地平を駈ける獅子を見た

西武源田壮亮内野手が悔し涙を流した。3回1死一、三塁の好機で投ゴロ併殺に倒れるなど5打数無安打。4試合で打率1割8分8厘、1打点とシリーズを通して調子を上げられなかった。2年連続の敗退に、試合後は目を赤くし「今年の方が悔しい。勢いに乗れば絶対強いチーム。最初の突破口を開く働きができなかった」。来季は主将秋山が抜ける可能性もあり「自分が引っ張っていこうと。考えながらやります」と話した。

西武は先発した十亀剣投手が4回5失点で勝機を見いだすことができなかった。初回から先制点を許し、2回に2失点、4回は牧原に2ランを浴びた。「ボールが先行してしまい、いいリズムをつくることができませんでした。チームに流れを引き戻すような投球をできなかったことが、悔やまれます」。大一番で期待に応えることはできなかった。

西武外崎修汰内野手がチームのCS1号を放った。7点を追う4回2死、ソフトバンク先発武田の4球目、外角高めスライダーを左翼席へ。暗いムードだった本拠地のファンが一挙に盛り上がった。開幕前に「火種になりたいですね」と話していた通り、第1戦で2安打2打点。第2戦でも底力を見せた。

西武の中継ぎエース平井克典投手が屈辱のイニング途中降板となった。1点リードの8回から3番手で登板。1死後に連打を許し、一、三塁とピンチを広げた場面で平良にマウンドを譲り、マウンドで悔しげな表情を見せた。「そこが1番の屈辱じゃないですかね。ボール自体は悪くなかった。ニールにもチームにも申し訳ないです」と唇をかんだ。

西武のドラフト7位・佐藤龍世が爆笑の一発だ。途中出場し、8回の打席で左翼に2号ソロ。しかし本人はスタンドインと気付かず、一塁を回って足を止めてしまった。「入るとは思わなかった」と佐藤。ベンチや一塁コーチの佐藤外野守備走塁コーチに促されて慌てて走り始め、三塁を回ってからは全力疾走だ。
その様子にベンチの辻監督らは大爆笑で、佐藤もベンチに戻ると「ヨッシャー！」と気勢を上げていた。