2024/05/04

2024年 明治安田J2リーグ 第13節 甲府戦

【甲府 1 - 2 大分】


全てが混み合い、移動が面倒なゴールデンウィークですが小瀬に行って来ました。昨シーズンに大逆転負けを観た記憶がいまだ鮮明に残っているスタジアムですが、今シーズンは違いました。謙信ならぬ堅心が甲斐の武田軍に一撃を加えて、ひとり川中島合戦状態。うちの堅心が武田軍を撃退ですよ!混み合いに負けず観に行って大正解だった!やっぱりヤバい保田堅心。毘沙門天の化身かもしれない。

ちょうどこのイメージを探していたのです。謙信の一撃を信玄が軍配で受け止めるやつ。史実かどうかは諸説ありすぎて怪しいけれども第13節を象徴するイメージで使いたかった。探すまでもなく、向こう側から来た感がある。偶然にも同日同時間帯にお祭りが行われていた模様。上杉と武田の因縁が溢れ出して止まらない。上杉とは何の所縁も無いし、ゴールデンウィークに催し物が多いだけのような気もするんだけれども、それにしても「ケンシン」繋がりが多い。第13節は保田堅心の一撃が甲斐の武田を退けました。偶然にしては良くできた話でネタとしては大変助かります。

ゴールデンウィークの連戦とあってメンバー構成はベンチメンバーを中心に入れ替えが発生。スタメンこそ前節のメンバーがベースになっているものの、有働、キム、木本とフレッシュな若手がベンチ入り。キムと木本はリーグ戦デビューのはず。次世代の主力を担う可能性を秘めた若手が一歩目を踏み出した。中川も久々の戦線復帰。毘沙門天の化身こと保田堅心はアタッカーとしての位置付けになっているんだと思われます。結果を出したのでここからまたスタメン争いは激化。

対する甲府。三平さんはベンチスタート。守備陣に怪我人が続出している模様で、GKも含めてとにかく守備陣の台所事情が厳しい。うちも怪我人が多いので冷蔵庫の中にある余り物でどちらが美味しい料理を作れるか対決になってしまっているんだけれども、守備陣に関しては我が軍よりも厳しい状況とみる。大ベテランのレジェンド山本英臣が今シーズン初スタメンで出場することになるくらいのチームコンディション。4-2-3-1を運用中でミラーゲームとなった。今シーズン国立競技場で行われたACLの試合を観に行ったのでチーム自体は観たことがある。ACLでは文字通り各国のチャンピオンチームと戦う訳で、甲府はしっかりとした守備をしつつ、スピードある外国籍選手でカウンターを仕掛けるのがベース。行ける時にはプレッシングを行って引っ掛けられればそこから前線メンバーだけでカウンターを仕掛けて攻撃を完結させることも出来る。手堅い試合運びが出来る印象。ACLで観た時は安定感のあるチーム戦術・メンバーだったけれども、怪我人が多すぎて練度が落ちているのかもしれない。戦術的噛み合わせは相性としては良いはずと予想していました。



現地は夏のコンディション。今年、4月としては過去最高の気温だったらしいけれども、5月に入っても同じ傾向らしい。暑いのは困る。おそらくピッチ上は体感30℃くらいになっていたのではなかろうか。陽射しも強く、選手達のコンディションとしては厳しめ。幸い風が少しあったので観戦環境としては良いコンディション。甲府の山々も青々として夏っぽかった。あの山で信玄が風林火山していたのかと思うと感慨深い。

暑さのせいだと思うんですが、マスコットもパンイチになっていました。暑かったからですね、きっとそうです。このパンツにもちゃっかりスポンサーが付いていることが甲府の底力。マスコットのユニフォームにしっかりスポンサーが入っているのだけれども、パンイチになることも前提になって契約が存在しているという事だ。それは一体どんな契約書だ。読んでみたいっつうの。






晴天のゴールデンウィークとあって1万人を超える集客に成功した甲府。無料で質の良いフラッグを配りやがりまして、私もちゃっかり貰って帰って来てしまったのだけれども、写真撮影を趣味にしている私としては難しいコンディションになってしまった。油断するとファインダー越しの視界が全て甲府のフラッグに遮られるというアウェイ感満載のメインスタンド。多数の旗で雰囲気は最高。撮影の技術が問われる試合となりました。






