SENNHEISER XSW 1-825をレビュー。安価で使いやすいB帯のワイヤレスマイク

SENNHEISER XSW 1-825 マイクとレシーバー

ぎたすけ

B帯って周波数のことだよな?B帯のマイクは高いの?

たけしゃん

B帯は10万円以上する製品がおおいけど、XSW 1-825は比較的安くて簡単に使えるのがいいところだね
XSW 1-825の評価
音質
 (3.5)
使い勝手
 (4.5)
価格(40,000円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • B帯の中では安価
  • 通信が安定している
  • 設定が簡単
  • ルックスが良い
  • 高音域がやや物足りない
  • マニュアルでの周波数設定はできない
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

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プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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SENNHEISER XSW 1-825

SENNHEISER XSW 1-825 マイクとレシーバー
マイクタイプダイナミックマイク
指向性カーディオイド
周波数帯域JB: 806 – 810 MHz
通信B型(免許不要)
重量マイク:245g
レシーバー:340g
公式HP

ゼンハイザーのXSワイヤレスシリーズのハンドヘルドタイプ XSW 1-825です。

B帯を利用した本格的なワイヤレスシステムですが、価格も比較的安価で操作も簡単な製品です。

XSW 1-825はオートスキャンで簡単にセットアップできるため、初心者や機材に詳しくない方にもおすすめですね。

SENNHEISER XSW 1-825 レシーバー2

音質・通信も良好でトークイベント、撮影、音楽ライブなど様々な用途で安心して使える仕様になっています。

まずはXSW 1-825の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<XSW 1-825をレビュー>を参照ください。

製品レビューの目次

免許不要のB帯

SENNHEISER XSW 1-825 レシーバー

XSW 1-825は免許不要のB帯を利用したワイヤレスシステムです。

音楽用途などで使用するワイヤレスは主に下記の2種類が用いられます。

帯域概要
B帯プロ仕様の製品で一般的な帯域
混信が少なく音飛びしにくい
2.4GHzWi-FiやBluetoothでも使う帯域
音質はいいが、混信や障害物による
音飛びのリスクはやや高め

