オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

選択レヴェル計 アンドウAD-2430

2023年05月19日 | 測定器

 

 

 

 
 選択レヴェル計   アンドウAD-2430

 ヤフオクで落札したもの。不動品となっていた。開けてみたら電子的不調は無く、機械的不調が見つかり簡単に直った。複雑な構成の測定器であっても、複数の箇所が壊れているなんてことはあまり無い。

 

 本格的に電子工学を学んでない人が新品価格なら数百万もする機械をテスターだけでスイスイ直すなんてことはよくある。

 

 さて、信号というものは或る単一の周波数(ここでは基本波と呼ぶ)のみで構成されていることは少なく、大抵はその高調波や雑音などから成り立っている。そこでその基本波や高調波をそれぞれ抜き出して測定する(メーターで表示する)のを選択レヴェル計と呼ぶ。

 

 構成はスーパーラジオと似ていて、先ず機器の中で局発と呼ばれる局部発振器を作りそれと機器に入ってきた信号とを混合する。2つの信号の周波数の差分をメーターに表示する。スペクトラムアナライザはこれをディスプレーで表示したものだ。勿論スペクトラムアナライザのほうが使い勝手が格段に良いが、価格は高くなる。便利であればあるほど高額になり数百万というのは珍しくない。


 高調波や雑音を測定できるなら歪み率も測定できるか?となれば当然測定出来る。歪み率の定義は高調波の平方和の平方根を基本波で除したものだ。実際には二次高調波、三次高調波を測定できればほぼ十分な場合が多く、四次や5次を測っても測定値に与える影響は殆ど無い。

 これは計算すれば明らかなので、例えば二次高調波が10%あって、三次高調波が5%とした場合、歪み率は0.1^2プラス0.05^2としてその平方和は0.0125である。その平方根は0.1118である。これは0.1と看做しても有意差は少ない。4次や5次は二次や三次に比してさらにさらに少なくなるので無視してしまっても実用上は問題無い。

 歪み率10%というのはかなり多い場合であり、もう少し少なく二次高調波を3%とし、三次を2%とする。0.03^2プラス0.02^2の平方和の平方根は0.036である。つまり3.6%である。

 計算すると分かるが、二次より三次の歪に10dB以上の違いがある場合は10dB少ないほうは無視しても実用上の誤りは無い。二次と三次の関係が逆でも同じだ。勿論この場合も4次や5次は無視してしまって構わない。


 此処から先は究極のぶっちゃけ話になる。アンプの歪み率は或る程度低ければよく、メーカー製半導体アンプのように滅茶苦茶低くなくて構わない。0.01%など目指さなくて良い。

 

 いくらアンプの歪み率を良くしてもアンプの後ろには思いっきりヤクザなヤツ(スピーカーのこと)が控えている。それだから全体の結果に齎す効果が極小のものに拘っても始まらないことになる。

 

 言いたいことは、情報量のさほど多くない測定器である歪率計などに過大な投資をせず、近ごろの低コストで流布しているFFTアプリやFFT機能のあるデジタルオシロの入手でも考えたほうが安上がり、ということ。

 

 

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自己紹介

2023年03月04日 | 自己紹介

 

 訪問有難うございます。

 

 

 私は79歳になる。60歳を過ぎたあたりでインド哲学を学ぶようになり、生来の考え方の傾向に拍車が掛かった。

 

 即ち人は時代や生きる場所に大きな影響を受ける。つまり洗脳される。それらを抜けることは容易でない。

 

 また、人の価値観や感覚には大差が有って、相互に理解することは難しい。

 

 

 さて、今から約半世紀前の日本はオーディオ・ブーム全盛だった。その頃に測定に興味を持つようになったが、そのことで結果的に殆どのオーディオ・マニアとの交流は無くなった。文科系の感覚のみの話をすることに興味を失ったことが大きい。話が合わなくなったのである。


 ここでは主にオーディオに使用される測定器に絞って話をする。コメントは大いに歓迎するが唯一つ注文がある。それは、私は自分のブログに毎日訪問はしないので、コメントを頂いても気がつくのにかなり遅れてしまう。であるから、コメントや質問は homebrewer1214アットマーク(@に変換してください)gmail.com 宛に直接お願いしたい。


 記述においては本を読んで得られるような知識については言及しなかった。気楽に読んで貰うために細部を端折ったところもある。端折ると必ず細かいところで詰まらないツッコミを入れる人が出てくるが、そうしたくなった場合は実際的か現実的かで判断して欲しい。


   

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松永 SVC-1010  自動電圧調整器

2023年02月25日 | 測定器

 

松永 SVC-1010  自動電圧調整器


 ヤフオクではよく出るが、電源が入ることのみ確認しました、という場合が大半だ。電源を入れるとすぐシャリッと音がする場合はだいたい動作品である。何度も買ったが完動の確率は半分は無い。音がしない場合はサーボ回路が不調になっていて修理は普通は諦める。ただ、箱入りスライダックとしては使いやすいのでダメ元でそれ目的で買う。動作するかどうか分からないのに、安くない場合は手を出さないほうが良い。

 不動の場合はサーボ回路を撤去して単なるスライダックにする。改造に当たってアンメーターを付けるのは大きな困難は無いが、筐体は鉄なのでアルミのような訳には行かない。それにアンメーターは左端に近づくと信用出来ないので外部でクリップオン式で測ったほうが信用出来る。

 

 自作アンプを調整・測定する場合は誤配線などの有無を確認しいろいろ下準備してから電源を入れる。その場合の電源電圧は一定の電圧であるのが望ましい。然しこれが意外に変動するのである。家人が掃除機を動かしたり、電子レンジを作動させても変動する。

 即ち負荷の変動によって電源電圧が変動する。これが真空管アンプだったりするとDC電圧も少なからず変動してこれを無視してよいのか迷う。こういうのが当初は気になったものだった。

 負荷変動を検知してサーボモーターが摺動子を移動させて電源電圧が変動しないように保つのがこの種の機械だ。かつてはこの目的でコイルとキャパシターによるものが有って、サンスイはそのような製品も出した。

 松永のこの製品は摺動子の作動音がかなり頻繁に発生する。シャリ、シャリと静かとは言えない音がする。動くとは言っても機械式だから僅かのタイムラグはあるわけでそれが面白くない場合もあるだろう。高速の追従目的にはエヌエフから高速の電圧発生機が製造されていて威力を発揮する。

 但し、これは相当に高価でかつ重い。一度入手したが、ファン音が煩く、とても音楽を聴く部屋には置けない。能率もかなり悪い。

 

 結論としてアマチュアが電源電圧を厳重に保つのは困難が大きい。

 

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真空管のgm測定方法

2022年12月10日 | 測定/オーディオ

 

 2019年2月を以って上記の計器の殆んどを中古測定器買取業者に売却した。現在出品中の真空管は大部分がTV7D/Uによる。 

 

 今まで以下の記述については何人かに説明してきた。理解出来る人は詳しく言わなくても判る。

 

 “要は定電流で測るってことだろ”

 

  全くその通りだ。

 

 だが、理解しない人は図を書いても分からない。というより避けようとする。

 「難しいことは分からんけども、、、、、」

 

 そんなわけで説明では図を省略した。

 

原理については後述


真空管のgm測定方法


方法その1/現在のメインの方法
1、真空管ハンドブックに拠り規定のプレート電圧、スクリーン電圧、グリッド電圧を印加する。
 ただし、出力管においては、バイアスを加減し規定の電流を流す。即ちこの場合はバイアス電圧ではなく、プレート電流を基準とする。

