うぢ【氏】〔名詞〕
家の系統を示す名。血統と素性を示す名。
◎氏族のこと。
しぞく【親族・親属】〔名詞〕
共通の祖先を持つ血縁集団のこと。
共通の祖先を持つという連帯感の下に結束した血縁集団のこと。
◎氏族は親族・親属の訛記という。
せい【姓】〔名詞〕
うぢ(氏)の名。家号。家の名称。かりのあざな(苗りの字)。みょうじ。
みょうじの語源は、御代(みよ)+氏(うじ)、または、中古の神社の社格「名神(みゃうじん)」からきたともいう。
概ね中古後期から、郡・郷・荘・むら・条里区画などの行政区画名や地名を、貴人がうぢ(氏)の代わりに冠した。
いみな【諱・諡】〔名詞〕
諱
実名。敬称。その人の実名を呼ぶのは忌むべきだ、との意から。
「忌み名」の漢式表記。
死後に呼ぶ生前の実名。
諡
死後に、その人の行いをたたえて贈る尊称。
「のちのいみ名」「おくり名」の漢式表記。
けみゃう【仮名・家名】〔名詞〕
通称。俗称。あざな(字)。貴人の実名以外につける呼び名。
総括
氏と諱(ウヂとイミナ。例:惟宗義弘)は、律令政府の官人・公家・公卿の本名。氏名。政庁(八省院)の公文書では、氏名以外の俗称等を用いない。
姓と字(セイとアザナ。例:島津又四郎)は、通称・仮の名・俗称。プライベートでの呼び名。