ひたすら相手の体力を削り続ける!猛毒の受け将棋
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相手が序盤早々端歩を突いてきたところ。こういうぬるい手はとがめてしまいたいものだ。
私はいつも振り飛車に構える。こうすると左辺の端歩が関係ない展開にできるからだ。逆に右辺の端は大事なのでしっかり位をとっておいた。
33金の形が変だとは思っていたのだが、、
意表の相振り飛車となった。しかし、もちろんこんな手は悪手だ。全ての手の関連が乏しく、バラバラな印象を受ける。対して、私の将棋にはきちんと軸が通っているのがわかるだろう。形勢はもちろん良しだ。
飛車先突破を見せて快調だ。
さて、相手が7筋を受けてきたところ。無理矢理73歩成から攻め込む手もあるにはあるのだが、気が進まない。
「棋は対話なり」。相手が受けてきた意思を尊重しなくてはいけない。73歩成のような一方的なパワハラは避け、スムーズなコミュニケーションをはかりたい。
75飛。これが本筋だ。次の85飛が受けづらい。相手が一生懸命7筋を受けてきたのだから、それは認めてあげて他の場所を攻めるのが正しい感覚だ。
93桂と受けられるのが手強いと思っていたのだが、
冷静に見れば73歩成でそれまでだ。
さっきとは逆で、8筋を一生懸命受けてきたのを認めてあげて、7筋を攻めれば良いのだ。
さて、飛車も成り込みと金もつくって大優勢の局面。ここでどう指すかは棋風が出るところだ。
77桂と遊び駒を活用したり、36歩と囲いを充実させたりと良さそうな手は多い。
私はじっと歩をとることにした。いきなり攻めるというより、相手の体力を削って手を渡したような感じだ。
じわじわ真綿で首を絞めるような手が1番きつい。
さて、龍で金をボロっと取ったところ。いきなり攻めるなら52金とか張り付くのだろうか。
それでも良いのだが、私の棋風はやはり「猛毒流」だ。
じっと桂馬を逃しておく。これがカライ。歩一枚の相手はなにも手を作れないのだ。
少し進んで、一歩得しながら飛車交換してサッパリしたところ。ここはもう局面がわかりやすすぎて逆転のアヤがなく、必勝と言える。
当然こういう飛車打ちが目につくと思うが、
78歩と手堅く受けておけば良い。角がよく効いていて香車が取れないのがこちらの自慢だ。
もし、相手がここでゆっくりしてきたら、
8筋に飛車を打ち、
自陣龍〜金打ちで綺麗に仕上がる。
さて、本譜は75から飛車を打ってきた。角と桂の両取りだが、どう対処するのが良いだろうか。
普通の感覚では66銀だろう。しかし、これでは飛車と角を刺し違えられてまだややこしい。
もっとわかりやすく勝てる手はないだろうか。
76金。筋は悪いが、これが正着だ。相手は飛車しか攻め駒がないので、その飛車さえ封じ込めてしまえば完封勝ちできるという考えだ。
相手は当然飛車を引いてきたが、そこで8筋に飛車を打ちおろす。この手が大事で、相手から81飛と活用させるのを防いでいる意味がある。
73歩で投了。まさしく完封という感じだ。
じわじわ体力を削る「猛毒流」が炸裂した一局だった。