回数券、枕、サプリメント……etc 物販はやるべき?

2020/03/11

08 店のシステムを整えよう 編

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物販会場のイラスト
今回は、回数券の販売や、枕などの物販をやるべきなのかどうかについてです。

回数券も物販も整体院・治療院には不要です

結論としては、どちらもすべきではありません
逆に、そのようなことをやっているような施術者は、専門職として失格の烙印を押されかねないリスクがあります。
仮にお金に困っていたとしてもやめたほうがいいです。

回数券は施術者にも客にもマイナス

回数券ですが、これは店側・客側双方にデメリットがあります。

店側のデメリット①:モチベーション維持が難しい

施術者側のデメリットとして、モチベーション維持が困難ということがあります。
先にまとまったお金を受け取り、あとは施術してもその場で対価がありません。
もちろんお金だけを目当てに施術することがモチベーションではありませんが、施術

店側のデメリット②:客単価が下がる

また経営的な面では、客単価の減少を招くということがあります。
仮に施術が1回5,000円であるならば、回数券を10回50,000円で売っても誰も買いませんので、10回45,000円などに設定して割安感を出すことになります。
当然それだと単価が4,500円になってしまいますね。
回数券というのは、一時のお金目当てにトータルの収入を一生懸命減らしている行為なのです。

お客さん側のデメリット①:嫌な思いをする

そしてお客さん側のデメリットとして、「嫌な思いをする」人が多いということがあります。なかなか売る側としては気づきにくいですが、回数券の紹介をされると押し売りされているような感じがするそうです。
わたくし管理人に通っている患者さんにも、他院で回数券を勧められて嫌な思いをしたというかたが何人もいらっしゃいました。

お客さん側のデメリット②:意識が下がる

また回数券を買うと、「治すため/健康維持のために通う」というよりも、「こなす」という感が強くなります。
すると、こちらが一生懸命に改善のためのアドバイスや家でやってもらうストレッチを紹介しても、やってもらえる可能性が低くなります。結果的にお客さんのためにはなりません

はっきり言いまして、回数券を買うほどの熱心なお客さんであれば、割引なんてしなくても店に通ってくれます。
コンサルタントに勧められたとしても、デメリットしかない回数券販売はやめましょう。

物販も必要ありません

枕や健康食品などを売る必要もまったくありません。
お客さんにとってみればうさん臭さしかありません。絶対にやめましょう。

ただし、知識としては持っていたほうがいいです。
今はテレビで健康に関する番組が増え、いろいろな健康グッズやサプリメントなどが紹介されています。
「あれって本当に効果があるんですか?」
と聞かれて慌てたり、嘘を答えたりしてしまうようでは信頼が得られません。
それらにエビデンス(医学的証明)があるのか等、しっかりと押さえておきましょう。

くれぐれも、「コラーゲンを飲めば肌がプルプルに若返りますよ」など、おかしなことを言う施術者にはならないようにしてください。

なぜ回数券販売や物販に走ってしまうのか?

ではなぜ回数券販売や物販に手を出し、本来の道から外れてしまうお店が出てきてしまうのか。
背景には「施術だけでは食べていけないから」という理由が潜んでいることが多いように思います。

そして消費者側はそれを見抜けないほど鈍感ではありません。
「なにやら商売色が出てきたな? 技術だけでは食っていけないんだろうな」と察知してします。
そうなると余計に客離れを招くことになりますね。

経営が傾いていた整体院が物販で復活したという話は聞いたことがありません
注意しましょう。

施術で勝負できない施術者は地域社会に不要な存在です

なぜ治療院、整体院、リラクゼーション店が存在するのか。
それは“施術”が地域社会から求められているからです。
施術だけで生きていこうという気概のない施術者は、社会に必要な存在ではありません。
廃業して別の道を歩んだほうが世のため人のためだと思います。

別記事でも書いていますが、お店を開いてもすぐにお客がつくわけではありません。
最初は儲からなくて当たり前です。

「え? こんな客数で食べていけるの?」
と開業当初は思うかもしれません。
ですが、特に失策が無ければ、何週間、何か月、何年と実績を重ねることによってお客がついてきて、軌道に乗ってきます。心配しなくて大丈夫です。
焦って墓穴を掘るようなことはしないようにしましょう。

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