好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

EP37 武田季美子編(JC第21・22巻)考察。

2022-07-28 | 『シティーハンター』原作考察
『セーラー服パニック!』

1話だけ気軽に読むには、寧ろオススメのエピソード。
富豪の確執あり、時を超えた純愛あり。
シティーハンターってこういう話だよねという、世間のイメージが分かりやすく描かれている。

だがしかし。第1話から一気に通して読んでいる今の自分には、どこか違和感がつきまとう。
語弊を覚悟で述べれば、獠が“幼い”のだ。
あるいは、“青い”と言ってもいいだろう。
特に、この度のゲストキャラ・武田季美子と接する場面で。

今まで18歳未満の少女キャラは、竜神さやか、松村渚、麻生かすみ(初登場)……と多く登場している。
彼女らと関わる獠は、どちらかというと父性的だった。
それが、この季美子編では変貌している。
憑き物を粛々と落とす「導師」から、自らも共に足掻く「同志」へと。

こうも獠のポジショニングが動いた理由の一つは、青年誌の台頭という時代背景がまず大きい。
結果、少年漫画に求められる「ヒーロー」は「成人」から「青少年」へ移ったのだ。

今一つは、前話『立木さゆり編』を経た香の、飛躍的な成長にある。
彼女は、確実に一人前に、平時における獠の保護者のような立場にまで達した。
「この依頼受けますいいですね!」「はい……」
という下りなど、隔世の感さえおぼえる。

かくして二人は、ついにほぼ対等な関係に至った。
が、そんな安寧な時間は、間もなく終わるのだ。

それでは。また次回。

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