試合はコンパクトな布陣を敷きたいトリニータと背後のスペースを突きたい甲府の攻防が噛み合って面白かった。甲府の強力なアタッカーであるピーターウタカ、アダイウトンに対して安藤と藤原の2CBがチャレンジ&カバーで立ち向かう図式。アダイウトンに対しては右の茂平が必死で抑えていたけれども、素早く2CBがフォローして事なきを得る。保持からの前進に関しては前節から改善された、足元だけでなく、スペースにパスを供給して同時に移動するようなポゼッションが出来ていたため攻撃面は機能した。甲府の裏のスペースに落とすようなロングボールの供給もあり、的を絞らせない攻撃が有効打になっていた。前線でボールを奪われた時に人を掛けて切り替え素早くプレスをかけてボールを奪い返す守備もあって、カウンターリスクも排除。甲府としては簡単に裏のスペースに出してもトリニータの2CBが強力な故に攻撃が単発となりがちで、唯一の手掛かりであった逆サイドへの展開が出来るかどうかだけが攻防の鍵になった。逆サイドにさえ展開させなければトリニータの時間が続き、逆サイドに展開されると甲府の攻撃が鋭くなる。茂平の復帰で右サイドの攻撃はバリエーションが増えた印象。ロングスローもあった。ウタカとアダイウトンのプレスはメリハリがありすぎて、来る時と来ない時、働く時とサボる時がハッキリしているので保持はし易かった面もある。前半は一進一退の攻防の中スコアレスで折り返す。









この試合、宇津元がかなりパワフルで左サイドからゴリゴリ前進する惜しいシーンが多かった。あとは決めるだけの宇津元。成長を感じさせるコンディション。あと少しでブレイクしそうな雰囲気。印象に残った。一進一退の攻防が続くも決め手に欠ける中、先制はセットプレーから、その宇津元のコーナーキックが起点に。











宇津元のキックを甲府GKがパンチングで弾く、そのボールを直接ボレーで長沢が叩き込んでからのわちゃわちゃでした。甲府DFのオウンゴールに見えなくもないけれども、触ってなくても枠内に飛んでいるので長沢のゴールで問題ございません。均衡を破るセットプレー。待望の先制点。この後も2CBは強かった。





絶望感あるピーターウタカの独走を安藤が必死で戻って濵田太郎と連携して防いだシーン。これは素晴らしい対応でした。2CB+GKの安定感は素晴らしかった。





失点シーン。このシーンの起点はロングボールで、ピーターウタカへのボールは一度ヘディングで返せているんだけれども、セカンドボールを逆サイドのアダイウトンに拾われたのが最初の1枚目。これも絶望感はある。茂平が縦のコースを切ったと思われるんだけど、唯一のシュートコースを見逃さないアダイウトン。うちの守備陣が止められないのであれば褒めるしかないと思います。アダイウトンのコントロールがお見事。同点に追いつかれてしまう。盛り上がる武田軍。足軽たちが一斉に旗を振り始める。ここで昨年のトラウマが蘇る。またも逆転負けしてしまうのか?どうなんだ?今年のチームも下を向くのか?今年は違いました。この盛り上がりを鎮めたのが保田堅心でした。










野村へダイレクトパスを出してからパスアンドゴー。攻撃に緩急が生まれ、野村が甲府守備陣を3枚引き連れて保田に戻す。受けてから左足一閃。という流れ。受けてからが速い。止める蹴るが大事。足元で受けてターンとかシュートとかそういう動きがピカイチの保田堅心。ここから甲府名物、ゴール裏に山ほどある看板越えです。







甲府名物の看板ふた山超えました。ここでしか撮れない写真がある。しかし若い。私には飛び超える自信がない。飛び越えたとしても捻挫する。確実に怪我する。軽々とふたつ超えてサポーターの下に駆け寄る男。毘沙門天の化身。この後、スタジアムDJが読み上げた得点者「保田ケンシン」という響きに沈黙する武田の末裔たち。本当にスタジアムがシーンとなった気がします。気がするんです。誰も旗を振らなくなりました。だから沢山写真が撮れたよ!難易度が急激に下がりました。










ふた山超えて戻る保田堅心。その後、コーナーキックを蹴る雰囲気だけ出して蹴らずに戻って遅延行為でイエローを貰う保田堅心。若い。しかし時間は潰せて逃げ切りに成功。ペレイラを投入して5-4ブロックを築いて籠城できました。アウェイで貴重な勝ち点3をもぎ取ることに成功。




ゴールデンウイーク、例年ゴールが出ずにゴール出んウィークで終わるパターンが多かったですが、今年は2連勝と素晴らしい流れになっています。連戦最後はホームでの長崎戦。ここで勝てると一気にプレーオフ圏内に肉薄するので前半戦の山場となりそう。良い結果で締めくくれるようにホームの皆さん、応援の程よろしくどうぞ。



2 件のコメント:

  1. 何気に宇津元が調子を上げているように見えます。ブレイクが楽しみです。

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    1. 匿名様

      コメントありがとうございます。私も宇津元はゴリゴリ調子を上げているように感じました。甲府戦もドリブル突破が素晴らしかったですよね。もうあとは得点をバシバシ決めてブレイクしてもらいましょう。期待です。

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