 

2、真空管のグリッド・カソード間に10KHz/1Vを入力する。信号の大きさは真空管出力が歪まない大きさであればよく、電圧増幅管では10KHz/100mVを入れる。

 

3、プレートに現れる交流電流をHP456Aで測る。HP456Aは回路を切らないで測れるAC専用の高感度クリップオン電流計で1mAで1mVを出力する。この電圧をミリバルで測る。


 通常gmは単位がミリモーであるが、これはmA/Vのことである。例えば10ミリモーならば入力が100mVなら1mVの出力しかない。2ミリモーなら0.2mVしか無い。gmが低くバイアスの浅いタマ、例えば12AX7や5879、6267は入力を多くできず測定する電圧が低すぎてしまうため正確な測定が難しい。実際のgmより低く出やすい。

 私自身はHP456Aによる測定がラクなのでこれ以外の方法は現在やってないが、456Aの入手は米国からでないと難しい。送料込みで最低3万円になりそうなので追試される人は456Aの使用ではなく以下の方法その2またはその3を推奨する。

 

 上記の方法で測定したgmの値は標準の80%程度でもTV7の廃棄値より明らかに多い。管種にもよるがTV7の廃棄値は標準の70%未満くらいと推定される。

 

方法その2/私が考案した方法


1、プレートに一次と二次を逆にしたシングル用トランスを接続する。たとえば8Ω:7KΩとし、二次側に6.8KΩをターミネートすれば真空管は8Ωに近いインピーダンスを負荷することになる。8Ω側なので小型のトランスでも6GB8を試験するような大電流でも限界を心配せず流せる。

2、各電圧は その1 と同じようにする。

3、真空管に適当な電圧を入力し、トランス二次側の電圧を測り、一次と二次のレシオを換算してgmを求める。

 

4、一次側に現れるインピーダンスや一次対二次のレシオは計算で得られるものとの違いが無視出来ない。或る程度のレヴェルの知識と少な過ぎない測定器が必要となる。8Ω側に発生する電圧は小さいがトランス二次側にはステップアップされた小さくない電圧が発生し、かつ片方がアースされているので測定が楽になる。この場合のトランスは安物で良い。優れた方法なのだが較正のハードルが高いのは認めざるを得ない。

 


方法その3/海外のアマチュアの文献で見た方法


1、プレートに10Ωを負荷し、その抵抗に並列に1:1のトランスを接続する。トランス一次側は直流が分流しないようキャパシター(以後Cと表記)で切る。Cはインピーダンスが無視出来る様な大容量にする。ただし低圧で良い。

2、各電圧は その1 と同じようにし、真空管に10KHz/100mVを入力する。この周波数はCのインピーダンスを小さくする目的でもある。

3、トランス二次側の電圧を測り、gmを求める。

4、これは上述を併せた三通りの方法で諸兄が採用するのに一番再現性が高い。gmが低いタマではノイズの影響で測定値が実際の値より大きく出易い。そこで電圧を測るのに歪み率計を使ってローカットすれば良い。(歪率計にはローカットフィルターが付いている)。内部抵抗が非常に低いタマ(例:レギュレーター管)では10Ωより1Ωが更に正確に測れるが、選択電圧計かスペアナが必要になり一般性を失う。私はHPの3582Aを使っていたが、小鳥を撃つのに大砲を用いるような気がしていた。(鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん!)。


 上記三例において、このような場合の通常使用される1KHzではなく10KHzの信号を入れる訳は、信号レヴェルを測定するのにスペアナを用いる場合が有るからだ。その場合掃引型スペアナでは1KHzより10KHzのほうが測定時間を短縮出来る。

 

  測定原理/実技


 真空管の増幅度を導来する式はA=gm×(タマの内部抵抗rpと負荷抵抗RLの並列合成抵抗)で与えられる。即ち A=gm×(rpRL)/(rp+RL)。3極管の場合はA=μRL/(rp+RL)として知られているが、μ=gm×rpなので同じことである。gm値はこの式から導くが、邪魔なrpの項を消さねばならない。RLをrpに対して非常に小さくすれば並列抵抗はほぼRLと見做せるようになりrpを無視出来る。測定誤差を1%未満にするためには、RLはrpに対し1%未満でなくてはならない。レギュレーター管等は200~300Ωくらいしかないのもあり、それを考えるとRLは相当に低い必要がある。然し、RLが小さいと、測定電圧も小さくなり、直流電源の電源インピーダンスの影響を無視出来なくなるなど、gm測定がいろいろと困難になる。

 

 誰でも思いつくDC的な方法では、動員する測定器は少なくて済むが、バイアス電圧を変え電流の変化を測るのは、実技上は面倒だ。高性能ディジボルで差分だけをカウントし、バイアス電圧はプログラマブルの電圧ジェネレータで設定出来れば安直になるが、これは誰にでも出来るわけではない。やはり交流式が便利だ。


 また、低抵抗を負荷しそこに発生する電圧を直接測る方法は、抵抗と直列になる電源インピーダンスの影響を排除出来なくて面倒だ。従ってトランスを使う。 面倒と言う言葉を多用するが、要するにめんどくさいことは続けられないものだ。めんどくさいことやっていては人生が終わっちまう。

 

 グリッド抵抗にシリーズにセンター指示のマイクロアンペアメーター(アキバで2000円~2500円)を入れる。グリッド電流が流れたり、リークが有ったりすると針がいずれかに振れる。これが存外の威力を発揮し、機械的不良の大半が分かる。目に見えるほど振れる場合はタマを廃棄する。即ち、機械的不良は、グリッドかカソードの絡んでるものが多いので、上述の電流計を入れることで殆ど捕捉出来る。これまでのところ、私の方法で機械的不良を捕捉出来ず、TV7Dで見つかったという事例は無い。むしろ私の方法で機械的不良が捕捉出来ながら、TV7Dで見つからないという場合が有る。

 

 尚、マイクロアンペアメーターは寄生振動が有っても振れる。この場合は不規則に振れるのでそれと判る。TV7D/Uには寄生振動を防ぐビーズが入っているが、同じものを入手は出来ないので、こういう場合はグリッドに直列に1Kオームを入れる。タマ毎に配線しなければならないので結構面倒だが、寄生振動のあるタマはあまり無い。また、タマの作りにも因るようで必ずしもgmが高いから寄生振動が多いとも言えない。

 

 ここでセンターメーター式のマイクロアンメーターをやめて横河の3201など内部抵抗の高い(電流感度の高い)テスターのアンメーターを使っても良い。3201は12マイクロAのレンジがあり、極性の切り替えスイッチも有るのでマイナスに振り切れたらスイッチを切り替えれば良い。

 

 実際にgm測定器を製作する上での問題点としては電源を用意する方が困難かも知れない。これは自作しようとするから面倒なのでオークションで求めれば良い。A電源、B電源二台、C電源と都合四台も必要だ。しかし自作より使いやすく短期間に用意できる。コストも心配するほどではない。昔売られていた真空管用電源のバイアス電源は負電圧が高すぎるために、10回転のポテンショメータで調整してもIb調整がかなり面倒だ。そこで実用の為に小さいバイアス電圧を微細に加減できるような機構にしておかないと後で困る。むしろバイアス電源だけ別に用意したほうが良い。其のほうがずっと便利だ。

