Rainy Soul ~イギリス研究留学してました~

研究者がアカデミックなことなどを中心に徒然なるままに書いています。イギリスに研究留学していた際の情報も載せています。

修士卒は実は学歴的には中途半端なスペックになるかも

2022-05-14 | 徒然に書きたいこと・思いついたこと
日本だと大学院に進学しても修士課程で卒業する人が多いですが、それは博士課程に進学すると
・収入が無い、少ない(日本学術振興会の特別研究員に採択されても月20万)
・民間での就職が難しくなる
ということが大きく影響していると思います。
 日本の企業はメンバーシップ型の雇用で、欧米のジョブ型の雇用と異なります。職種の専門性が問われるのはジョブ型の雇用の方で、メンバーシップ型では様々な部署に配属される可能性があるので、ジェネラリスト指向が高まります。修士課程卒=技官(テクニシャン)、博士課程卒=研究員相当の力があると考えますが、日本の多くの企業は研究職であっても修士課程卒の採用が多いです。この原因を考えてみると、博士課程卒だとオーバースペックだからだと思うのです。もちろん博士課程を卒業して民間就職する人はアカデミアの世界に残れなかった人ということもあるとは思いますが、そもそも研究者レベルの人材が必要であれば博士課程卒の学生を採用すると思うので、純粋に必要がないからということなのでしょう。
 実はこれは博士課程だけでなく修士課程に当てはまる部分もあります。修士課程卒の就職では、学生時代の研究内容が採用に関わることはあまりなくポテンシャル採用です。でも能力が学部卒と大きく異なるのかと言えば、現実的にはそこまでの大差はないように思います。もともと2年間しか違いませんしね。エントリーシートでも「大学で学業以外で頑張ったこと」が良く尋ねられるので、大学で何を学んだのかに関しては採用時にはあまり考慮していません。日本でいくら研究職に従事していても海外では博士の学位が無ければ研究者としては1人前として認められません。日本もジョブ型の雇用に移行していく可能性が高まっていますが、自分の学歴スペックを考え直しておくのも大切かもしれませんね。


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