「 俯仰天地に愧じない(※ふぎょうてんちにはじない;かえりみて自分の心や行動に少しもはじるところがないこと)人間たれ」
これだけが人を正しく導くものである。
生も常に心の一隅に持っていたいものである。
(注)原文を一部現代語訳に、旧字体は新字体に直して掲載しています。また意味のわかりにくい言葉はカッコ書き※で注釈をつけ、原本にて判別のつかない文字は ● として表記しています。
「大いなる気持ちをもて。小さい事に心を動かすな」
と起床動作で三号生徒(※最下級生)がどなられて二号生徒(※最下級生の一学年上)のおっしゃったことが了解できかけた。
そして一号生徒(※最上級生)がどなることも暫くして了解できかけた。
そうなのだ、如何なる難関も突破して一日も早く大君(※おおきみ;天皇の尊称)の御為にことごとくを得る帝国海軍軍人にならなければ。
一号生徒の気持ちもただこれなのだろう。
我ながら悟りが遅いながらも、このように考えたとき既に我が心は盤石のものになったのだ。
(注)原文を一部現代語訳に、旧字体は新字体に直して掲載しています。また意味のわかりにくい言葉はカッコ書き※で注釈をつけ、原本にて判別のつかない文字は ● として表記しています。