 

 近頃の電源は出力がワンタッチでオンオフ出来る機構になってるものがあり、そのほうが便利だ。デジタルメーターの付いているものはそのタイプが多い。

 

 プレートの電流計はデジタルでも良いがアナログだと元気の良い真空管の場合は電流計の振れる速度が早いので視覚的に真空管の良さが分かる利点がある。一般的に言えば電流計が元気よく立ち上がってくる場合はgmも規定値をクリアーしてるので特別な要求がない限り電流とgmの双方を測る必要は実用的には無い。


 gm測定では内外の有名なチェッカーは試した。EbやIbを真空管マニュアルに拠って設定出来るタイプ(大型になりやすい)が便利だ。その中には双三極管がワンタッチで切り替えテスト出来るものもあり、その快適さはたいしたものだ。EbやEsgが固定のタイプのもの(TV7シリーズ等、現在流通するものの大半)は真空管マニュアルではなく、チェッカー付属のマニュアルによって操作する(それが無いと操作できない)が、その原理と限界を予め承知で求める人には良いが、知らないで買う人は困るだろう。


 真空管販売業者が売るいわゆる“ペアチューブ”がどの様な測り方で選別されているかは知らないが、たとえそれが真正のペアチューブであるとしても、プッシュプルの出力段ではACバランスDCバランスの調整は不可欠だ。私は ペア というものにあまり重きを置かないが、仮に 揃っている として選別したものでもそれは同様だ。これをやらずに良否を云々しても始まらない。

 

 ちょっと横道にそれるが、DCバランスは10Hzより下の周波数を入れて出力段の出力が最大になるように調整する。つまり交流で測る。周波数が低いのでストレージならラクだが普通のオシロだとチラチラする。だがそこはまぁ我慢する。原理的に正しい方法なので精神衛生上は良い!!

 

真空管チェック雑感


多くのタマのテストをやって感じるのは


●開発時期の後期のタマのほうが、そうでないタマより

 

●三極管より五極管が

 

●べース接続よりトッププレートのタマが

 

 いずれも素子として安定のようだ。


 尚、寄生発振は必ずしもgmの高さと密接な関係はなく、開発時期が早期のタマはgmがさほど高くなくとも発振しやすいと見ている。
 真空管メーカーの技術者は無駄飯を喰っていたのではなく、日々改良に励んだのだろう。

 

真空管の選別について

 

 真空管を出品していると特性の揃ったものをと頼まれることが有る。だいたい、要望というものは1人が言う場合はその100倍以上の黙して言わない人がいると考えてよいので(日本人はとてもおとなしい)、潜在的にはその要望は多いと考えて良い。 

 さて、その真空管なるものはJIS規格では特性の違いがかなり大幅に許されているが、現実には高い製造技術の為か、それほど違いが無い。双三極管にしてもユニットの違いはあまり大きくはない。その大きくない違いを大きいという人もいる。

 

 真空管販売業者の中には特性の似たものを選別する基準や過程の厳格さを宣伝する業者もある。選別の基準は同じバイアス電圧でプレート電流が接近しているということのようだ。つまりDC的な選別方法のようだ。真空管の出品で特性の揃ったものをと頼まれるのは、業者がこういう販売方法をしているからだろう。

 

 販売業者が特性の違いが大きいと言う場合は、それによって自分達の選別作業の重要性を強調出来るからだろう。そしてまたそれによって付加価値を大きく出来る(高く売れる)からだろう。

 

 ところで、揃ってるモノを、と言ってくる人は殆ど例外なく測定器を持っていない。この場合、選別されたと称するものをそのまま挿すだけとするならば、即ち挿した結果がどうなるかを調べる術が無いとするならばあまり意味は無いだろう。逆に測定し調整が出来る人は特性を指定することなど無いのが現実だ。 

 仮に揃っていると称するものを使ったとしても、その前段或いは後段の出力は揃っているのか?。
 
 回路というのは能動素子の特性の違いは或る範囲で許容しながら設計し、出来上がったら調整するのが普通の筈だ。揃っているからと言って挿してそのままというのは通常考えらない。

 

 結局、何を作ってもその結果を測定して検証するのでなければ、客観的な完成度を上げることは出来ない。タマの選別を他人に依存するより、自分で測れる状態になるのを目指すべきだ。

 

 こんなふうに考えているから、選別の要望が有っても、まともに取り組む気にはなれない。ただ、パワー管においては二本受注した場合はだいたい近似した(交流的に)特性のものを送るようにしている。

 

 厳格に揃ってるのが欲しい人はそういうものを提供すると称する店から買えばよい。

 

 これはタマの寿命についてのことなので全くの余談だが、私は趣味仲間が測定して渡して呉れるタマなら中古で十分で、新品ということだけの為に大金を投じる気にはなれない。

 

 第一、タマをやってる人では私の場合も含め歳の行った人が多いが、タマの寿命より本人の寿命のほうが短いかも知れないのだ。

 

 

 


 朝には紅顔夕には白骨となれる身也

 

  蓮如(浄土真宗中興の祖)

 

 

 

 

 

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レアケース/破損と不着について

2022年11月30日 | 取引条件とQ&A

 ヤフオクが始まって約20年になる。それ以前も売ったり買ったりはしていて、取引歴は40年くらい、回数は少なくとも10000は超えるだろう。

 

 資金と維持空間に限界のあるアマチュアがホビーのレヴェルを上げる場合、売買は必須条件と思う

 

 さて、そこで、破損や送ったものが着かないというのがどれだけ有ったかといえば、先ず破損については四度あった。一つはHPの初期のデジタルオシロで相当に重いものだった。30Kg近く有ったと思う。クロネコで随分大掛かりな梱包をしたが、それでも緩衝材が不足したと見えて破損の知らせが有った。あとはユウパックが二度(横河のメーターと小型のメーター)と定形外が一度だった。

 

 それぞれについて反省が有る。落札者から急いでと言われたことや運賃を低く抑えるため十分には余裕のない包装で送った。それで破損していたらしいが、それに懲りて急いでと言われても応じてはならないことや、十分な梱包が出来ないのに送ってはならないことを知った。

 

 真空管はMT管は新聞でくるんで送っている。当初は不安に感じられたが、今まで破損の知らせが一度だけあった。

 

 次に届かないというものだが、これは一例もない。2万円に達する場合でも普通の定形外で良いという人もいれば、500円程度でも配達証明付きでという人も居て、ヒトの感覚は実にさまざまだ。

 

 自分の住所を誤記する人も一例有ったが、これは電話を掛けて送り直した。

 

 以上要するに我が国の郵便事業は驚くほど正確に運営されている。

 

 よく、佐川は荷扱がどうの、クロネコがどうのと言う人がいるが、滅多にない不運に遭ったか、又聞きかのいずれかだろう。

 

 世の中には滅茶苦茶な梱包をする人がよくいるのだ。梱包が悪いのを棚に上げて荷扱が乱暴とかいうが、荷物は仕分け機械で弾く。

 

 私の知ってる流通業の幹部は壊れるのは荷主の梱包が悪いと放言していた。

 

 現状では日本郵便は定形外について不着や破損の補償はしない。不着や破損の心配が有るならその補償のある宅配便を利用したほうが良い。

 

 それは出品側の推奨や指定ではなく落札者の選択だ。

 

 これらのことは既知のこととして扱う。改めて注意喚起など要らないだろう。

 


