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DAZN観戦 2020年J2リーグ第26節 FC町田ゼルビアvs京都サンガFC

2020-10-16 18:21:55 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の町田の記事はこちら(21節・長崎戦)
※前回の京都の記事はこちら(24節・磐田戦)

5位以下の上位クラブは、昇格争いに何としても喰らい付きたいという一心で目の前の試合に挑む状況となっています。
しかし最近は、5位に上がった途端に勝てなくなる現象が多発し、どうしても上位集団との差を詰められず。
甲府も京都も蹴落とされ、現在の5位は新潟。

多少毛色が違うとはいえ、町田も17節の時点では6位でしたが、18節から現在まで未勝利が続きこの試合前は16位までダウンしています。
上位定着を目指す段階で躓いてしまい、前回の5連戦の最後である24節・新潟戦で大敗(0-4)を喫し、再び立て直さなければならない現状。
それでもレギュラーの入れ替えは小規模で、安藤瑞季の出場停止(前節)に伴ってぐらいと、あくまでレギュラー固定の方策は崩さないランコ・ポポヴィッチ監督。

試合が始まり、あくまで今季の昇格を狙う立場であるはずの京都、その立ち上がりが重い。
過密日程故、ペースをいくらか落としての入りは常套手段ですが、それには早い段階での失点を避けるような戦いが欲しい所です。
しかしこの日は早々に先制を許す事に。
前半4分、右サイド奥のスローインから一旦戻されると、高江が再び縦に送り平戸→酒井とエリア内右で渡ってクロスが入ります。
このボールを、必死で戻った京都・庄司がゴールに蹴り入れてしまい、あろう事かオウンゴールで得点を与えてしまいました。

その後も町田の前線からのプレスを受け、ギアを上げる事がままならない京都。
ちょっと前の良いサッカーの匂いは完全に失われ、ヨルディ・バイスや森脇、安藤淳がロングボールを放り込む攻撃を強いられます。
何とかサイドでボールを運んでも、結局戻されて作り直すシーンも数多と、積極性はまるで感じられず。

守備でも反応が鈍く感じられ、19分の町田の直接フリーキックのシーン。
絶好の位置で平戸が直接シュートを放ち、壁に当たったボールがエリア内右へ浮かびます。
高江がダイレクトで小さくロブを上げると、壁の後ろで安藤瑞がボレーシュート。
この一連の動きに京都選手は安藤瑞のシュートを成す術無く見送る始末で、安藤瑞がミート出来なかったため救われたというシーンでした。
さらに32分には、高江が左サイド裏へロングパスを送って町田の攻撃。
安藤瑞が受け、そのままカットインでエリア内に入ってシュートしますが、対面の京都・森脇のブロックでこぼれ球に。
GKの前に転がったボールを、エリア外から吉尾が猛ダッシュでプッシュするシュートを放ち(GK若原が身体で防ぐ)ヒヤリとします。

また、この日はピーター・ウタカとの2トップの片割れに、殆ど起用されていなかった李を起用したのも流れに乗れない一因だったかもしれません。
李は中央に張りたがるタイプ(しかしポストプレイは余り上手くない)で、野田や仙頭のようなサポートを中々受けられないウタカですが、李を活かさんと中央の狭い局面でのパスワークに加わるシーンが目立ちました。
それに神経を費やしていたのか、あるいは町田のガツガツとしたディフェンスに苦戦していたのか、ボールキープという面では普段より冴えず。
前半の終盤には李がサイドに流れるシーンが幾つか見られたものの、有効打とはならず。
町田は何度も攻撃チャンスを得てシュートも多く放ちますが、カウンターの精度の悪さも相成って追加点を奪えず。
そんな状態のまま試合は推移していきます。

閉塞感を抱えたまま、終盤は飯田のロングスローの連発も絡めて何とか町田守備を崩さんとする京都。
アディショナルタイムには、エリアライン際中央の狭い空間で李・ウタカ・金久保がパスを繋ぎ、ウタカがエリア内左へと抜けてシュートするもブロックに阻まれます。
何とか後半に繋げるシュートを放つも、1-0のまま前半が終了。

そして後半を迎えるに辺り、京都は金久保・庄司→谷内田・福岡と2枚替えを敢行。
選手交代も絡めて打開を図らんとしますが、コントロールタワーともいえる庄司が退いたのが逆にいけなかったのか。
あるいはオウンゴールのシーンに象徴されるような、不振が深刻故の措置だったのか。

