ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

雲龍渓谷 「二年ぶりの雲龍渓谷」

2022年05月16日 00時14分11秒 | Weblog
自分の山仲間にO氏という男性がおり、仕事の関係で約三年間アメリカへ行っていた。
コロナ禍の影響もあり向こうではなかなか大変だったようだが、やっと帰国となりすぐに自分に連絡をくれた。
開口一番「どこか山に行きましょうよ」。
時期も時期であり、日帰りの雪山となれば行き先はかなり限定される。
まぁ帰国後すぐでもあり、お手頃な場所として選んだのが日光の奥地にある「雲龍渓谷・雲龍瀑」。
雪山と言う程のものではないが、体慣らしには丁度良いだろうと即決した。
しかし、仕事の都合上どうしても土日しか行けない。
混み合うことは必至。
でも行きたい・・・
できるだけ朝早く出発すれば大丈夫だろうと思い、2月5日の土曜日早朝5時に集合し日光へ向け出発した。

さすがにこの時季の早朝は寒かった。
好天が予想されるだけに、尚のこと寒さを感じながら車を走らせる。
車内は暖かいが、現地に着き車外で身支度・装備を整える時は指先が悴んだ。

スタート周辺はまだそれほど積雪はなく、アイゼンは不要。
だがアイスバーンのエリアも多く、何度も転びそうになった。


稲荷川に架かる堤防を渡り対岸の登山道を歩く。
この辺りはまだ人はまばらだった。

雲龍渓谷と雲龍瀑へ向かうルートは大きく二つあり、一つはつづら折りの坂道を一時間程掛け標高を稼ぎ進むルート。
もう一つは、一気に標高を稼ぐことはないがルート状況に変化が多いルート。
ここしばらくは後者を目的地へのルートとして決めている。
理由は簡単で、それなりに変化があることで飽きることがないからだ。

しばらくは稲荷川を見下ろすようにして川沿いを歩く。
徐々にだが標高を稼ぎ、やがて稲荷川の広い河川敷へと出る。


稲荷川河川敷。
ここまで来ても思っていた以上に積雪量は少なかった。
雲龍渓谷はまだ先だが、こんな雪の量で渓谷は大丈夫だろうか。
そして雪よりも氷の発達状況はどうだろうか・・・。
事前に調べた限りでは、氷(氷柱や滝)は例年よりも発達しているとのことで安心していたのだが、一抹の不安を覚えながら川を横断した。

本来の登山道へと合流し、次に向かうのは「洞門岩」と呼ばれるポイント。
殆どの場合、ここでアイゼンを装着する。
洞門岩が近づくに連れ、積雪量は増えていった。
嬉しい限りであるが、嘗ての状況を知っている自分にとってはまだまだ不十分な量だった。

O氏のアメリカ在住時の話を聞きながら歩いた。
日本にいた頃程山には登ってはいなかったが、山そのもののスケールはとてつもなく広大だったそうだ。
日本の山しか知らない自分にとっては、たとえ有名な山でなくても一度はトライしてみたい思いに駆られる。
そんな話をしながらやっと洞門岩へと到着。
さすがに土曜日、それなりの登山者が休憩を兼ねアイゼンを装着していた。
今シーズンアイゼンを装着するのはまだ三度目で、決して多いとは言えない。
しかし心は躍る。
大自然の美しさは冬が一番だからと思っているからだ。
冬の厳しい寒さの中にこそ自然の美しさが映える。
もちろん夏山よりもリスクは高く大きいが、そのリスクを乗り越えてこそ見ることができる造形美がある。
ただし、決して無理は禁物だ。


洞門岩にてアイゼンを装着。
実は数年前のこと、この先で遭難事故が起き残念ながら亡くなられた人がいる。
「なんでこんな程度のところで・・・」と思ったが、こんなところで起きるのが自然の怖さでもあると改めて痛感した。


アイゼンを付けると「いよいよだ」という思いになり身が引き締まる。
安全のためでもあるが、このギアがなけれ辿り着けない場所でもあるということに他ならない。
慎重に、そして楽しく行こう。


再度、稲荷川へと下り渡渉する。
本来ここは川の中であり、冬期であるが故に渡渉程度で済んでいるに他ならない。
この先まだ数回は渡渉しなければならないポイントがある。
バランスを崩さず落ちないように注意が必要だ。

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