『アンティークタミゼ・スクラップブック』

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「かみのいえ」に目を通してから、この1冊に触れると改めてこの店主の審美眼と知識というのはすごいなぁと思わされます。

昔、友人が、「あの人の眼が欲しい」と言ったことがあって。

その言葉を聞いてものすごく共感したわたし。

そして今回、本書を通して改めて私も「吉田さんの眼がほしいなぁ」と思ったり。




吉田昌太郎(著)/『アンティークタミゼ・スクラップブック』

この本が発売されたのは2012年12月。

約10年前なんだけど、今、ページを開いても著者の吉田さんのスタイルは一貫していて軸がぶれていないことがよく分かります。

本書は、最新の「かみのいえ」に比べて、テキストも多く読み応えもあり、それでいながら骨董・古物に詳しくない人へも理解しやすいように言葉使いも優しい。

しかも、吉田さんセレクトの品々の解説や、モノ選びにまつわるストーリー、あとは内装デザインを手がけたお店も記録されてい流ので、ビジュアル面で何かヒントが欲しい人にとっても役に立つ1冊だと思います。

その上、やっぱり興味深いのが彼のモノとの向き合い方やその価値観。

とある蚤の市で見つけた「ペチャンコになった錆びた針金」を広げてオブジェにしたり、古本のページの折り紙のように折ってまるで別の作品にしてみたり。

一見、役目を終えたように見えるモノも、新たな目線で少し手を加えることで、またそれらが息を吹き返す。

その価値の生み出し方というのが、本当にお見事で、こういうことが「センス」なんだろうなぁと。

っていうか、ここまでその経験と知識とオープンにされて、結構な種明かしまでしてくれているので貴重な文献なのかも、この本。

でもまぁ。

読んだからって同じようにクリエイティブなことを再現できるって話ではもちろんないんですけどね。

そんな感じです、ではまた。


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