2.4GHz帯のほうが安価で汎用性も高いですが、混信などによる音飛びのリスクはやや高いです。

そのため、プロの音楽ライブではB帯のワイヤレスが一般的ですね。

一方でB帯の製品はプロ仕様なので、高価で設定がやや難しいものが多いです。

XSW 1-825はB帯ながらも比較的安価で設定も簡単なので、初心者にも扱いやすい点が強いですね。

内蔵アンテナ

SENNHEISER XSW 1-825 レシーバー背面

XSW 1-825は受信機にアンテナが内蔵されており、通信方式はアンテナダイバーシティ方式を採用しています。

そのため、使用時にアンテナの取外しなどをする必要がなく、受信機もコンパクトですね。

なお、上位モデルに当たるXSW 2-835は外付けアンテナで、トゥルーダイバーシティ方式を採用しています。

SENNHEISER XSW 2-835 レシーバー右側面 アンテナ取付済み
XSW 2-835の受信機
トゥルーダイバーシティ

2系統の受信回路を使って、安定した回路側を選択する方式

なので、通信の安定度や対応力はXSW 2-835のほうが優れています。

とはいえ、スタジオやライブハウスでの利用ではXSW 1-825も十分安定しています。

最大7台まで同時使用可能

SENNHEISER XSW 1-825 マイク 前斜め

XSW 1-825は最大7台まで同時使用できます。

使用条件

送信機と受信機の距離を5m以上、送信機同士の距離を20cm以上離すこと

そのため、グループやイベントでの使用にも適しています。

なお、送信機1台に対して受信機1台必要です。送信機だけ増やしても使えないので注意してください。

複数台使う際もスキャンモードでそれぞれに周波数を割り振ってくれるため、難しい設定は必要ありません。

送信機はe 825のマイクカプセル

SENNHEISER XSW 1-825 マイク背面

XSW 1-825のハンドヘルド送信機はe 825のマイクカプセルが採用されています。

e 825は定番であるevolutionシリーズのダイナミックマイクですね。

ボーカル用途でもトーク用途でも使いやすい素直な音です。

なお、XSW 1-825はマイクカプセルの交換はできない仕様となっています。

ハンドヘルド送信機はアルカリ単三乾電池 2本で約10時間駆動します。

SENNHEISER XSW 2-835 マイク 電池投入部分
自宅にあった充電電池を使用

また、マイク本体にはミュートスイッチと液晶画面が付いています。

SENNHEISER XSW 1-825 マイクディスプレイ

電池残量なども液晶ディスプレイで確認できるので便利ですね。

更にマイク内部には感度を調整できるスイッチも付いています。

SENNHEISER XSW 1-825 マイクのGAIN設定
0dB~-30dBまで選べる

公式マニュアルでは以下を参考に感度調整するよう記載されています。

dB使用例
0dBボーカル
-10dBラウドボーカル
-20dBインストルメント
-30dBブラス

僕はボーカル用途で0dBだと音割れしてしまったので、-10dBで使いました。

スピーチなら0dB、ボーカル用途なら-10dBでまずは使ってみると良いと思います。

付属品

SENNHEISER XSW 1-825 マイク側面
ハンドヘルド送信機
SENNHEISER XSW 1-825 レシーバー2
受信機
SENNHEISER XSW 1-825 マイクホルダー
MZQ 1マイクホルダー
SENNHEISER XSW 2-835 ACアダプタ
NT 12-5 CW 電源
  • ハンドヘルド送信機
  • 受信機
  • マイクホルダー
  • NT 12-5CW
  • 単三電池2本

XSW 1-825には上記の付属品が同梱されています。

必要なアイテムは一通りそろっていますね。

また、パッケージ自体に取っ手がついており、そのまま持ち運べるようになっています。

そのため、パッケージが大きいですが、保管・携帯で便利ではありますね。

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SENNHEISER XSW 1-825をレビュー

SENNHEISER XSW 1-825 マイク斜め
XSW 1-825の評価
音質
 (3.5)
使い勝手
 (4.5)
価格(40,000円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4)

それでは、XSW 1-825を細かくレビューしていきます。

メリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • B帯の中では安価
  • 通信が安定している
  • 設定が簡単
  • ルックスが良い
  • 高音域がやや物足りない
  • マニュアルでの周波数設定はできない

