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映画『火口のふたり』感想

アマプラで観ました。

予告編から、ストーリーも映像も艶かしくて、こんな映画みていいのかなって思うくらいでした。

 

結婚式を控えたナオコが田舎に帰ってきた。いとこのケンちゃんは式に出るために里帰り。学生時代、猛烈に愛し合ってたふたり。「今晩だけあの頃に戻ってみない?」というナオコだが。。という話で、ふたりの『あの頃』がすごく激しくて美しくて眩しかった!

もちろん浮気は良くないけど、社会通念を取っ払って、したいことをする、溺れる感じが日常を感じる非日常で、「いいですねえ・・・!」と思わずにいられない。

映画のふたりのように、若い頃行為に明け暮れた人にはすごく刺さる映画だと思います。あんなに愛し合っても結婚に繋がらないのは残念ではあるけど、実際そういう人ばかりだしだからと言って不幸でもない・・・という人物像がリアリティあってすごく引き込まれました。

 

途中、ナオコが「ケンちゃん子供いるじゃん」と発してから、物語にすごく深みを感じて、私この映画好きだな、と思いました。

それまでは”結婚式を控えたナオコ”と”無職のケンちゃん”くらいの解像度だったんだけど、”無職のケンちゃん”に”バツイチ子あり”が追加された途端、「当時田舎で騒いだだろうな〜!」とか、「ナオコの気持ちは・・・」とか考えてしまったし、私のケンちゃん像が歪んで上書きされる感覚が良かった。

アウトサイダーみのあるケンちゃんとまた熱くなって道を外れることに、より背徳感を感じるというか・・・。

 

震災の話は唐突な感じがしたけど、2011年より後を生きる大人にとっては切り離せないことなのかもしれない。私は震災に関してはケンちゃんの言う『他人事』の立場なんだと思う。関東に住んでいて被害もなかったし。だから唐突だと感じた。

舞台が秋田ということもあって、隣県での甚大な被害を目の当たりにしていたら思うことがないなんてありえないし、ナオコにとっては日常が震災と地続きなのは自然なのかな、と思った。同じ日本に住んでても、戦争のこととか、震災のこととか、意識がまるで違うことはありすぎる。

 

「結婚しよう」とか「駆け落ちしよう」とか、そんな言葉よりも・・・「中に出したい」が一番ぐっとくることに気付かされてしまってつらい。私は人生で『体の相性』というものを実感したことがないので、本当に存在するのか、ファンタジーなのかわからないけど、もし存在したとして、そういう相手と巡り会えて求め合えるっていうのはロマンチックだなあと思った。良かった。

 

本編ではR 18となってるけど、アマプラ上R 15になってるの、あのクソデカモザイクのせいだったら良くないな!