サン・サーンス ピアノ協奏曲第4番 名人コルトーと40代のミュンシュが奏でるフランスの粋 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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最近、フォーレやフランクの音源をいくつか手に入れ聴いていたのですが、そう言えばほぼ同じ時代のフランスの作曲家のサン・サーンスは、名前こそ中学生くらいの頃からよく知っている割に曲はあまり聴いていないな、などと思いました。音源を持っているのも「動物の謝肉祭」と交響曲第3番くらいかな。いや、あれっ・・・、「動物の謝肉祭」も持っていませんでした(笑)

 

大分前に、ピアノ協奏曲第4番を聴いてちょっと気になっていたのを思い出しYouTubeで検索してみたのですが、UPされている動画もあまり多くはないようで・・・。

 

そんな中で見つけたのが冒頭に掲載した動画です。ピアノがアルフレッド・コルトー、シャルル・ミュンシュ指揮ロンドン交響楽団の演奏で1935年に録音された音源です。最初の方でちょっとだけチリチリと言ったノイズが耳に入りますが後は録音年代から考えると驚くほど綺麗な音で聴くことができます。ピアノのタッチもオーケストラの息づかいも生き生きと再現されていると思います。

 

コルトーのピアノのセンスの良さ。やはりフランスの音楽にはこんな洒脱さ、というかセンスの良さが必要なんだよな、なんて分かったようなセリフをつぶやいてみたりして(笑) よくフランスのエスプリ、なんて言葉が使われますがそれが意味する物を言葉で説明するのはたぶん無理なのだろうと思います。このあたりの時代のコルトーやティボーなんかの演奏を聴くのが一番なのかも知れませんね。たしか内田光子さんだったかがコルトーの演奏を評して言っていた、とっても敵わないと思う「スケベな爺さん」の本当にたまらない魅力がこんな所にありそうな気がします。そしてまだ若々しさも残るミュンシュの指揮ぶりもなかなか良い感じ。

 

フランク、サン・サーンス、フォーレ、ドビュッシー、ラベル、とフランスの作曲家を並べていくと、私はどうもドビュッシーには今ひとつ馴染めないものを感じています。淡い色彩感などドイツ音楽とは一線を画したフランス音楽らしさはきらいではないのですが、なぜかドビュッシーの音楽はすんなりとは共感できない物があるようなのです。ラベル、フォーレは好きですが、それよりもあまり多くは聴いていないのですが聴いた曲に関してはサン・サーンスは一番すっと入ってくる感じがします。もう少し続けてサン・サーンスの音楽を聴いてみようかな。そんな気がしました。

 

 

サン=サーンス/ラヴェル:ピアノ協奏曲集(コルトー)(1931, 1939)

フランスのピアニスト、アルフレッド・コルトー(1877~1962)が、自国フランスの協奏作品を演奏した録音を集めたCDです。1930年代、コルトーが60歳前後の円熟期の録音ですが、なかでもサン=サーンスとフランクの録音は、当時はその規範となるべきものと見なされたものです。コルトーのピアノの師は、フランクの交響的変奏曲の初演者ディエメでした。かれは師の遺風を継いでこの作品を愛奏、2回録音しており、このCDはその2回目の録音です。サン=サーンスとラヴェルでは名指揮者、ミュンシュとの共演を聴けます