※ 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

『ODD TAXI』感想

衝撃でした。面白い。一気見した。

 

「オッドタクシーはなんかすごいらしい」と聞いたのがきっかけで視聴。ミーハーです。

淡々と不穏な日常が続いていって、正直3話までフーンて感じでみてました。4話の田中革命から「キャラクターの掘り下げがすごい」と感心してそっから引き込まれてしまった。あれは紛れもない半生だった。3話までみられたのも、小戸川が女子高生事件に関わってるのか?というところと、陰で偏屈なタクシードライバーがヤクザや怪しい人たちと軽妙に接するのか?全てイマジナリーなんじゃないか?と怪しんでいたから。(俺はしがないドライバーだけど闇の世界とも渡り合ってしまうんだぜな憧れ世界を作っていたのかも・・・と想像していた)←これは考えすぎだったけど、派手な盛り上がりもない中視聴を続けられて良かった。OPが良いので聞きたかったというのも強いかも。

 

小戸川の全く知らないところで命を狙われたり、10億円当てた若者が慕ってきたり、白川さんとどんな関係になるのか、美人局の件は何なのか、群像劇のそれぞれが個性的でここから収束していくのか想像つかなくてただ行く末を見続けるしかできなかったけど、最後にはエンドらしいエンドが待っていて良かった。そのエンドはまさか1ミリも予想してない展開で、ゾワッとさせた余韻を引き摺らせる表現はもう作品としか言いようがない。

みるのを迷ってる人はみた方がいいし、途中で飽きたらやめればいい。youtubeのオーディオドラマはみなくてもいいし、最終回から聞いても楽しめる。

 

 

 

真実は、小戸川の病気が明かされて世界の写し方が変わってからなんだろう。小戸川の回想でセイウチになったいきさつが明かされて、自分がみていたオッドタクシーの世界は、本当はこれだったを突きつけられてから「ワア・・・アアア・・・」とこれまでとの差にくらくらしてしまった。どこまで本当で、どこから嘘で、どこが存在していないか、やっとわかってからストーリーが繋がっていく感覚になったので、これはまた1回目からみて楽しめるアニメなんだなと思った。今流行りの考察にばっちりハマってる内容。リアルタイムでみてたら毎週あーだこーだとSNSで言えただろうね。私は一気見したので、考える間もなく次へ次へとみていた。

 

本編ではみんな動物で登場するから後ろ姿で誰だかわかるのは当然で、ditch-11のアイコンがドブだとわかるのも「そらそうでしょう」だったのが、ああそれすら伏線になっていたのは「やられたーっ」と思ったし、脚本がすごい。すごいちゃんと作ってる・・・(語彙・・・)

 

オッドタクシーはアニメないしは漫画表現がベストで、実写になるべきではないんだろうなと思った。終盤までは不穏などうぶつの森という感じで、死体の処理すらふんわり表現されていたものが、いざ人間のデザインになった途端すごく現実的になって、機能不全家族とか、滅多にない家族でのドライブとか、身につまされる気持ちになるのは表現の力なのだなーと思った。視聴者側でアニメ表現に慣れ親しんでいる下地があるからこそ、ギャップを感じたり硬派な脚本に色めきたったりするってのもあるのかな。

 

吉本芸人が多数声優で出ているのも、みる前は「どうなんだろうなー」と思っていたけど、(アニメ映画のゲスト声優のイメージ)プロっぽくない生の声が味になって良いなあなんて手のひらを返し返しすることになった。特にインフルエンサー樺沢太一なんかは、世間から浮ついてる感じ・考えなしに突き進む感じ・失うものがない無敵の感じが若干棒の声と合っていてとても良かったと思う。

剛力、柿花、呑楽役はプロの声優なのですごく感情豊かで達者。アニメっぽい。それにひきかえ芸能人の声優はプロっぽくはない、というよりアニメ声らしいものではない。その橋渡しで誰とも関わりを持つ小戸川がまるで中間のような声の雰囲気で、全員を違和感なくまとまるのが見事だなーと思った。

 

アニメをみてからオーディオドラマを追ったけど、濃すぎてびっくりした。最終話に繋がっていく内容でその続きが語れることがないところも、もう映画じゃん!小説じゃん!と盛り上がってしまった。

【#オッドタクシー​】オーディオドラマ第1.3話「幸せのボールペン」

 

みて良かったです。