その他の雑学

ざっくり民主主義とは?~その始まりと歴史


「民主主義」「資本主義」「社会主義」

この思想はヨーロッパで生まれました。

その中でも今回は、

「民主主義」の始まりをざっくり記載していきます。

地形が生んだ思想

民主主義思想のそもそもの原型ですが、

ギリシア・ローマ地方の地形が生んだ思想と言われています。

当時、世界では多くの国家・思想が

天からの子「天子」や「天皇」「太陽神の生まれ変わり」など、

自然的な力から、カリスマ性を見いだして、

特定の人を、リーダにする考え方が主流でした。

ちなみに、その「カリスマ」とは、

神に与えられた特殊能力を意味するギリシア語が語源と言われています。

当時のギリシア・ローマ地方では、各所に中小の集団があり、

その集団同士の中からから話し合いで選ばれた人、

一番支持された人間が「リーダ」になるという特徴がありました。

当時で言う、その独特な思想の始まりは、

その平地の狭さが大きく影響しているともいわれています。

ギリシャ地方の土地の特徴は、海ギリギリまで山があり、

土地は山に囲まれ、狭い平地に多くの人間が、

集団で固まって生活するという、その土地特有の生活背景があり、

その狭い平地に数千~数万人の中小の集団・家族などが、

争わず大事な事は、皆が集まって決めるという仕組みが生まれます。

もし仮にそこに広大な土地があれば、

より大きな力をつけた大集団が、さらなる勢力拡大を目指し、

または奪い合って、大中小の集団が常にぶつかり合います、

最終的に、それを統一統合する人が、出て来るような

いつもの流れになりますが、

それが隔離された、狭まい痩せた平地世界の場合、

大きすぎる力は生まれずに、中小の集団の均衡が生まれます。

自給しにくい痩せた土地に固まって生活している中小の集団が、

もしもそれを奪い合ったら共倒れし、

さらには、山の向こうの外敵からも、その土地を守れない事が考えられます。

それは、自然に発生した生きる・生き残る仕組み・思想とも言えます。

これが後の「民主主義」の原型となっていきます。

民主主義その始まりは意外と血が流れた

 

しかし当時のギリシャ地方では、

強い身分制度があり、

例えば上記に記載した中小の集団同士の

大事な話し合いに参加できるのは、選ばれた貴族達だけでした。

そして時代は進み、ギリシャ地方の

狭い土地では十分な自給自足が出来ないので、

周辺の土地などから、需要がある穀物などを買って、

狭い土地でも生産しやすいオリーブやワインなどを

売ると言ったような、貿易が盛んに行われるようになります。

その結果、商売で力をつけた強い「一般平民」が生まれます。

力をつけた平民、その商人達は、

その話し合いに、自分たちも参加させろと、

その貴族達に強く主張するようになります。

当然、その貴族達の反発が生まれますので、

ここに大きな権力争いが生まれます。

この権力争いは、多くの血が流れ、割愛しますが、

その結果、財力のある一般平民が権力争いに勝利します。

勝利した平民達は、貴族制度を廃止し、

平民のリーダ達がその大事な話し合い・政治の主流になります。

さらには、市民を居住地ごとのグループに分けて、

集団の区域(選挙区)を作ります。

この居住区のことを「デーモス」と言い、

その単位のことを「デモクラツィア」

それが英語で「デモクラシー」となり

これが現在の「民主主義」の始まりとされています。

民主主義と徴兵制は同時に生まれた

 

民主主義・誕生のもう一つの大きな要素があります。

それは「外敵との戦い」です。

外敵と戦うためには軍隊が必要です。

しかし狭い平地には、騎兵は向かず、その軍の主体は「歩兵」になります。

貴族階級は当然指揮官・士官なので馬に乗ります。

騎兵主体だと貴族の一団や騎士が主戦力となりますが、

歩兵は一般の平民で構成されています。

主戦力が歩兵なら、その歩兵が軍で一番の多数派になり、

当然その歩兵達は平民です。

そして軍で多くの力を持つことは、それは権力につながります。

平民の歩兵達は、次第にその発言力も高まっていき、

政治にも影響力を持つようになっていった側面もあります。

しかし貴族制度を倒し、平民が政治や軍の主権を握ると言うことは、

その平民たちで、外敵からの侵略などから国を守る必要が出てきます。

平民が自分たちで武装し、国を守る「徴兵制度」は、「民主主義」の中から

こうして誕生しました。

民主主義の暗黒面

 

民主主義は、

一般の平民も人気があれば、たとえ能力が無くとも

平等にリーダ候補者となり、もちろん大臣にもなれます。

民主主義が誕生した当初、選挙の人気取りと買収は、日常茶飯事で、

金持ちはもちろん財力がありますから、

お金持ちがリーダになる構図が常習化します。

これに異を唱えた人間も、もちろんいました。

しかし平等を求めるあまり、

くじで大臣を決める仕組みすらあったほどです。

これでは、資質・実力が無い人間がリーダとなり、名ばかりの、

無意味な選出となってしまい、そして政治混乱が生まれました。

これにかわり、名ばかりのリーダの周辺の、

実際に実力のある軍の司令官などが政治の実権を

握るようになります。

実質、軍の将軍の選挙が国のリーダ選挙のようになってしまい、

またそこには、当然利権闘争も生まれます。

このように、国で内戦を繰り返す状態となるのです。

平等の名の下、選ばれた能力の無い政治家よりも、

その周辺の官僚が力を持つ状態と言えます。

しかし、たとえその官僚を倒したとしても、

今度は、実力の無い人気だけの素人政治家が権力をもち、

世論に合わせて、口だけ大きなことを言っておけば、

その人気が衰えないような、

いわゆる「衆愚政治」が生まれます。

民主主義と独裁政治、共和制と王政。

色々な国や民族や地域の考えから、

様々な概念が生まれます。

 

今回はここまでです

有り難う御座いました。