Ch. Belair

1998

Saint-Émilion

 

「Belair」と綴るシャトーは実はいくつかあります。この名前はフランス語の

 

bel air

ベレール

(美しい空気)

 

という単語から着ていますので、「ブレール」ではなく「ベレール」と読みます。

問題は、この名前のシャトーがボルドーだけでも複数あるので紛らわしいこと。

そこで、最近は、

 

Ch. Belair Monange

ベレール・モナンジュ

 

という名前になりました。

なぜか、名前の変更とともに値段もあがってしまい、今では高嶺の花になりつつあります。

 

正答な理由はあります。

まだ、「ベレール」と言われていた時代、このシャトーはデュボワ・シャロン (Dubois-Challon) 家の持ち物でした。この家族はあのオーゾンヌ (Ch. Ausone) を共同所有していたところです。加えて、ベレールはオーゾンヌの隣。

シャトーから言わすと、昔は過小評価されていたということなのかもしれません。

 

サン・テミリオンのわりに、メルローの比率が高いため、そこだけ見るとポムロールのワインのようです。

また、アロマが高いため、サン・テミリオンの力強さに抵抗を感じる人も楽しみやすいでしょう。

エレガントなワインですが、ボディとインテンシティが少し足りないと言われた時代もあったようです。

 

コルク栓はきれいで、アロマも健全。

期待をしてテイスティング。

問題がないので一安心ですが、飲んでいるうちに、上のコメントに納得。

少し薄い気がしました。

同時に飲んでいたのがCh. Longueville Baronだったので、余計にボディ感が少し足らないという気がしたのでしょうね。

飲んだ時期としては適切。

持論では、20−30年がおいしく飲める。

1998年をこ2022年12月に飲みましたから、24年熟成。

 

濃厚なサルミソースにはやや負けていましたが、青首ガモのロースト部分では、とてもいい相性を見せていました。

2008年にJ. P. Moueix社がシャトーを購入していますので、それ以降は、ワインの方向が少し変わっていると思います。何年か先に、その変化も飲んでみたいのですが、かつては6,000円ほどで手に入ったこのシャトーのワインは、もはや一万円超の世界。手に入るかな……