 結論として:不着や破損は本当に滅多にしか起こらない。その極めて稀なケースを想定して説明文を長大化させるのも考えものなのだ。

 

 

 

 

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オークション取引条件補足

2022年11月30日 | 取引条件とQ&A
 
 私のヤフオク説明文は長いという自覚は無い。むしろ短いと思う。それでも、その短い説明でも読まないで質問してくる人が後を絶たない。小売りの世界に長くはないものの居たことがあるので、価格以外の事に殆ど注意を払わない人が居るのは経験している。長く書いてもあまり意味は無いのである。
 
 
 オークションの取引条件では数百回に一回しか無いようなトラブルを気に病み取引条件を長々と書く出品者が少なくない。


 曰く「神経質な人はお断り」「ジャンクの意味がわからない人はお断り」 などだ。


 然し「神経質な人」と言っても些細なことに拘る人は自分が普通、まともと思ってる。通じない。


 ジャンクの意味にしてみても、「これはゴミだ、ジャンクとゴミは意味が違う」という人もいる。
 
 ジャンク扱いと書く人も時折居るが 「ジャンク扱いじゃなくはっきりジャンクと書くべき」との応酬もある。


 人によって考え方は違う。常識も違う。


 私との遣り取りの中で「妻に聞いたら あなたが正しい と言われた」と言ってきた人も居た。夫婦が似た価値観で暮らしているわけだ。人はそれぞれの哲学で生きる。


 或る時期、体調が悪くなることが屡々有り、もう以前のようには続けられないと感じ、ほぼ全量処分を企図して100円開始にしたことが有った。百円開始でも高額になるのは稀ではないし、高額になるのが予想出来るのも有るので、低価格開始を以て全てノークレームノーリターンとし、間違った説明や著しい怠慢まで全て免責されるとは思わなかったが、100円開始でそのまま100円で落札され、或いは数百円で落札されても、説明不足とか、検品の怠慢という人が居るのも事実だ。
 
 それが落札者の思い込みや商品知識の不足による場合がある。また検品にしてもそこまでの注意義務が課せられるのかと驚き呆れる場合がある。


 苦情は大部分が低価格のもので起こってきた。


 我が国には、「お客様有っての商売」とか、「例え一円でもヒトサマからオカネを頂く以上」と言った考え方があり、それをジャンクの取引にも適用する、出品者にも求める人が少数ながら居る。
 
 封建時代の商人道徳観、観念的商業倫理観だ。

 勿論多い割合ではない。こういうごく僅かな人の存在を予測して、取引条件をくどくど長ったらしく書くのも出品者の不慣れや心配性を感じさせ賢明とは思えない。また長くなるほど読まれなくなるのも遺憾ながら事実である。


 そこで、ここでは低価格開始でも高額になった場合について記しておく。高額と言ってもその人の所得によって感覚は全く違うがそれを言えばキリが無いのでここでは高額とだけ言っておく。




 即ち、百円開始であっても落札者の感覚で高額になった場合は、著しい説明の誤りや甚だしい瑕疵の見落とし等では返品返金に応じる。返金は品代の90%(ヤフオクから課金されるので)とさせて頂く。
 
 送料については見解の別れるところだが、出品側の責任の度合いに応じてその都度、決めるということになる。
 
 何をもって著しい説明の誤りや甚だしい瑕疵の見落としとするかも見解の相違が起こり得るが、なんと言っても一年に一度もないようなことを細かく書いても仕方のないことだ。



 ところで、何故数百回に一回も無いようなトラブルについてクドクド書く人がいるのか?

 これは出品を何度もやらないと分からないかも知れない。数百回に一回の思いがけないクレームが忘れられないのだ。自分とは違う種類の人間に出遭ってつくづくイヤになる。
 
 世の中にはこんな人間がいるのか!!!???
 
 これで気の弱い人やウェットな人は出品を辞めてしまう。実際のところ、出品を長く継続できる人は少ない。言い換えるとモノを売るのに向かない人のほうが多いのだ。圧倒的と言って良いだろう。


 これは世の中には「いろんな人間が居る」と考えて割り切るしか無い。


 ヤフーの現状を見ると出品者(恒常的な出品者)より落札者が数的に圧倒的に多い。ビジネスライクに出品する大量出品者がいなくてはオークションは成り立たないのだ。


 或る時期から評価をしない人が増えたために評価数は実態を示さなくなった。100の取引が有っても評価は20は増えない。一つにはリピートが多いせいもある。
 
 ともかく、私の取引歴は恐らく10000に達するだろう。だが、それで忘れ難い苦情は片手に満たない。人からウェットと言われたことはないのでそれで続いているのだろう。








 
 
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真空管包装の注文について

2022年11月29日 | 取引条件とQ&A

 2万円近い真空管を普通の定形外で良しとする人もいれば、入手の容易な500円程度の真空管を1本だけでも宅配便指定する人もいる。取引歴40年を超えるとさすがに驚ろきはないが、価値観や感覚の個人差は大きいと思う。 

 

 これまでMT管を送って割れたといわれたのは一回きりである。確率にして千分の一は下回るだろう。

 

  何度も取引をやってるひとなら新聞でくるんだくらいでも割れることは絶無に等しいのは承知していると思う。それでも包装を丁寧にと注文つけられる事は年間で2~3回起こる。

 

 現行の定形外料金は規格内厚さ30ミリまでと規格外の2本立ての料金になっていて丁寧との注文に応じた場合は規格外で割高になる。

 

 場合によってはポストに投函できず営業時間内の郵便局への持ち込みとなる。

 

 MT管は普通ならポストへの投函で済む。あまりにも稀有なことのために余計な手間は掛けたくない。人は些細な手間であってもそれが無駄と思えば疲労やイライラを感じるものだ。

 

 こう書いてもそれでも包装を丁寧にと指示したい人はユーパックプラスか宅配便を指定してほしい。

 

 

 

 

 

 

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多極管の三結について

2020年12月29日 | 測定/オーディオ

 一般に多極管を三結する場合、プレート電圧はスクリーン電圧の上限迄というのが常識だった。もう技術雑誌を読まなくなって30年近くなるので、その「掟破り?」が有ったかどうかは知らない。

 

 ただ、何となく感じられるのは真空管時代の末期に発表された6RA8、50CA10、8045G等の三極出力管はいずれも多極管の内部三結だった。有名なKT88には準三極とも呼べるアルトラリニアーで600Vを掛けた動作例が有る。

 

 ということは、三結の場合、損失だけを考慮し、耐圧については放念してしまって良いのではないかとの疑問が当然に湧いて来る。

 

 もし、この考えで良ければ、あまた有るテレビの水平球は有力候補となって、オークションで矢鱈高価になる三極管(50CA10,6RA8等)は一顧だにしなくて良くなる。実に愉快ではないか。

 

 これは私のアイディアではなく、或るマニア氏が公表したものだが、残念なことに追試例が見当たらない。そこで天下の諸兄にお尋ねしたいのはこれを追試された人は居られるかということ。

 

 マニア氏によれば、スクリーン損失が激増するのは多極管接続においてプレート電圧が低くなった場合であって、三結においてそれは起こらないという。

 

 つまり、スクリーン電圧に上限が定められているのは耐圧がそれだけしかないというのでなく、それ以上にするとスクリーン損失が定格を超えるからということなのだそうだ。

 

 プレート損失だけなら50CA10を大きく超える球が幾つも有るから今後テストしたいと思う。同様の試みをされる人が現れると嬉しい。

 


