※妻がスタジオドラゴン韓ドラ展で「サンドボックス」のお土産を買って来てくれたので、真ん中あたりにお土産の写真を追加更新しましました。
遅ればせながら妻といっしょに、Netflixの韓国ドラマ「スタートアップ: 夢の扉」を視ました。
ドラマを見ている方の間では、ドサン派(ナム・ジュヒョク)とジピョン派(キム・ソノ)に分かれているようですが、妻はジピョン派です。(^^)
韓国のハイテク業界の若い起業家たちのビジネス、ロマンを描いたストーリーはすばらしかったです。
また、ドラマのITに関する描写がいい。
そこでストーリーに関する感想は様々な方が書かれているので、このドラマのあらゆる場面で登場しているIT技術の側面から感想など書きたいと思います。
メインのストーリーには触れないので決定的なネタバレにはならないと思いますが、既に視た方へ、こういう意味があったのかということがお伝えできればと思います。
■まず「サンドボックス」についてです。
日本語では "砂場" のことです。
ドラマの中でメインの舞台は、スタートアップ企業にチャレンジ・育成の場を提供する投資会社「サンドボックス」です。
育成の場が「子供を砂場の中で怪我の心配なく遊ばせる様子」に似ていることから、投資会社の社名を「サンドボックス」にしています。
ネタバレになるのでここでは、触れませんがもう一つ別に名前の由来があって、ストーリーに重要に関わってきます。
面白いのは「サンドボックス」には、現実のITの世界での意味もちゃんとあって、"他アプリと分離したプログラムのテスト環境" を指します。
以前はプログラムをテストするのに物理的に別の環境(PCなど)を準備する必要がありました。
最近ではわざわざ物理的に別の環境(PCなど)を準備する必要はなく、Dockerなど仮想化技術を使って同じ1つのPC上に複数の「サンドボックス」が簡単に作れるようになってきています。
資本が少なくてもお手軽に起業できるのと似ていますね。
ドラマの中の「サンドボックス」という会社の発想は、お手軽に起業できてしまうことは危険なので、テスト環境も手軽に利用してもらって失敗しないように支援しましょうということでしょうか。
↑スタジオドラゴン韓ドラ展のお土産「SAND BOX」キーホルダー
■ストーリーが進むと、様々なIT技術や用語が登場し、どの場面でも本格的で本質を突いています。
・「ハッカソン」シーンでの臨場感がよかった
・「API」を使って音声AIやスキルデータベースなどのWebサービスにアクセスするにはお金がかかるので、ちゃんとサブスク価格を計算しないとアプリが売れれば売れるほど赤字になってしまう
・「AI」は目的でなく手段であり、かつ投資価値で判断ということが全シーンを通して伝わってくる
・「IoT」=省メモリでプログラムを動作させること、コストや環境ニーズと性能とのトレードオフである
特に最後の「IoT」については、印象的なシーンがありました。
デモデーと呼ばれる発表会の性能比較シーンで、省メモリの「シングルボードコンピュータ」(※たぶんRaspberry Pi)でプログラムを動作させ画像認識の性能比較をやってのけています。
「シングルボードコンピュータ」なんて正式なEmbeddedな言葉が韓国ドラマで聞けると思わなかったです。
↑我が家の「シングルボードコンピュータ」Raspberry Pi
以上、挙げればきりがないのでこの辺にしようと思います。
こんなすばらしい最先端のITを駆使したドラマを作れる国ですから、オリンピックで来日した韓国選手が「日本はアナログ」と言うのもわかります。
日本もこういう本格的なドラマが作れるとよいのですが、デジタル庁が未だに新型コロナワクチンの接種記録でさえマイナンバーカードシステムで管理できないのを見ていると、この国は既得権と調整最優先文化なので、IT文化は合わないのかなと思えたりします。。。
パソコン教室に通っている大臣でなく、せめて「ハッカソン」くらいには参加して「API」を使ったプログラミングをしたことのある大臣を期待します。
話が完全に逸れてしまいましたが、こういう理系な感想を書く私はドサン派ということになるのでしょうね。(^^)
※Netflix「スタートアップ: 夢の扉」公式サイト
https://www.netflix.com/jp/title/81290293