ピーター・フィリップス指揮タリス・スコラーズ 創立50周年記念盤 シェパード: ミサ・カンターテ | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります

 

今日はピーター・フィリップス指揮タリス・スコラーズのアルバム「シェパード: ミサ・カンターテ」を聴きました。タリス・スコラーズの創立50周年記念盤として発表されたアルバムだそうです。

イギリスのルネサンス時代の作曲家ジョン・シェパード(1515-1558)のミサ曲、モテットを収録したアルバムです。(記事冒頭に掲載した曲は「ミサ・カンターテ」の終曲です。)

 

ジョン・シェパードはトマス・タリスより少し後に生まれた人で、ウィリアム・バードよりは大分先輩に当たる音楽家です。比較的若く亡くなっているようですので、タリスとは面識はあったと思われますがバードとはすれ違い、と言うかシェパードが亡くなって少ししてからバードが活躍し始めたようです。

 

音楽家として活躍した時代が、以前タリスについて書いた記事でも触れましたようにちょうどイギリスの宗教界が混乱していた時期でもありますからラテン語によるカトリックの音楽や英語で歌われる聖歌などの作品を遺しました。

 

 

どこか懐かしさを感じるようなメロディと複雑で洗練された対位法が創り出す音楽は独特な雰囲気を感じます。タリス・スコラーズの透明な響き、精緻に刻まれるアンサンブルは人の声によって創り出された彫刻作品という比喩が頭に浮かびます。政治権力による血なまぐさい出来事が次々に起こっていた、その傍らでこうした美しい音楽が創り出される、人間の営みの不思議さ。宗教と言うものの不可解さ。神、とは一体…、などと思いながらもやはりこの音楽には理屈を越えて引きつけられる力があると思いました。

 

こちらからピーター・フィリップス指揮タリス・スコラーズのアルバム「シェパード: ミサ・カンターテ」全曲お聴きになれます。

 

「ジョン・シェパード(John Sheppard, 1515年ごろ - 1559年1月)は16世紀イングランドのルネサンス音楽の作曲家・オルガニスト。1543年から1548年までオックスフォード大学モードリン・カレッジMagdalen Collegeの聖歌隊長を務め、遅くとも1552年までに王室礼拝堂のジェントルマンに選ばれた。

シェパードは豊かで老練なポリフォニー様式によって、数々のモテットや2つのマニフィカト、5つのミサ曲を作曲している(ミサ曲のうち1つは、ジョン・タヴァーナーやクリストファー・タイと同じく、俗謡「西風 "The Western Wynde"」によっている)。イングランドのルネサンス・ポリフォニーに伝統的な、対斜を生ずる声部進行もシェパード作品の特徴である。メアリー1世の治世からエリザベス1世の親政開始の時代までを生きたため、ラテン語の典礼文と欽定英語の典礼文の両方に曲付けを行なった。

長らく没年については曖昧なままだったが、デイヴィッド・チャッドDavid Chaddが1995年にシェパードの遺言書を発見したことにより、没年がはっきりした。」(Wikipedia ジョン・シェパード より )

 

 

John Sheppard: Missa Cantate

タリス・スコラーズの結成50周年記念盤。
イングランド・ルネサンス期の作曲家ジョン・シェパードはオックスフォード大学モードリン・カレッジの少年聖歌隊員監督(Informator Choristarum)を務め、王室礼拝堂のジェントルマンにも叙された音楽家。タリス・スコラーズは1989年に最初のシェパード・アルバム『メディア・ヴィタ』をリリースしており、これが2枚目のシェパード録音となります。多くの作品を遺しながらも比較的録音の少ないシェパードの知られざる傑作を、50年間この時代の音楽だけを追究し続けてきたタリス・スコラーズの歌声でお届けします。

ジョン・シェパード(c.1515-1558):
1-30. ミサ・カンターテ
31-38. 称賛のことばを述べよ
39-45. イエス、時代の救い主よ
46-50. 神の殉教者は
51-67. 喜べ、喜べ、喜べ、聖母マリアよ
68-74. 祝福されたわたしたちに喜びを
75-80. 喜べ、キリストを産んだ聖母よ
【演奏】
ピーター・フィリップス(指揮)
タリス・スコラーズ

 

 

 

 

好評発売中のそえだ信「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録」シリーズの第4、3月24日出版されます!!!

 

【王宮編開幕】1歳児が内政改革に挑む!

類い稀なる能力を買われた赤ん坊のルートルフは、国王の命を受けて、家族と別れを告げ王宮入りを果たす。王から命じられたのは、貿易戦争に負けないために国力増強と産業振興の策を創案すること。ルートルフは、文官の青年ヴァルターや公爵次男のゲーオルクたちと執務にあたり、別世界の『記憶』を頼ってさまざまな分野で成果をあげていく。
一方、後宮での新たな生活に身の安全は保障されたものと思いきや、王族でもない突然の入居者の存在をよく思わない者たちがいるようで――!? 世話役としてルートルフの傍に仕える少女ナディーネの真意とは……。
新たな出会いが1歳児の【えんだい】なる計画を加速させる本格異世界ファンタジー、王宮編開幕。
愛弟と離れ離れになったウォルフの煩悶を描く番外編も収録。

 

 

 

ただ今予約受付中!

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録4 (MFブックス)

 

 

 

 

そえだ信「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録」シリーズの第3弾、好評発売中!!!

 

(表紙画像公開されました。正装した凜々しい貴公子ヴォルフと可愛いルートルフ!)

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録3 

 


ルートルフ、ついに正体がバレる!?


7か月かけた数々の発明により困窮する領地を救ったベルシュマン男爵家の兄弟コンビ。ようやく安定した長閑な生活を満喫する一家のもとに、王都の父から手紙が届いた。内容は建国記念祭を見に王都へ来ないかという誘いだった。ウォルフとルートルフは家族と伴に王都へ行くことを決める。
しかし数日後、王都への道中、ルートルフは妹のミリッツァと一緒に謎の男たちに攫われてしまう。護衛の助けが間に合わない絶体絶命の状況に、ルートルフは勇気を振り絞り……!?
さらに、自分が別世界の『記憶』を持っていることをこのまま隠し続けるのは難しいと考えたルートルフは、兄以外にも秘密を打ち明けることを決意して――。
新展開の数々に目が離せない、頭脳派1歳児の本格異世界ファンタジー第3弾。

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録3 (MFブックス)

 

 

 

 

 

 

 

そえだ信「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録」シリーズ 1 、2 絶賛発売中!!!

 

 

 

下記リンクから、一部試し読みできます。

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録1
赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録1 (MFブックス)

不作による飢餓、害獣の大繁殖。大ピンチの領地を救うのは、赤ちゃん!?

ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2 (MFブックス)

ルートルフがようやく1歳に!! 兄弟コンビの領地復興ストーリー第2弾!

貧乏男爵家次男のルートルフは、別世界の『記憶』を持った頭脳派0歳児。やがて困窮する領民の状況を知った彼は、兄のウォルフにだけ自身の正体を明かして、領地救済に乗り出していく。ふたりは黒パンやコロッケなどを次々と発明し、おかげで領地は危機を脱しつつあった。
そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
さらに、1歳を迎えたルートルフの前に見知らぬ赤ちゃんが現れて!? 赤ちゃん度MAXでお届けする、領地立て直しストーリー第2弾。

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先