 興味ある人は「ヤナギダ理論」で検索されると良い。

 

 私が25歳くらいのころ、つまり半世紀前、日本には空前のオーディオブームが有った。

 

 そのとき気づいたのは、皆の知識は本に書いてあることや、エライ先生の言ったことの受け売りで自分で確かめたり実験したりしている人は殆どいないこと、また理論を知ってる人も皆無に等しいことだった。

 だから、三結のプレート電圧はスクリーン電圧の上限迄というのもそれを実際に確認した人は殆どいないだろうことも見当がつく。

 

 この実験はさほど難しくないので近々にやろうと思う。

 

 

 

  

 

 

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アナログテスター

2020年04月22日 | 測定器の種類別解説



内外の高級テスター 写真上左端から順に:TRIPLETT 630NA二台 630NS
下左端から:SIMPSON269 シマヅMT-200 横河3201

(テスターについて)


 テスターというのは、乾電池を一個内蔵するのが普通ですが、これは抵抗を測った時にメーターを振らす為のものです。DCV或いはACVを測るときは、電池が要りません。自身にメーターを振らすエネルギー源(つまり電源)を持たず、回路のエネルギーの一部を寸借してメーターを振らす、即ち回路を大なり小なりかき乱すのです。回路のエネルギー量が小さいと、場合によってはテスター内部で使うエネルギーのほうが多いということにもなりかねません。そこで、所謂高級型のテスター(横河の3201等)はDCVを測るときの内部抵抗が1V当たり100KΩ(10マイクロアンペアの感度というわけです)のものもあります。然しながら、内部抵抗が100KΩ/VDCといっても、0.3Vを測るときの内部抵抗は30KΩしかなく、それで困る場合も有ります。
 ディジタルテスターの内部抵抗はDCでは電圧レンジに関わらず10MΩ一定であるのが多いですが、AC電圧を測るときは周波数特性が悪いです。このことがネックになる場合も有り、修理作業ではアナログ式のほうが便利な場合も少なくないのでやはりアナログ式のテスターも併せて有ったほうが良いです。

 これまで弄ったテスターは内外の物多数ですが、超高内部抵抗のテスターを実際に使用してみると、テスターの内部抵抗は高けりゃ良いというものでもないと思うようになります。指針が使用者の感覚に快適に(ここが大事)反応するのはまぁ50KΩくらいまでかなぁ、という極めて感覚的ではあるものの、そんな感じが有るのです。

 ついでながら、さんざん他社のテスターを使ってきて、初めて横河のテスターを持った人は、リード棒の指にやや重い確実な感覚を快く感じるのではないでしょうか。こういうことが分ってしまうと、測定器はカタログのスペックだけでは分らない要素の大きいのを知るわけであります。私はそうしたことを繰り返し経験した結果、国産の測定器を使うことは殆ど無くなりました。

 現在、国産の横河3201は内部抵抗が100KΩ/VDCで高騰しても10000円止まり、せいぜい5~8000円くらいで落ち着くので、出品者の条件によっては購入したほうが良いです。

 テスターが動作するかどうかはACに突っ込むだけでも分かるので、こんな簡単な機器でも動作不明などと言う出品者からは買わないほうが良いです。

 

 

 

 海外の高級機について興味が有るかたはお問い合わせ下さい。



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電流容量が未知のトランスの許容電流推定法

2019年06月18日 | 測定/オーディオ

 

電源トランスの容量とDCR



 私のブログは殆ど更新しないのに何故かアクセスが減らない。この理由がなかなか分らなかったが、どうやらこのトランスの記事が読まれているらしいことに最近気づいた。それならば、新しいデータを此処に書き込む度に日付を更新したほうが読者の利便に寄与すると思う。これによって諸兄は日付が変わっていれば内容が書き換えられている(主としてデータの増量)と思ってほしい。

 データ量は増大し続けているので、諸兄は電流表示が無いトランスでも、主として一次DCRを測ることによりおよその電力容量を推定できると思う。

 製造された時期は半数以上が20年以上前。
DCRは測定時期(室温)に拠り最大約8%の違いが生じている。
見易さを重視し6.3V/4.5AでDCRが0.03Ωの巻線が二つ有れば、6.3V/9A/0.015と統合表示する。
600VCT/100mAとは300-0-300Vで、センタータップ整流したときのDC電流が100mAの意味。

 DCRデータ

最終更新:2013/5/28





2000VA 21200g 0-100V/0.041 100V/10A/0.092 100V/10A/0.101

2000VA 8400g(単巻き)0-90-100V(0.265)-110-120(0.286)

