オカルト・怖い話

『囚人に掘らせたトンネル』怖い話シリーズ153

4人の若者に起こった怖ろしい話・・・

『囚人に掘らせたトンネル』

10年ほど前の話になる・・・

就職したばかりの俺はある日、先輩の車でドライブへ・・・

途中、東北M市にある、いわく付きのトンネルを通り・・・

今回は怖ろしい怪談話『囚人に掘らせたトンネル』をお伝えします。

怖異 恐子
皆さん、こんにちは・・・

毎度おなじみ心霊界の石原さとみこと、コワイキョウコです・・・

今回はいわく付きの心霊スポットにまつわるお話・・・

心霊スポットでポピュラーなトンネル・・・(汗)

日本には数多くのトンネルがあるけど、あれって良く考えたら凄いですよね・・・

山をすっぽりくり抜いて、トンネルにしちゃうとか・・・

技術が発達した現代ならまだしも、昔は手作業でおこなってたりしたんですよねぇ(汗)

当然、事故も起こってたでしょうし、中には亡くなった人もいたんじゃないかって思うと・・・

作った人の苦労がしのばれます・・・

それでは怖い怖い怪談話・・・

『囚人に掘らせたトンネル』

どうぞお楽しみください・・・


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※このお話は3分ほどで読むことができます。

『囚人に掘らせたトンネル』怖い話シリーズ153

10年ほど前の話になるが、就職したばかりの俺は会社の寮に入っていた。

ある日、当時つるんでいた先輩や友人らと計4人で先輩の車に同乗して、ドライブへ出掛けることになった。

行った先は、東北のM市から秋田に抜ける峠道。

新道はバイク乗りが集まっているところだったが、先輩が向かった先は旧道の方だったんだけど・・・

そこは洒落にならない酷い道で、かなりヤバイ目に遭った・・・

 

その道は舗装していないどころか、藪だらけで前も禄に見えない程の車一台通るのがやっとの道。

よりによって先輩は、愛車のスカイラインで豪快にそんな道を走らせた。

登った先にはトンネルがあった。

岩をそっくり刳(く)り貫いたようなトンネル。

時間にすれば午前1時を回っていたと思う。

 

以前から『囚人に掘らせたトンネルがある』という噂は聞いていた。

ライトに照らされたモヤが動くと、まるで沢山の人が動いてるように見えた。

俺は早く戻りたかったが、Uターンなんか出来る広さではない。

トンネルを抜けてこの道を進むしか道がないし、先輩は車をトンネルに入れた。

 

先輩や友人は「おっかねえ~」とはしゃいでいたが・・・

俺はそれどころではなかった・・・

なぜなら、モヤが車の中まで入り込んでいる。

信じられないくらいの湿気が体に纏わり付き、ベタベタとしている感じで体も動かせない。

はしゃいでいる周りを見ながら、早くまともな道路に抜けて欲しいと思っていた。

 

トンネルを抜け、藪の中を抜け、やっと車は国道に戻った。

気分もいくらか楽になり俺は一息ついたが、考えが甘かった。

県境を越えると、国道は川に沿って走る形になる。

しばらく走ると脇に『吊橋』があり、先輩は車を止めると言った。

 

「肝試しするべ」

 

冗談じゃない!と思った。

あんたの運転と、さっきのトンネルで十分肝試しじゃん!

そう言いたかったが、周りの雰囲気を壊したくなくて黙っていた。

先輩と友人一人が細い吊橋を渡り始めた。

“根性あるなあ”と関心した。

 

ここは結構、自殺者が出ているところだった。

俺ともう一人の友人は車に残って先輩らを見ていた。

臆病者と言われたけれど・・・。

 

友人はどうだったか知れないが、俺にはぼんやりと見えていた。

橋を渡ってこちらを見ている先輩らの横に、もう一つの影が並んでいた。

先輩らは最後まで気付かなかったようだが・・・。

この日はこれで終わった。

何事もなく。

 

それからしばらくして、先輩が車で事故をした。

車は大破したが、幸い怪我は無かった。

懲りずにまたスカイラインを買ってしまうくらいに。

ただ・・・、そのすぐ後に先輩の親父さんが亡くなり、先輩は仕事を変えなければならなくなった。

事故の借金や親父さんの葬式で、金がかかったみたいだった・・・

 

先輩と吊橋を渡った友人の一人は死んだ。

バイクの事故だった。

外傷は無かったが、事故のショックで心臓麻痺起こしていたらしく、病院に担ぎ込まれてしばらくして亡くなったそうだ・・・。

元々このバイクは、俺が友人に譲ったものだった。

譲った直後に友人は事故で死んだ。

 

バイク事故で死亡のニュースが報道された時、知り合いは俺の事だと思ったらしい。

もしかすると、友人は“俺の身代わり”になったのかも知れない。

向こうの親に合わせる顔がなかった。

 

もう一人の友人は、肺気腫で仕事中に倒れて入院するハメに。

とうとう俺はノイローゼ気味になり、行方をくらました。

挙句の果てには自殺未遂まで。

今の俺からは想像もつかないが・・・。

 

どこまで”あの肝試し”が関わっていたのか分からないが、あの夜から僅か半年の間にこれだけの事が起こった。

今でも俺の手首には、薄っすらとリスカの痕が残っている。

後日談

この肝試しの直後、俺は寮を出てアパートに移った。

ちょうど友人がバイク事故を起こした直後だったかな。

俺がノイローゼで姿を消す前後の話だ。

隣の部屋は同僚だったが、俺の部屋の前を通る度に「なんでこいつ線香なんか焚いてんだ?」と思っていたらしい。

もちろん俺は線香など焚いていない。

今は常備しているが・・・。

 

俺はともかく、先輩や友人はオカルトが好きだったわけでもなかった。

この出来事で俺の人生はかなり変わった。

今は落ち着いているが、かなりヤバイ目に遭ったんだと思う。

そして、ちょうどこの頃だった。

霊の類を頻繁に見るようになったのは・・・

 

トンネルで遭遇した人影・・・

その顔は良く見えなかったが、なにか怒っているような睨んでいるような、そんな感じがしたのを覚えている・・・

もしかしたら、あのトンネルが噂で聞いていた囚人が掘ったトンネルだったのかも知れない・・・

噂によればトンネルを掘っていた囚人たちの多くが、作業中の事故で亡くなったそうだが・・・

中にはまだ生きたいと思っていた者も、いたかも知れない・・・

無念の思いを抱いて、あの場所をさまよっていたのかも知れない・・・

そんな彼らのところへ、バカ丸出しの若者4人がノコノコと・・・

遊び半分でいわく付きの場所に、ついていってしまったことを後悔している・・・

『囚人に掘らせたトンネル』怖い話シリーズ153

怖異 恐子
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ゆきキャベツ

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