静岡事件史 島田一家4人殺害事件(未解決、時効)【袴田事件から5年半後の惨劇】 | 宇都宮義塾

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今話題の袴田事件が発生(1966年6月30日)してから5年半ほど経った

1971年12月29日、同じく静岡県の島田市で一家4人が何者かに惨殺される事件が発覚した。

そして、この事件は、捜査機関は誰一人として検挙できずに、

未解決のまま15年後に公訴時効を迎えた。”迷宮入り”である。

 

以下に、残忍極まりない「島田一家4人殺害事件」の当時の新聞報道を引用するので、

お前ら、目ん玉ひん剥いて、よーく読んでおくように。

 

じゃあの。

 

※プライバシー保護のため、被害者以外の人名は俺がイニシャルに変更した。

 

 

(1971年12月30日付『朝日新聞』3面)

 

★1971年(昭和46年)12月30日付『朝日新聞』3面より引用

 

一家4人を惨殺 島田市(静岡)

針金で縛り石でなぐる

強盗?恨み?後ろ手にじゅずつなぎ

【島田】暮れも押しつまった二十九日夕、静岡県島田市の新興住宅街で
タイル職の一家四人が、寝室で惨殺されているのが見つかった。
夫婦と次男の小学生の三人は針金で首をしめられたうえ後ろ手にじゅずつなぎにされ、
長男の小学生は石で頭をなぐられるという残忍な犯行で、
室内に物色のあとがあるなどから、静岡県警は捜査本部を設けて、
強盗殺人とえん恨との両面で捜査を始めた。

10年前にも強盗 未解決

二十九日午後六時四十五分ごろ、同市道悦島、タイル職人森下席さん(四一)方の戸が閉じたままだ、
と近所の人が近くの島田署六合派出所に届けた。
同署員が戸をこじあけて中にはいったところ、奥の八畳間で席さんと節枝さん(三四)夫婦をまん中に、
長男の島田市立六合小五年、信義君(一〇)と次男の同小一年道秋ちゃん(七つ)の二人が、
パジャマ姿のまま布団の上で殺されていた。

森下さん方は二十八日朝から戸締りしたままになっていた。
犯行は、単独か二人以上によるものかはっきりしないが、犯人はフロ場と便所の間の勝手口から侵入したらしい。

同本部は死体の状態からみて犯行は二十八日午前零時ごろから同八時ごろまでの間とみている。
夫婦と次男の道秋ちゃんは針金で後ろ手にじゅずつなぎにしばられていた。
三人とも針金で首を絞められた跡があった。
また席さんを除く三人は頭をなぐられ、洗面所に血のついた十五㌢の細長い観賞用水石があった。

各部屋はかなり荒されており、証券類と硬貨が散乱していたが、紙幣は見当たらなかった。
八畳の居間に血こんのあとがあるが、抵抗したあとはなかった。
また隣の六畳間に長さ約五十㌢の木刀があったが、犯人が残したものらしい。

二十九日夜四人の遺体を検視した結果、席さんは首に巻かれた針金で絞殺され、
妻と二人の子は頭部陥没骨折が死因とわかった。

森下さん宅は国鉄島田駅の東約三・五㌔で、国道1号の南側約三百㍍のところにあり、
島田市の郊外の新興住宅地。

森下さん一家は昭和三十年ごろ島田市内から現場に引越し、カワラ屋を手伝ったり、洗たく屋をしていたが、
最近はタイル業が軌道に乗り、生活も順調だったという。
近所の人の話では、夫婦仲も円満で、節枝さんは美人で、地区の婦人会の役員などもしており信望があった。

森下さんの弟で、同市内で同じタイル業を営んでいるM・Sさん(三一)の妻Mさん(二五)の話では、
兄のMさんが二十七日夜、森下さん方を訪れたところ、客があり、そのまま帰ってきた、という。

森下さん方は毎年十二月二十五日すぎになると、仕事を打切り、
正月用のお飾りをつくって親類や近所の人たちに売っており、
ことしもお飾りつくりをしていた。

なお、森下さん方は三十六年ごろの夏、強盗にはいられ、約十万円を奪われているが犯人はつかまらず、未解決という。
 

 

森下と書いた布切れ届け出
客の男が落す?

【島田】二十九日夜十時すぎ、島田市本通り七丁目、飲食店「一番」の経営者S・Fさん(三三)から
「店の床に『森下』と書かれた背広のネームらしい布切れが落ちていた」と島田署に届けがあった。
Sさんの話では、同日午後九時ごろ、来店した白のナッパ服にネズミ色事務服をはおった客の男が落したものという。

 

 

★1971年(昭和46年)12月31日付『朝日新聞』18面より引用

有力な手掛かりつかめず

島田の惨殺

【島田】静岡県島田市で、タイル業一家四人が殺されていた事件を捜査している島田署の捜査本部は、
三十日早朝から現場付近の聞込みに全力をあげたが、同夜までに有力な手がかりはつかめなかった。
強盗の疑いを強めたものの、えん恨説も捨てきれないでいる。

殺された同市道悦島、タイル業森下席さん(四一)と妻節枝さん(三四)
長男の島田市立六合小五年信義君(一〇)次男の同小一年道秋ちゃん(七つ)の
四人の遺体は三十日未明、島田市内の病院で解剖された。

この結果、四人が殺されたのは二十八日午前零時ごろから同四時ごろまでの間とわかった。

また、犯人は森下さん方の北西すみのカギのかかっていなかったとみられる勝手口から室内にはいり、
出る時もここから出たらしいことがわかった。

捜査本部は、凶器に使われた針金、水石、木片などは森下さん方にあったものと断定、
森下さんには人に恨まれるようなことがないうえ、室内が相当荒されていることから、
強盗の見方を強めたとしている。
しかし、三十日の検証で森下さん宅にあったカバンの中や神ダナなどに
計六万五千円の現金が残されていることもわかり、殺し方が非常に残忍な点などから
えん恨の線も捨てきれないでいる。