珈琲三杯|思索のための思索

限界フリーターが毎日の思索を書き綴る。手帖の代わり、或いはゴミ箱。

労働の合間のリセットボタンについての覚書|お父さんお父さん、お客が僕をつかまえた

面積が広い店舗で働くときはその店が日頃何人の従業員で回しているかを下見しよう!地獄を見る羽目になるぞ!

私が約6年のフリーター生活から学び、かつこれからフリーター生活やアルバイトを始めようとしている人に向かって教えられることはひとつしかない。「接客業をやるならカウンター/レジ/フロント/ホールバックヤード/事務所/その他裏方にあたるフロア と直結あるいは隣接している店を選べ」。これに尽きる。早い話が、「客の前から引っ込もうと思えば即座に引っ込める店を選べ」ということである。例えばちょっと喉が渇いて水分補給をしようと思った時に、客が1人でもいると全く身動きが取れないとか、自分のポジションから客がうじゃうじゃいる場所を突っ切って店舗の端まで小走りで行かにゃならんとか、そんな店はぶっちゃけおすすめしない。こうなるとレジ打ちなどは高確率でおすすめしないバイトになるが、実際長時間働く場合にはレジ打ちはおすすめしない。そもそもレジって1人1ポジションが基本だからなかなかその場を離れられないんですよね。この点はあとで語ろう。短時間なら特に問題ないと思う。

 

動線を最適化せよ

私が学生時代に働いていたコンビニと現在働いているコンビニは、レジ-事務所直結型である。ちょっと喉が渇いたなとか髪が乱れたから直したいなとかおやおや目に何か入ったぞと思ったときは、すぐそこのドアを開くだけでいい。一方、私の近所のコンビニはレジ-事務所完全分離型、しかもレジと事務所が店の端と端にあり、事務所に用があるらしい店員さんが店の端のレジから事務所のある店の端まで小走りで駆けていく光景など日常茶飯事である。もちろん、その途中で客がレジに寄っていけば引き返してレジに入らなければいけない。なるほどストレスが溜まりそうな店舗構造だ。接客業という職種上、あるいは防犯上、客の視界から店員が消えることはあまり好ましくないかもしれない。でも店員だって人間なんですよ。身体上の都合で客の目から離れたいときだってあるし、精神上の都合で客の目から逃れたいときだってあるでしょ。そんなとき、ちょっとドアを開けて、客から見えないところでふうと一息ついて、また客の前に出る。これができるかできないかで、労働の質は大きく変わる。

 

階段爆走RTA

私がかつて働いていたスーパーはこぢんまりとしていたが驚きの縦長構造で、レジが1階にあるのに対して事務所が4階にあった。故に、喉がカラカラに渇いている時も、目にごみが入った時も、鼻水ズルズルでひと鼻かみたい時も、たった10秒あればいいのに、たった10秒あればなにもかも立て直せるのに、そのたった10秒のために今いる場を離れることができなかった。その上スーパーとしては致命的なほどレジの数が少ないせいで、ちょっと4階まで行って戻ってくる間で他のレジが大混雑する有様だ。マジで拷問だった。あんなところで1日8時間、2年もよく働いたものだ。よく行くスーパーはレジのすぐ近くに事務所の入口があって本当に羨ましかった。今でも「あれ、なんか開いてるレジ少ないなあ」と思いながら列に並んでいると、真横にある事務所の入口から備品を抱えたレジ打ちの店員さんがひょっこり出てきて、「お待ちのお客様こちらのレジへどうぞ!」って案内してくれる。私もそういうスーパーで働きたかった。ちなみにかつての職場では、レジで使う備品が保管してある場所は3階の倉庫である。レジ袋の補充さえままならない。うんこ。

 

改装して♡

そして今メインで働いている場所は、視察にやってきたお偉いさんから直々に「この店の設計考えたやつほんとアホ」のお墨付きを頂くくらい頭の悪い構造をしており、従業員は日々ただの移動だけで激しいストレスを強いられている。1度他店へ研修に行ったときには、受付から事務所含めたすべての裏方が直結&連結しており、その上全てのフロアに受付が映るカメラのモニターが設置してあって、受付と裏方の行き来がめちゃくちゃやりやすいことに感動した。まあそういう経験があるもんで、客から見える位置と客から見えない位置との移動が容易にできる店、移動に難のない店での労働を強くおすすめするわけだ。

 

この人なんで接客業やってるんだろう

私のように接客業が死ぬほど嫌いだけど接客業しかできる仕事がないタイプの人間、さらにその中でも労働による肉体的疲労よりも精神的疲労の方が遥かに致命的なタイプの人間には、体力は消費せずとも四六時中客の目に晒され動きたくても動けないポジションに就くくらいなら、飲食店のホールスタッフのようにそもそも客前と裏方を移動しっぱなしで、客の視界に映らない場所に何度も何度も入らないことには仕事にならないような仕事の方がいいのかもしれない。ほんの一瞬だけでもほんの形だけでもほんの先っちょだけでもいい、思い立ったらサッと客の前から離脱して体勢を立て直せる、その大切さをマジで侮らない方がいい。こちとら怠けてるんじゃない、体勢を立て直してるんだ。労働の合間にリセットボタンを押してるんだ。今回の話はあくまでリセットボタンの一例に過ぎない。労働の合間にリセットボタンを押せそうなバイトを選ぼう。

 

接客業のくせに客から逃げるな

逃げるは恥だが役に立つ

 

 

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