ゲームが生まれてこれまで、様々なゲームタイトルが発売された。その中には圧倒的な人気や独自の話題性によって社会現象とまで言われたゲームタイトルが存在している。本稿は時系列に沿って社会現象となったゲームタイトルを紹介していくものである。

スペースインベーダー

 社会現象になったゲームタイトルの代表格といえば『スペースインベーダー』である。

 1978年に株式会社タイトーから発売されたこのアーケードゲームは、侵略してくる宇宙人を倒すシューティングゲームである。『スペースインベーダー』は日本におけるアーケードゲームにおいて史上最大のヒット作品であり、タイトーが制作した純正品が約10万台・タイトーからの許諾を受けたメーカーが制作したものが約10万台・タイトーから許諾のないコピー品が約30万台出回ったとされている。

 当時の日本にはゲームセンター文化がなかったが、『スペースインベーダー』のヒットを受け、インベーダーハウスという『スペースインベーダー』の専用施設が誕生し、それが徐々に他のアーケードゲームを導入することによりゲームセンターが誕生していった。またテーブルの代わりに使用できるテーブル筐体を設置した『スペースインベーダー』ができる喫茶店としてインベーダー喫茶も日本各地で営業していた。

スターフォース

 『スターフォース』は1984年にテーカンから発売されたアーケードゲームである。内容は縦スクロールシューティングとなっており、後に様々なプラットフォームに移植された。この『スターフォース』もヒットした作品ではあるが、社会現象となったのは作品自体ではなくプレイヤーである。日本で初めてゲームプレイヤーとして人気を博したのが「高橋名人」こと高橋利幸氏だ。高橋名人の名が世間一般に知られるようになったきっかけが『スターフォース』である。

 ハドソン全国キャラバンにおいて『スターフォース』をプレイするなかで「16連射」という技術を披露し、これをコロコロコミックが誌上で取り上げたことから、子供たちから大人気となった。
後に『高橋名人の大冒険島』など自身が出演するゲームタイトルが発売された。

スーパーマリオブラザーズ

 家庭用据え置きゲームで初めて社会現象となったのが『スーパーマリオブラザーズ』である。

 1985年に任天堂からファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたこのゲームは横スクロール型のアクションゲームで、その大ヒットからプラットフォームであるファミリーコンピュータ自体の認知度を高めることにも成功している。

 その後、現在に至るまで多くの続編・派生作品がマリオシリーズとして発売され、その大半がヒット作品となっており、リオオリンピックの際には安倍総理大臣がマリオに扮して、東京オリンピックの宣伝をしたことからもわかるように、世界的に認知されているゲームである。また、2015年にアメリカで開催された歴代ゲームトップ100を決めるイベントでは1位に選ばれている。

ドラゴンクエストⅢ

 そして伝説へ』である。日本で本作が発売されたのは1988年2月10日であったが、この日は水曜日だった。平日にもかかわらず、前日の2月9日から販売店の前には長蛇の列ができ、ビックカメラ池袋東口店では行列の人数が1万人を突破した。

 この中には学校を休んで買いに来た児童や生徒が含まれていたため補導が多発した。このことから後のドラクエシリーズではリメイク作品を除き、学校が休みになる日を発売日としている。また、大ヒットゆえに品不足が発生し、ソフトを恐喝や窃盗で入手しようとするものまで現れた。さらに一部の販売店舗はマイナーソフトとの抱き合わせ販売を行ったことが問題となった。

マインクラフト

 『マインクラフト』は2011年11月18日にMojang ABから発売されたサンドボックスゲームである。

 『マインクラフト』の売り上げはすさまじく、2019年5月に世界ゲーム売り上げランキング1位だった『テトリス』を抜き去り1位となった。さまざまなスピンオフや小説が販売されているほか、映画の制作・公開も予定されている。『マインクラフト』はオンラインゲームであり、世界中のプレイヤーと交流ができる。

 またデジタルデータ上であるため、国による制限や規制を受けにくいという特徴を持つため、マインクラフト上に自国では検閲にかかって読めない書物をアップしあった世界的な図書館が建設されたりするなど、ただゲームを楽しむ以上の社会的効果を挙げている。

さいごに

 初期のゲームタイトルによる社会現象は日本で発生しているが、ゲーム文化が世界中に拡散されたことから世界規模の社会現象が発生するようになった。いまや世界のトップ企業にゲーム開発会社が入っていたり、Googleのゲーム参入が発表されたりしており、この流れはこれからも続くであろう。

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