個人で所有するのにちょうど良い製品ですね。

設定も簡単なので、音響機器の知識がない人でも取扱説明書を読めば普通に使えます。

最近はアマチュアの方でもワイヤレスマイクを導入する人が増えていますが、ピッタリの製品だと思いました。

レビューの目次

設定は簡単ですぐ終わる

SENNHEISER XSW 1-825 レシーバー2

XSW 1-825はプリセットバンクとオートスキャン機能があるため、周波数を簡単に設定できる点が強みです。

実際の設定の流れは以下の通りです。

プリセットバンクを選択

送信機を電源オフの状態で受信機を起動し、任意のプリセットバンクでSETボタンを押す。続いて任意のCHでSETボタンを押す

SENNHEISER XSW 1-825 受信機の設定方法
補足

既に誰かが使用している周波数だとアンテナアイコンが点灯するため、別のCHを選択する

マイクとペアリング

送信機の電源を入れ、底面のSyncボタンを長押し。受信機のSync表示が点滅したら、受信機のSyncボタンを押す

ゼンハイザーXSW2-835のセットアップ方法。送信機の底のボタンを押す
SENNHEISER XSW 1-825 SYNCボタンを押してペアリング

これだけで設定完了です。

一度設定すると、次からは起動するだけで自動でペアリングされます。

なお、オートスキャン機能で空いている周波数を検出する機能も付いています。

複数のワイヤレス機器を使用する場合などはスキャンして空いている周波数を利用しましょう。

XSW 1-825は操作方法がシンプルで、初心者でも簡単に扱えるのが良いですね。

音質は高音域がやや弱いが及第点は取れている

SENNHEISER XSW 1-825 マイク斜め

XSW 1-825をスタジオで使ってみると、音質もなかなかよいです。

ただ、有線のe 935やBETA58Aなどと比べると、高音域がやや弱い印象を受けました。

ゼンハイザー e 935
e 935

とはいえ、ボーカルマイクとしても及第点は十分取れています。

e 935などのマイクカプセルを選択できるワイヤレスは価格も倍くらいになってしまうので、このへんは仕方ないかなと思いました。

スタジオの音源などを聴き直しても、全く問題ない音質なので上位モデルと比べるとやや差を感じるといったレベルです。

B帯なので通信が安定している

SENNHEISER XSW 1-825 マイク下部

XSW 1-825はB帯を利用したワイヤレスだけあって、通信は安定しています。

合計で10時間程度、スタジオやライブハウスで使いましたが、音飛びは1度も発生しませんでした。

2.4GHz帯のXSW-D XLR BASE SETだと、数時間に1回程度は一瞬音が飛んでいました。

XSW-D XLR BASE SETをe 935に取付けた4
XSW-D XLR BASE SETをe 935に取付した

なので、極力音飛びしないようにしたい用途では、やはりB帯のXSW 1-825が安心です。

トークイベントやセッションでは2.4GHzで良いと思いますが、ボーカルライブではB帯が安定だなと使っていて感じました。

XSW 2-835との違い

SENNHEISER XSW 1-825 マイクとレシーバー
XSW 1-825
SENNHEISER XSW 2-835 マイクとレシーバー
XSW 2-835
最大同時使用台数7台7台
オートスキャン
設定モードスキャン
プリセット
スキャン
プリセット
チューン
アンテナ内蔵アンテナ外付けアンテナ
受信方式アンテナダイバーシティトゥルーダイバーシティ
ラックマウントキットなし付属
マイクカプセルe 825e 835
実売価格4万円程度6.8万円程度

最後は同じB帯の上位モデルXSW 2-835との比較です。

主な違いは受信方式の違いとマニュアル設定の対応有無ですね。

XSW 2-835は外付けアンテナによるトゥルーダイバーシティ方式を採用しています。

SENNHEISER XSW 2-835 レシーバー左側面 アンテナ取付済み
トゥルーダイバーシティ

2系統の受信回路を使って、安定した回路側を選択する方式

XSW 1-825と比べると伝送の信頼度は優れています。

更にチューンというマニュアルモードがあり、使用する周波数を自身で細かく指定できます。

ゼンハイザーXSW2-835 受信機のディスプレイ

プリセットされた周波数以外を使用したい場合などに使えます。

ただ、ライブハウスやスタジオで使用する分にはXSW 1-825で困ることはなかったですね。

SENNHEISER XSW 1-825 マイク斜め

通信も安定してましたし、プリセット以外の周波数を指定したい場面もありませんでした。

そのため、個人で所要するならXSW 1-825で十分だなと感じました。

マニュアルで、より柔軟に対応したい人はXSW 2-835を選択するのが良いでしょう。

 

SENNHEISER XSW 1-825 まとめ

SENNHEISER XSW 1-825 マイクとレシーバー
  • 比較的安価で手軽に使えるB帯のワイヤレスマイク
  • プリセットとオートスキャンで誰でも簡単に使える
  • 2.4GHz帯と比べて通信が安定しており、ボーカル用としても最適

ぎたすけ

ボーカルで使うとなると音飛びすると困るから、やっぱりB帯が良いんだな

たけしゃん

ライブで使うならB帯が良いね。XSW 1-825は価格や仕様的にも個人で持つにはちょうど良いね

SENNHEISER XSW 1-825のレビューでした。

最近はアマチュアでもワイヤレスマイクを所有する人が増えてますが、個人で所有するのにピッタリの製品ですね。

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