で、手で、確かめて、頭で考えて、努力もしなさい。
人生は一度きりです。
嫌でも年を取っていき、いつかは死ぬ。
後悔のない人生を。
「星を掬う」はハッピーエンドです。
町田そのこの作品には、男性から暴力を受ける女性がよく出てきますが、いい人たちによって助けられる、救いのあるお話なので、とても後味がいいです。
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