そえだ信「赤ん坊の起死回生」第三章第151話「赤ん坊、方策を練る 4」 苦渋の決断 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります

 

そえだ信「赤ん坊の起死回生」、11月18日夜第三章第151話が公開されています。

 

『隧道の出口のところで膝下程度の高さに紐を横に渡し、勢い込んで走り出てきた兵たちを躓かせる、ということはできないか。外側両脇に数名の兵を潜ませておき、先頭が出てくるタイミングを計って地面に這わせていた紐を引き張る、という方法なら、事前に気づかれにくいのではないか。

 大軍が密集して殺到してくる状況の中なら、将棋倒しで向こうの被害を大きくするという希望も持てるかもしれない。

 そんな提案をすると、子供騙しと一蹴されるかもしれないという予想を他所に、騎士団長の熟考に迎えられた。

「……わずかながらにせよ、効果は望めるかもしれぬな」』

 

時間も無く、連絡手段も限られている中で効果的な案もなかなか出てきません。

 

そうしている間にも時間は過ぎていきます。

『すでに考えられる布陣についての指示がされているとはいえ、今も考えたような「追加作戦」については、かなり実現が限られる。よほど分かりやすく簡潔な指示をするしかないだろう。』

『やがて、宰相から使いが来て王太子と騎士団長は会議の場へ向かった。』

 

三公会議の決定は徹底抗戦でした。

 

これは、まず最初に敵と当たる三千の兵にとっては死刑宣告に等しい決定でした。

王太子や宰相にとっても苦渋の決断と言うほかありません。

 

やれることはすべてやる、と言う方針で戦術が検討され鳩便で送られます。

朝を迎え、

『騎士団長は身の周りを片づけて立ち上がった。

「それでは、私は現地に向けて急行いたします」

「うむ、頼んだ」

「武運を祈る」

王太子と宰相の言葉を受けて、逞しい後ろ姿は足速に退室していった。

 父と僕は、無言でこうべを垂れるのが精一杯だ。』

 

 

 

●「赤ん坊の起死回生」第一章目次リンク

 

●「赤ん坊の起死回生」第二章目次リンク

 

●「赤ん坊の起死回生」第三章目次リンク

 

 

そえだ信のもう一つの連載小説「君に、最大公約数のテンプレを ――『鑑定』と『収納』だけで異世界を生き抜く!――」。こちらも注目!

 

 

 

 

そえだ信「臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい」

「掃除機探偵の推理と冒険」に続きこちらもよろしくお願いします。

4編の倒叙ミステリーからなる連作中短編集。ユニークなキャラクターが魅力的です!

 

ツイッターに感想がよせられています!

 

「昨日の予告通り、そえだ信 さんの『臼月トウコは援護りたい』の感想を、ブログにアップしました。 もうちょっと素直に読んでも良かったかも、という気もしないでも無いですが、私のようなヒネクレ者にも楽しめる、良い作品です。」

 

 

「そえだ信「臼月トウコは援護りたい」面白かった。 被疑者の無実を証明しようと証言を剃ればするほど、被疑者のアリバイを崩していくキャラクターにまつわる、すっきりするミステリ短編集!」

 

「掃除機探偵面白かったので購入。 完璧なアリバイを用意して犯行に及んだ犯人たち。雇ったばかりの臼月トウコの援護によって追い込まれていく連作倒叙ミステリ。 風変わりのキャラと独創的なトリックの面白さが際立っていて、楽しめました。」

 

「「臼月トウコは擁護りたい」、読了!倒叙モノの醍醐味の一つに犯人の焦燥感があると思うのですが、本作はこれが思う存分に楽しめて良いですね。使えないバイトとして犯人の目の前に出現する上に、自分の犯罪の弱点はきっちり刺してきて、クビだ!!!にいたる様式美が好き。ドラマにも向くのでは?」

 

「『臼月トウコは擁護りたい』読んだぜ。 北海道(主に札幌)を舞台にした連作倒叙。犯人が上手く警察の追及を避けられたかな、ってところにふらりと「そうですよーこの人が犯人なワケないじゃないですかー」と加勢しに来たかと思ったらスーパー余計なことを言って急転直下事件を解決しちゃう臼月さんは」

 

 

こちらで第一話全文無料で読めます。

 

 

 

 

 

 

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

 

 

文庫版「掃除機探偵の推理と冒険」発売中

 

 

 

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

解説者は、辻真先さん。とても素敵な解説でした。ぜひご一読下さい。

 

 

 

 

 

そえだ信、いよいよ国際的作家に?(笑)

 

タイの次は、台湾、でした。