後半立ち上がりも町田ペースで入る、京都にとって苦しい展開。
しかもそれだけに止まらず、早々に失点してしまうという前半の焼き直しを演じてしまいます。
後半3分、繋ごうとしたGK若原の縦パスが高江にカットされてしまい、そのままロングシュートを許す事に。
このシュートが無情にも無人のゴールに吸い込まれ、京都にとっては痛すぎる2点目となってしまいます。

重い動きを象徴するかのように、アフターチャージで警告を受ける場面も目立ったこの日の京都。
前半ATの安藤淳に続き、5分には飯田が町田・平戸の足を削ってしまい警告に。

悪い流れのまま攻めなければならないという状況ですが、ここから町田の攻撃はカウンター主体となり、攻撃権は京都が独占状態となります。
11分には再び後方からのビルドアップ、町田に激しいプレスを受けるも、早いパスワークでいなして無事切り抜けた京都。(シュートまでは持ち込めず)
これで少しは暗雲も晴れたか、15分に決定機が。(14分に李→野田に交代)
右サイドからの森脇の縦パスが中央へ入ると、そのままパスワークで中央を進み、仙頭がペナルティアークからシュート。
町田・水本にブロックされるも、左サイドで拾った黒木がカットインからシュート。
豪快なシュートが町田ゴールを襲うも、ゴールバーを直撃してしまい惜しくも得点ならず。
ここで決まらなかったのがこの試合の分岐点だったでしょうか。

2点リードの町田は、ブロックを組んでの守備だけで無く、要所でのパスカットも冴え渡り。
そこからカウンターも展開しようとするも、前述の通り精度が悪く、シュートで終わる事が出来ず。
26分には佐野のボール奪取から、吉尾のスルーパスを安藤瑞が受けてエリア内に進入するも、コントロールをミスしてしまいシュート出来ず。
シュートを撃ちまくっていた前半とはうって変わってしまったのが、京都に攻撃権を奪われていた要因となっていました。
それでも粘り強い守備でリードを守ります。

30分に町田は2枚替えを敢行、ジョンチュングン・吉尾に代わり、マソビッチ・岡田を投入します。
レギュラーの固定化とともに、助っ人のマソビッチやステファンが殆どチョイ役と化しつつありますが、反対に故障から復帰してきたジョンチュングンは盛んに起用されています。
背番号6~9までに助っ人が固まっている町田の選手編成(6番は李漢宰(リハンジェ))ですが、果たしてここからレギュラー定着はなるでしょうか。

守備を固める町田に対し、京都は完全に「ボールを持たされている」状態に。
パスワークで打開しようにも、狭い局面でのパスの連続を強いられ中々アタッキングサードにボールを運べず。
35分からは安藤淳が盛んに縦パスを入れるものの、これもシュートには結び付きません。
とうとう38分、ウタカを諦める事となります。(宮吉と交代)

40分も過ぎ、最後の手段であるバイスを上げてのパワープレイ体制を採る京都。
しかしその隙を突かれ、最後に町田のカウンターが炸裂します。
45分高江のパスカットから、マソビッチの落としを高江が裏へとロングパス。
抜け出して受けた平戸がGKと一対一となり、エリア手前でゴール右へとシュートを放ち、GK若原の逆を突くゴール。
決定的な3点目を挙げ、勝利を確実なものとしました。

ATに突入した後も、京都はボールを握って攻勢を掛けましたが、それが報われる事は無く。
町田は最終盤、高江が足の異常で交代を強いられた(井上と交代)のが気掛かりとなりましたが、それでも無失点で無事に試合終了まで辿り着きました。
これで実に9試合ぶりの勝利。

京都の現状のような、停滞感が半端無いという状況に陥った際にはどうするか。
良く言われるのが「原点に立ち帰る」という事ですが、それには基盤となるサッカーが必要。
そうして初めて「困ったらここに立ち帰る」のが可能になると思われます。

しかし今季の京都は序盤戦に、戦術的な落とし込みを蔑ろにし、ただ勝ち点を拾う事に趣を置いて過ごしてきた感があり。
こうして行き詰まりを迎えるに辺り、帰るべき所が無いという現象が起こってしまっているのでは無いでしょうか。
仮に立ち帰ろうとしても、浮かび上がるのは「ウタカとバイス頼みのサッカー」というイメージでしか無く。
だとするともはや昇格枠を狙う立場にあらず、想像以上に厳しい状況に置かれているのかもしれません。
J1の埼玉が本拠地の赤いクラブでも似た現象が起きていますね


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