或る夕刻



或る夕刻に訪れた薔薇園。

雨に打たれたと思しき花弁の艶やかさは
幾度みても妖しい輝きである。
古典西洋においてはその花は唯美主義の象徴、
絵画「ヘリオガバルスの薔薇」を彷彿させる
気高さと気品に現代においても神々しい。
そして薔薇泥棒なる者たちが存在する。
彼ら(彼女ら)は、はたして
美という魔物に憑かれた者たちであったか
金銭に塗れた者たちであったのか。

哀しき者たちを知らずして咲く。






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