710VA unkn 0-120V/0.184 700VCT/863mA/10.27 6.1V/12A/0.008 5V/6A/0.012

660VA 9800g 0-100V/0.204 0-100-220V/3A/1.204

520VA 11500g 0-115V/0.77 600VCT/420mA/18 650VCT/420mA/22.2

500VA 10300g 0-100(0.357)-110V 0-110-220V/2.27A/2.03

460VA 6300g 0-100V/0.42 26V/18A/0.042

450VA 8900g 0-117V/0.518 30VCT/7.5A/0.108 30VCT/7.5A/0.118

440VA 8000g 0-100V/0.349 0-220V/2A/2,263

432VA unkn 0-120V/0.604 600VCT/575mA/23.09 6.3VCT/9A/0.017 5V/6A/0.02

403VA unkn 0-120V/0.546 550VCT/575mA/19.20 6.3V/9A/0.015 5V/6A/0.019

403VA unkn 0-100V/0.5 380V/850mA/11 6.3V/12A/0.017 70V/60mA/6.6

386VA unkn 0-120V/0.546 650VCT/460mA/28.60 6.3V/9A/0.012 5V/6A/0.019

369VA unkn 0-120V/0.604 700VCT/403mA/33.57 6.3V/9A/0.017 5V/6A/0.016

360VA 5200g 0-100V/0.59  600VCT/0.6A/31.6

340VA unkn 0-120V/0.589 550VCT/460mA/26.81 6.3V/9A/0.021

311VA unkn 0-120V/0.789 650VCT/345mA/42.11 6.3V/9A/0.014 5V/6A/0.023

300VA 5150g 0-100V/0.59 0-100V/3A/0.942

271VA 5000g 0-100V/0.68 980VCT/200mA/99 540VCT/60mA/43 6.3V/5A/0.029 5V/2A/0.053

268VA 4540g 0-115/0.78 360VCT/0.5A/11 6.3V/14A/0.016

250VA 5600g 0-100V/0.532 0-25V/10A/0.047

240VA 4100g 0-100V/0.878 0-120V/1A/2.764 0-120V/1A/2.764

229VA unkn 0-120V/1.304 500VCT/322mA/42.43 6.3V/6A/0.03 5V/6A/0.022

200VA 4400g 0-100V/0.95 40V/5A/0.223

192VA 3300g 0-100V/1.87 660VCT/220mA/124 6.3V/4.5A/0.06 5V/3.6A/0.063

188VA unkn 0-120V/1.598 450VCT/300mA/36.87 6.3V/6A/0.029 5V/3A/0.043

183VA 4140g 0-100V/1.01 133V/0.95A/4.21 6.3V/8.4A/0.029 5.5V/0.6A/0.342

166VA 3400g 0-115(W)/1.8 900VCT/136mA/129 6.3V/4.6A/0.045 5V/3A/0.031

146VA 3450g 0-100V/1.678 0-135V/0.7A/6.17 6.3V/8A/0.025 32V/30mA/3.87

129VA unkn 0-100/2.29 290V/250mA/46.2 6.3V/9A/0.036

120VA 2800g 0-100V/1.746 12V/10A/0.033

113VA 3000g 0-100V/3.1 700VCT/100mA/298 6.3V/4.5A/0.054 5V/3A/0.078

109VA 1500g 0-100V/4.0 0-320V/200mA/102 6.3V/2.5A/0.182 6.3V/4.7A/0.105

106VA unkn 0-100V(2.37)-110 100VCT/1A/3.25 6.3V/0.5A/0.54 25V/0.1A/2.05

100VA 2600g 0-100/3.72 0-50V/2A/1.38

100VA unkn 0-100-120-140V/3.35 2000VCT/50mA/2080

97VA 2800g 0-100V/2.41 540VCT/100mA/180 6.3V4.2A/0.053 15V/1.1A/0.49

97VA 2080g 0-100V/3.01 0-135V/0.47A/13.44 6.3V/5A/0.049 30V/30mA/4.96

93VA 3000g 0-100V/2.67 550VCT/130mA/258 6.3V/3.4A/0.085

91VA 1800g 0-90-100V/3.8 700VCT/80mA/334 6.3V/3.5A/0.076 6.3V/2A/0.14

78VA 2900g 0-100V/2.92 600VCT/80mA/278 6.3V/4.7A/0.045

75VA 2400g 0-100(w)/3.3 235VCT/320mA/17.1

71VA 1530g O-100V/5.48 560VCT/70mA/316 6,3V/2A/0.167 6.3V/3A/0.107

69VA 2360g 0-115/4.04 1150V/60mA/512

69VA 1840g 0-100V/3.72 32VCT/0.8A/1.272 32V/0.75A/1.225 21V/0.9A/0.735

66VA 1840g 0-100V/4.18 12V/5.5A/0.087

62VA 1780g 0-100V/4.83 300V/80mA/139 6.3V/5.1A/0.042 1700V/3mA/6644

60VA 2000g 0-100V/4.7 3V/20A/0.006

56VA 1610g 0-100V/5.27 140V/0.4A/16.09

47VA unkn 0-100V/6.07 230V/110mA/110 21V/0.45A/2.86 6.3V/1.8A/0.203

42VA 1300g 0-100V/5.85 155V/50mA/110 36VCT/0.6A/2.7 7.5V/1.5A/0.24 6.3V/0.24A/1.22

41VA unkn 0-100V/6.47 280V/0.1A/107 6.3V/2A/0.214

38VA 1050g 0-100V/8.92 6.3V/6A/0.045

34VA 1270g 0-100V/11.4 580VCT/35mA/1011 6.3V/2.2A/0.218

31VA 1140g 0-100V/14.61 500VCT/30mA 6.3V/2.6A/0.148

26VA 1080g 0-100V/16.4 120V/0.11A/55 28VCT/0.45A/3.8

25VA 760g 0-90-100V/16.9 6.3V/2A/0.18 6.3V/2A/0.195

18.5VA 990g 0-100V/8 38VCT/0.35A/4.6 19V/40mA/10.7

16VA 1000g 0-88-115V/29,4 0-215V/0.03A/476 6.3V/1.5A/0.3

15VA 700g 0-100V/20.1 0-250V/20mA/576 6.3V/1A/0.332 6.3V/0.6A/0.5

15VA 480g 0-100V/35 0-30V/0.5A/5

14.5VA 630g 0-100V/19.1 0-28V/0.4A/2.34 0-18V/0.1A/6.1 0-30V/0.05A/10.1

14VA 400g 0-100V/45.7 9.4V/1.5A/0.606

7.4VA 320g 0-100V/54.1 13.8V/0.45A/2.507 12V/0.1A/4.8

7.2VA 290g 0-90-100V/84 0-24V/0.3A/5.2

6VA 1200g 0-100V/60 0-600V/5mA/1420 6.3V/0.5A/0.58

4.8VA 320g 0-115V/336 12.3V/0.45A/6.7

4.8VA 170g 0-100V/154 0-24V/0.2A/12

2.3VA 290g 0-100V/57 38VCT/60mA/38

400mVA 123g 0-100V/690 20V/20mA/53


前書き


 詳しい人は直ちに気付くと思う。私はこの方面に関してアマチュアに過ぎない。

 専門家は中古トランスの再利用の為に電流容量非表示の許容電流を推定するなんてアホな時間潰しをするワケが無い。メーカーが販売している新品を発注するか、きちんと仕様を指定して特注する。

 また専門家はこういうことに関して該博な知識を披露することも絶対にして呉れない。

 仮に自分が例えばトランスのプロだったとしよう。何かを言う為にはあまりに細部のことは一応端折って言わねばならないのが普通だ。あまり細かいと書くほうも大変だが読むほうだって大変だ。だが、端折ってしまうと、すぐ細かいところで詰まらない突込みを入れる輩が出てくる。そういう手合いに応答するのも面倒である。何もシロートに教えて得られるメリット等全然無い。

 プロが以上のように考えるのは分る。だがこれがシロートにとっては困るのだ。だから已むを得ず、浅学菲才を顧みず書く。世の中は知識が浅くともフットワークの軽い者が必要なのだ。

 こうして書いているのに個別のトランスについて聞いてくる人がいる。折角考え方や計算方法を紹介しているのだ。オンブにダッコの質問には付き合いたくない。自分でやり、失敗したら自分で尻拭いをする、という気構えが無ければホビーの上達は期し難い。かつて健筆を揮われ今は書かなくなってしまった或るライターの “やりたかったら自分でやりなさい” は私にとって感謝とともに想い出す終生の鞭撻だが、私も聞かれたら同じことを言う。 




 電源トランスは二次電圧が一つだけなら許容電流を推定するのはさほど難しくない。他のトランスと比較したり場合によっては実際に負荷試験をすることだって困難ではないからだ。しかし、二次が複数となると途端に難しくなる。これから先の記述は二次電圧が複数有る場合の許容電流を推定しようというものだ。

 さて、アンプを作る諸兄なら電源トランスを最低でも数個くらいは持っているだろう。電圧と電流が明示されているトランスのDCRのデータを、単に頭の中に記憶しておくのでなく、例えばエクセルのような一覧表形式に記入すると分りやすさが随分と向上する。表形式のデータを作ってみると巻線の1ボルトあたりの抵抗値と取り出せる電流には密接な関係が有ることが分る。だがそれは固定的なものではなく、トランス全体の容量によって大きく変動することが知れよう。

 例えばヒーター巻線を見て同じ 6.3V/2A としてあっても 500g、2Kg、4Kg のトランスではDCRは全く違う。しかしながら良く考察すれば、たいしてデータの多くない一覧表と以下に示す計算によって未知のトランスに出合っても大きな間違いがなく推定し得る。

 以下の計算ではトランスの全体の容量を推定するのが重要としている。全体の容量を推定し、次に計算で得た結果に拠って各巻線に振り分けるが、その計算結果にあまり強く縛られなくてよい。電圧電流が明示されたトランスを使う場合においても、全ての巻線の容量の大部分を使うなどの使用例は稀であろう。或る巻線で二割や三割程度オーヴァーしても、全体として表示容量の範囲に収まっていれば問題無い、というのがホビーの大先輩達の意見だ。最近はあまり見ないが古い製作記事では部分的に容量を超えてるような使用例はしばしば見たものだ。

