ロスコのことⅡ

 


抽象絵画と呼ぶのが正しいのか否か。
ロスコは不可解な自死をしてしまい伝説と化し、
自身の謎多き作品を語らずに終わった。
薄暗いロスコルームには赤褐色、黒色で構成された
陰鬱な作品が並んでいる。
気がつく。「差異」ああ、そうなんだなと。
窓とも石柱とも認識できるオレンジの枠は
取り囲む空間との間に永遠の
炎のようなグラデーションを。

全体で理解しようとしてはいけない。
色面の差異、際、その美しさを捉えるべきなのだ。
密かな情熱を湛えて。





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