今回の冬はここ数年でもかなり冷え込みが厳しく、帰宅後冷え切ったオーディオのある居間には向かわず寝室に直行する日が増えてしまっている。今日土曜は久しぶりに午後の時間が空いたのでアンプに火を入れてみた。アールグレイを片手に針を落としたレコードは、ゴールウェイとデボストのデュオによるテレマンのソナタ。1975年の録音で、ゴールウェイがベルリン辞めてソロで活動し始めた頃の録音らしい。以前中古屋から買ってきてなぜか聴くことのないまま忘れて放置していた1枚。エアコンで乾燥しきった空気のせいか、静電気によると思われるスクラッチノイズがやや気になるが、アナログにしては比較的定位のしっかりした録音で、穏やかなアンサンブルが眼前に拡がる。ん?穏やか?これほんとにゴールウェイ?低音域の豊かな倍音はやはりゴールウェイを思わせるものだが、オケやソロで吹いている時に魅せる彼のフルートを超えた輝かしい響きは、この録音ではしっとりとして抑制された大人のアンサンブルに昇華されている。恥ずかしながらデボストの演奏は初めて聞いたが、芯の通った太い響きはこれも聴いていて心地よい。豊かな時間。寒さに負けずにもう少し音楽を聴く時間を作らなくちゃな。
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