 アバウトと思われるかも知れないが、こんな考えでさして問題は無い。だいたい、設計の段階でギリギリの決め方をしているのではなく、多少は余裕を見てるぐらいは想像つくではないか。

 このようにして知り得たトランスを使った場合、表面温度は通電後指で触って確かめておきたい。出品されれば必ず高額になるラックスの真空管アンプのトランスは夏季には熱くて触れられなかった。あれで見るとコゲクサイ臭いがしなければ一応は良しとしていいのかも知れない。測定器を持たずにアンプを組み上げる人はせめて、異常音、ニオイ、変色が無いかは注意しよう。


(測定法)


 先ず巻線のDCRを測る。高圧巻線はテスターで分かるが一次巻線は中型以上ではDCRが少ない。二次側の低圧巻線は更に少なく100mΩ未満の場合も多いのでケルヴィンブリッジ(わが国ではダブルブリッジと呼ぶ習慣)か低抵抗計で測る。中級以上のディジボルでは四線式という方法で低抵抗が測れる。低抵抗が測れないと以下の計算が出来ないのでこれ等を入手するか、巻線にDC電流を流してその電圧降下を見るなどの工夫によって何としても測れるようにする。

 インターネットを見ていると低い抵抗の測定法は多くの人が書いてくれている。きめ細かさに欠ける私の記述よりもそちらを読んで欲しい。

 次に供試トランスの全体の容量を推定する。これは一次巻線のDCR(以後Rpと言う)と及び二次巻線のDCRを一次の電圧で換算した値(以後Rsと言う)の合計で推定することになる。重量は同じ容量でも物により二倍もの大差があるので補助的要素と考える。


計算実例/その1


 トランスの二次巻線が複数有る場合のそれぞれの電流容量を推定してみよう。

 下記のようなトランスを例に取る
 バンド型 重量:3030g
  一次:0-115V(Rp=2.24Ω)
  二次:630VCT (74.1Ω)
     6.3V(40ミリΩ)
     5.0V(40ミリΩ)

 二次巻線のそれぞれの電圧とDCRをを一次電圧に換算して置き換える。これは “銅損” を計算するときの良く知られた式だ。
 
   (115/630)^2×74.1=2.47
   (115/6.3)^2×0.04=13.33
   (115/5)^2×0.04=21.16  

 この3巻線は一次側から見れば並列なので、全体としては 1/{(1/2.47)+(1/13.33)+(1/21.16)}=1.896(Ω)となる。

  即ち先に述べた Rs は 1.896Ω となる。

 各巻線の電力容量は上記の各抵抗値に反比例すると考える。これは直感的にかなり分りやすくはないだろうか? 以下の計算から 630V巻線は全体の76.8%、6.3Vは14.2%、5Vは9%となる。 

 1.896÷2.47=0.768
 1.896÷13.33=0.142
 1.896÷21.16=0.09

 ここで全体容量をRpとRsの和から120VAと決める。

 この決め方は冒頭の一覧表を参照して欲しい。

 630V巻線の容量は120×0.76.8=92(W)となりブリッジならAC146ミリA、センタータップ両波整流ならDC146mA程度と考えられる(メーカーによりこれより多い計算が有り、この箇所は検討中)。 同様にして6.3Vは2.7A 5Vは2.2Aとなる。

 全体の容量を120VAとするのが不安ならば下げればよい。各容量は同じ割合で下げれば良いだけだ。

  計算では全体容量の推定が重要だ。多くのトランスのRpとRsのデータの蓄積が有ればそれは容易だ。それを考慮して冒頭に一覧表を出している。

 電圧/電流/DCRが分ってる場合、電流あるいはDCRのいずれか一つを未知と仮定して計算練習を繰り返しているとだんだん精度が上がってきて未知のトランスに出会っても大部分推定出来るようになる。


計算実例/その2



 その1では直感的な分りやすさを重視して計算が長くなってしまったが、実はもっとラクに出来る。それを以下に示す。

 630^2/74.1(即ち二次電圧の二乗を直流抵抗値で除する)=5356
 6.3^2/0.04=992
 5.0^2/0.04=625

 以上の和を求める 5356+992+625=6973

 630V巻き線の容量は5356/6973と考えればよく、答えは0.768となる

 同様に6.3Vは0.142 5Vは0.09  となって その1と同じになる。

 後はその1と同じようにやれば良い。



補足1、RpとRsは等価的に直列となり、その和(以後Rcと言う)とトランスの許容全負荷(抵抗値で示され、以後RLと言う)との比はトランスの大小により変動する。我々アマチュアが扱うものはRc:RLが1:20くらいが大部分だがその辺りを中心に大きく動き小型のものは1:10未満、大きいものでは1:50以上にもなる。その関係をまだ把握出来ていない。実用的に問題ない関係が分り次第記述に追加する予定だ。

補足2、計算実例/その1では Rp>Rs だった。米国製のトランスは意外にこのタイプが多い。国産は普通はRp<Rsの場合の方が多い。また、Rp≪Rsの場合もある。これは一次側が単巻きのステップアップに使われるような場合にしばしば見られる。

補足3、実際に使用される電流よりも計算で得られる電流容量が5割も大きいような場合は少なくない。これは米国の測定器から外したトランスにしばしば見られる。トランスのみならず真空管やその他の部品においても甚だしく余裕を持たせた使い方に出会うことが少なくない。例えば5Y3で間に合うのに5AR4を使ったり、プレート損失20Wも有れば十分のところに6550を使ったり等の例は何度も見た。国産や欧州のものではそのようなことは少ない。

補足4、トランスの容量の表示にはメーカーによってVAと有ったり、Wと表示したりあるいは記載が無かったりする。理由は分らない。

補足5、唐突に 銅損 なる術語を持ち出して誠に申し訳ない。実はトランスには 銅損 と呼ばれるものが存在するが、加えて 鉄損 というものも有る。これがなかなかどうして、決して少なくないのだ。
 鉄損は負荷によっては変わらずサイズで決まる。つまり大型になるほど増える。と言って小さいのを使うと温度が上昇し銅損が増える。かくしてオーディオというのはCO2削減に非協力的なホビーなのである。 


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6GA4シングルステレオアンプ

2019年05月13日 | 評論ーホビー

  昔造ったアンプ 4A32,4BC5、SS5B2.5のラインナップだった。


 ラックスのLのマークが全て中心に向っているのを褒めてやって下さい。それだけしか取りえ無し。


 タマは12AX7-6GA4。


 測定器が見えるがこのアンプを創った頃はテスターだけ。

 テスターの内部抵抗は?と聞かれて「それ何?」というレヴェルだった。後で4KΩ/VDCと分かった。


 二現象オシロが登場したのは50年以上前だが、何で二現象が必要なのか分からなかった。ステレオだから二現象必要なのか?と真面目に考えていた。


 もっとも、遅延掃引付き二現象オシロを分かって使ってる人にはあまり会ってない。

 





















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評価謝絶について

2019年05月13日 | 取引条件とQ&A
評価謝絶について


 いつの頃からか評価したりされたりすることが個人情報に関わると言いだす人が現われた。それかあらぬか落札しておいて評価を謝絶したいと申し出る人もそんなに僅少というほどでもない。

