Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(347)

2020-09-23 00:10:00 | コラム
くれよんしん「ちゃん」→「ちゃん」いーもう(チャン・イーモウ)

坊主以上、スポーツ刈り未満の髪型に(王貞治さん似の)超真面目そうな顔―中国を代表する映画監督チャン・イーモウ(張芸謀)はそんなイメージだが、一時期は大女優コン・リーを「いてこま」した、なかなかのやり手。


北京五輪の演出で知ったひとも居るでしょうし、
チャン・ツィイーを発掘した『初恋のきた道』(99)で知ったひとも居るかもしれない、

ただ熱心な映画ファンであれば、商売っ気のない初期にこそイーモウの本質がある、、、とかいうでしょう。
一般的な映画ファンにとってはメンドクセー主張なのだが、じつは自分もここに入る笑

北京電影学院で主に撮影を学び、先輩チェン・カイコーの初期作品で撮影監督を務める。
また、86年には佳作『古井戸』に主演、東京国際映画祭では男優賞に輝いた。

87年、満を持して『紅いコーリャン』で監督デビューを飾る。

不遇のヒロインが紆余曲折あって真に愛する男と結ばれるが、日本軍の侵攻によってコーリャン畑は血で紅く染まり・・・。
その後につづく「紅」を強調した色彩描写が鮮烈で、イーモウはいちやく「ときのひと」となった。

『菊豆』(90)、


富豪の第四夫人となったヒロインが精神を病んでいく『紅夢』(91)、
村の小さな騒動がやがてとんでもない事態を巻き起こすシニカルコメディ『秋菊の物語』(92)、
『活きる』(94)、
ヤクザの情婦の生きざまを少年の視点を通じて描いた『上海ルージュ』(95)。

ここまですべて、コン・リーが主演している。
リーとの交際が解消されると、コンビ作も潰えてしまった・・・ファンとしては寂しいかぎりだが、2006年の『王妃の紋章』で久しぶりにタッグを組んでいる。

リアリズム描写が光った『あの子を探して』(99)、
初々しいチャン・ツィイーを見ているだけで飽きなかった『初恋のきた道』(99)、

いわゆるビッグバジェットというものは初かもしれない『HERO 英雄』(2002)、



憧れだったという健さんが主演した『単騎、千里を走る。』(2005)。




2009年―コーエン兄弟のデビュー作を自由にリメイクした『女と銃と荒野の麺屋』が不評で、このあたりから失速。
『グレートウォール』(2016)や『SHADOW/影武者』(2018)など新作を撮るには撮っているが、どうにも振るわないのはスランプなのか・・・。

70歳。

年上のスピルバーグやスコセッシが元気なんだもん、まだまだいけるはず。

ファンとしては、やっぱり、再びコン・リーとのタッグ作が観たいですのよイーモウさん!!


あすのしりとりは・・・
ちゃんいーも「う」→「う」ーぴーごーるどばーぐ。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(348)』
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