感動のピアノ演奏と爆笑トーク:清塚信也 47都道府県コンサートツアー2020「名曲宅配便」
ミュージシャンは星の数ほど居たとしても、たった一人、舞台の上で、最初から最後までコンサートを演じきることができるプロが一体何人いるだろうか。
筆者は学生時代から社会人までサックス奏者を目指して奮闘していたが、やはりバンド形式が基本であり、他の楽器とのアンサンブル・グルーブを感じてこそ音楽の楽しみがあると常々感じていたものである。
ピアノ×清塚信也
このかけ合わせの場合には、他の楽器もメンバーも必要ないのかも知れない。
将来ピアニストになりたいと頑張る娘のためにと思い、なんとか本物のピアノ演奏を聞かせてあげられないものかと考えていた。
筆者はそもそも、ピアニストとしてよりも、TV番組で音楽について語る姿や、芸能ニュースや国際問題まで、幅広い分野に活躍する姿を見て、特に松本人志さんとの巧妙な掛け合いの見れる「ワイドナショー」などは大変楽しく拝見させていただくなかで、是非一度本職のピアノも見てみたいと思ったのが今回のきっかけである。
そんな清塚さんは、現在47都道府県を回っているそうな。
それは大阪狭山市(南河内)に暮らす私の家から車で一時間程の場所にあるのだが、和歌山には毎年旅行も含めて5回以上も行くからこその感想として、和歌山市民会館のある場所は和歌山の中心ではあるものの、人気も少なく本当に県の中心かと疑う程の場所である。
よくぞ、このような所まで来て下さったものである。
セットリストは後でお伝えするが、前半と後半の二部構成で、前半は所謂クラシックコンサートとしてのピアノ演奏。ベートーベンとショパンについて、ピアノにほとんど触れて来なかった私にも、楽しく分かりやすい説明をしながら・・・この次である。
清塚さんのMCは面白い。それはなんとわかると思うが、「ピアノ演奏に良く合う」と言うのが正しい表現だと筆者は思う。
楽しいMCが終わった後に、たった一音で美しいバラードの世界に一気に引き込む力がある。圧倒的にピアノが上手いことは当然だが、コンサート全体を通して、ただただオーディエンスへの気遣いを感じたもので、非常に優しい印象を受けた。
気遣いの極意は、相手に気を使わせないことであり、自身が気を使っていることが相手に分かってしまっては、余計に相手に気を使わせてしまう。しかし、清塚さんはただただ、その日会場に来てくれたオーディエンスに楽しんで貰う事にただただ一生懸命なのである。そのため、気遣いが心地よい。
不思議と、面白くて楽しいMCのはずなのに、気付けば少し涙ぐむのを感じたものだ。
内容について、多くを書く事は清塚さんの努力に泥を塗ることになるので避けるが、今回のコンサートでは47都道府県のテーマソングを一曲ずつ作曲して紹介しているそうな。和歌山県には「和歌」をテーマにした一曲をプレゼントしてくれた。
娘の勉強になって、面白い話が聞ければ言いや位の感覚で臨んだコンサートだったが、気付けばサイン欲しさに息子とCDを買っていた。
アンコールの前に演奏者が舞台に出たり入ったりして、その間お客さんにずっと拍手させるのが嫌いだと言っていた。実際にその点へ楽しい気配りもしてくれた。
ともすれば、自分が気持ち良くなるためにステージに上がる演奏者も多いご時世に、なんとも応援したくなる人柄である。
演奏曲目:和歌山市民会館編
第1部
エリーゼのために/ベートーヴェン
ピアノソナタ第14番嬰ハ短調「月光」第1楽章/ベートーヴェン
ピアノソナタ第8番ハ短調「非愴」第2楽章/ベートーヴェン
今日の第3楽章/ベートーヴェン →熱情
今日の名曲宅配便 → ショパン 英雄ポロネーズ
第2部
たゆたう燈
~TBSラジオ『清塚信也Xタイムラジオ』テーマ~
Disney medley
糸
~第70回NHK紅白歌合戦 出場曲~
春よ、来い
~Fantasy on Ice 2018 使用曲~
47のピアノで歌うための練習曲 →和歌山バージョン
Baby,God Bless You
~TBS系 金曜ドラマ「コウノドリ」(2015)メインテーマ~
candle
~TBS系 金曜ドラマ「コウノドリ」(2017)より~
Brightness
~TBS系 金曜ドラマ「コウノドリ」(2015)より~
アンコール
ちゃらいピアノ
握手&サイン会は、時間の都合上、写真撮影は禁止。
その代わり、アンコールは写真、動画取り放題のSNSにあげ放題という素晴らしいサービス精神。私は清塚さんの動画をSNSにはあげないのだが、その時に観客全員にお願いされたことがあるので、一つ私も参加することにする・・・
清塚さんは、TVで見るよりかっこいい!