 何でこんなことを言うようになったのか。一つ考えられるのは買ってすぐ転売するのを知られたくないということだろうか。これはしかしモノの移動は所有者の自由であり、他人の容喙を許さないことと割り切れば済む話だ。農林水産業でもない限り普通は抱えてる時期の長短は有っても多くは転売だろう。

 個人情報の保護とは当該個人の特定を防止するのを指すのである。取引に関わる者同士は知らないで取引するのは困難だが、それ以外の第三者は知り得ないのであるから、評価の交換が個人情報に関わるという理屈はよく分らない。それを押して、評価したりされたりが個人情報と言うのなら、入札しあるいは出品するのだってその人たちの言う個人情報に当たるわけではないのか。個人情報の定義を無闇に膨張させたい人の気持は理解しかねる。

 伝わってくるのは、理解しにくいが何か些細なことを気に病んでいるらしいこと、また、消極的閉鎖的な心の姿勢だ。なぜそれほど閉ざしたいのか。

 評価を寄越さない人の多いカテゴリーが有るようなのは大分前から感じている。オープンマインドのホビーとクローズドマインドのホビーがあるようだ。これはそのホビーの展示会等に行っても感じる。

 クローズドマインドのホビーでは腕組みしてる人が多いね。

 落札した場合、発送の知らせを評価の形でして来る出品者には、それが大量出品の業者である場合には事情が分るだけに仕方無いと思うが、週に2~3点くらいしか落札されない個人がそれをやる場合は違和感を禁じ得ない。


 また、あまりに雑な梱包の為に一部破損して届くような場合、例えば大きな機械を単にプチプチを1~2回巻いただけで送ってくる出品者(大都市のリサイクル業者にときたま見受けられる)には評価したくない場合もある。

 他方、落札された場合、書いてあることを殆ど読まなかったり、代理入札などで連携が拙く、無用のメールが幾度も行き交った場合は、非常に良いの評価をして来られたりすると、こちらも評価を返さねばならないのかとウンザリするのが正直な気持ちだ。

 このようにしていろんなケースがあるのだから、評価の交換は実情に応じて、つまりその気になったらやればよいので、最初から十把一絡げにやらないことに決めるというようなのは賛成しかねる。
 
 こうは言っても人それぞれだ。理解出来ない考え方に出遭いたくないので、評価謝絶の人は態態断りを要せず、単に評価を寄越さないで呉れればそれで足りるということに断り書きを変えた。


 かくすれば落札者が評価について賛成出来ない考え方をしていても知らずに済む。モノが移動するだけでよく他は一切関係ないという発想はちょいと淋しいが、それが現実なら已むを得ない。


 小学生の時から人の考えを変えたいと思わなかったが、それは今も変わらない。

 

 


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誤植/もしくは書き間違い

2019年05月11日 | 評論ーホビー

 

誤植/もしくは書き間違い


 以下は30年くらい前の話

 秋葉で青年がタマのアンプの部品を買っていた。真っ直ぐ海神無線に行けばよいのにその店は生憎と親切ではなさそうだ。あまりにたどたどしいので見かねて回路図を見せて貰った。マラード型で共通カソード抵抗の代わりにペントードが使われている。その回路定数が一桁以上違うのが一見して分った。

 此の通り創ればまずいので製作者に聞くようにと言って別れた。後日の青年からの電話では、製作者は“こういう間違いにすぐ気がつかないようじゃぁ駄目よ”と言ったらしい。製作者は私の敬愛する人なので笑ってしまった。

 後日この話を或るオーディオマニアにしたら“あの先生がそんなことを言うとは思えない、回路図は正しく書く義務が有る筈だ”という。これは、初心者の典型的な反応だ。

 以前見た記事でパワー管のカソードがアースに落ちていないのが有った。制作費の相当に掛かるアンプだった。それをその通り作った人がいた。当然動作しないので雑誌社に聞いて誤植が発覚したらしい。その話は間違って申し訳なかったという話ではなく、それほど分らない人もいるのか、という笑い話になっていた。回路図頼りで作る人は憤慨する話かもしれない。

 製作記事に誤植はつきものだ。然しその間違いは殆どの場合一見して分る。ラックスのカッコイイ高価なトランスが作り損ないで駄目になってるのを幾度か見た。いきなり高価なものをやらず、安いもので稽古したらどうだろうか。



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gm測定説明の補足

2019年05月10日 | 測定/オーディオ

 gmの測定原理について補足


 タマの内部抵抗rpと負荷抵抗RLは何故並列か。

 真空管の増幅回路では A=gm×(タマの内部抵抗rpと負荷抵抗RLの並列合成抵抗)という式が何の説明もなしに普通に出てくる。

 全日本真空管マニュアル(ラジオ技術社)にも説明なしで出てくる。

 大学でエレクトロニクスをやった人には説明不要で通り過ぎることが出来るが、普通の人はここで躓くと思う。

 だって回路図はどうみても負荷と真空管の内部抵抗は直列になってるように見えるではないか。

 真空管回路を分からなかった私も此処で躓いた。

  確かに負荷と真空管の内部抵抗は直流的には直列だ。

 だが、交流的にみると、負荷及び真空管に行く電源はDCであって、それは若干の出力インピーダンス(低抵抗が直列に繋がってるとイメージすれば良い)はあるものの、一応ゼロと見なす。つまり、アースと見なすのである。

 真空管のカソードもアースまたはアースに近いし、直流電源もアースと見なせるので、結局真空管の内部抵抗と負荷は並列となってしまうのだ。


 エレクトロニクスでは直流的にはとか交流的にはという表現がよく出てくるのでこれは慣れていただきたい。

 

 

 電源インピーダンスとは何か

 電源から電流を取り出すと電圧は通常下がる。

 これは電源に直列に抵抗が繋がってると考えることが出来る。

 真空管回路で低抵抗をプレートに負荷し、抵抗に現われる電圧をプレートで測ると負荷抵抗と電源が持つ抵抗の併せたものを測ることになる。これはまずいのだ。そこで誤差が大きくならないように負荷抵抗は大きいほうが望ましいが、そうなると内部抵抗が低い球の場合にめんどくさくなる。

 

 余談だが、球のアンプは電源インピーダンスが高いほうが音が良いという人がいる。勿論ケミコンをどんどん増やして低くしたほうが良いという人もいる。


 この辺はお好きにやって下さいという他ない。

 

 

 

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アイディアの考案者

2019年05月04日 | 評論ーホビー

アイディアの考案者


 今までに作られたプリアンプでマランツ7くらいカッコイイのが有っただろうか。ラックスの38Fdはこれの真似だが、やはりオリジナルのほうがカッコイイ。

 誰もが再度売り出されないかと望んでいたと思うが、或るときキットが発売された。

 その後の話である。“アレはオレのアイディアだ”と言う人物に会うことが三度会った。それぞれ別な人である。

 そのうち一人は話の始まりが体調の不良を訴えることから始まる人で多分誇張だったと思う。他の二人も信用出来ない。世の中案外こうしたものだ。

 ケネディー大統領は、成功には100人の父親が名乗り出て失敗には孤児となる、と言ったがまぁそのようなものだ。
  
 私の思いついたアイディアが有る。私の居たところで始め、半年くらい経ったら ヨドバシ が模倣した。

 “天下のヨドバシ” が真似してくれたか!。素直に嬉しかった。その後多くの家電量販店がそれに倣った。
 

 そのアイディアも、私じゃない誰 かが 「アレはオレのアイディアだ」 と言ってることだろう。




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