米中戦争

中国のコロナ感染爆発はバブルへと繋がる

米中戦争

このところ、中国国内でコロナの感染が爆発的に拡大しており、火葬場などもパンク状態となっているような報道が散見される。

2020年初頭にコロナが初確認された武漢市でも、3年ぶりに驚異的なペースで感染が拡大し、医療機関や葬儀場に列をなすほどの感染者・死者が出ていることが報じられている。

共同の記事では・・

武漢の人口は約1300万人だが複数の住民は「体感で9割近く」が感染したと話している。

とあり、多少は盛っているとしても、驚異的なペースで感染が拡大していることが伺える。

それにしても、世界コロナパンデミックが始まった武漢市の名前が出てくるのは不吉だ・・。

また、四川省では住民に「PCR・抗原検査でコロナ陽性になった人」アンケートを実施したところ、何と6割以上が「陽性なったで」と回答したとか。

四川省の人口が8000万人超なので、ゼロコロナ解除からわずかな時間で約5000万人もの人々がコロナ陽性になったことが伺える。

仮に死亡率が0.01%とすると、通常死亡者の多い冬場に+5000人が死亡することになるため、火葬場がパンクするのも無理はないか・・・。

エポックタイムズさんは、この感染速度・広がり方は異常であり、「世界のナゾ」と指摘する。

この記事では、人里離れた僻地村でも全員感染した事例などが紹介されており、ゼロコロナ解除と同時に、都市部・農村部を問わず、中国全土で同時多発的にコロナ感染が急拡大した様子が伺える。

記事では、ゼロコロナが徹底されていた中国における特異な現象・・というような説明も見受けられるが、外部との交流がほぼ無い隔絶僻地にまで感染が拡大する説明にはなっていない。

いずれにせよ、中国ではゼロコロナ解除から一か月も経たずに、人口の半分以上が感染するという異常なペースで感染拡大しているのは間違いなさそうだ。

このためだろうか、中国では火葬待ちの遺体を食品用の冷凍倉庫に保管していたり・・

道端で火葬する人も出てきているとか。

さすがに道端火葬はウソっぽいが・・。

さらに、海外シンクタンクからは「3ヶ月で12.7億人が感染する可能性」という衝撃的な予測まで出てきている。

予測を出したのは、マカオ大学とハーバード大学の研究者チームのようだが、わずか3ヶ月で中国の人口(14億人)の9割に相当する感染者が出るという無茶苦茶な予測となっている。

日本で、3ヶ月で1億人が感染すると言っているのと同じだ。

このように、中国はコロナでメタメタになってそうな感じなのだが、一方でゼロコロナで大幅減少していた中国の交通渋滞が劇的に増え始めていることが報じられている。

日本での報道とは裏腹に、中国国民はコロナ感染をあまり気にしていないようで、ゼロヘッジさんは「原油150ドル来るで」としている。

ゼロコロナ解除後の中国でのコロナ死激増が示唆すること」で紹介したように、「中国のコロナやばいっすよ」というのは中共政権と海外メディアが協力して煽っている面があるのだが、どうやらそれは対外的なものであって、対内的には平穏なのかも。

ちなみに、ブルームバーグからは、中国人民解放軍総医院の救急センターで受け入れた患者の約半数が重症だったことが報じられている。

中国の医療崩壊が懸念されるような記事となっているが、この記事に出てくる救急病院は元から重症患者を受け入れる病院のようなので、ある程度重症患者が増えているのは当然と言える。

さらに、中国の病院の様子とされる動画がSNSに投稿されているが・・

・・至って落ち着いており、医療崩壊などまるで起こっていない感じだ。

さらに、中国ではコロナ感染歴のない人の方が、サービスを断られる事態になっていることが報じられている。

感染歴がない人は「危ないから」との理由で、サービスを受けられないとか。

中国では感染者が多数派となっており、感染歴の無い人が差別(?)される事態になっていることが伺える。

中国国民の余裕は何かのか・・と思っていたら、ゼロヘッジさんから、中国では「ゼロコロナ」から「非ゼロコロナ」に政策転換したことを指摘する記事が出てきた。

「非ゼロコロナ」とは「全員感染して免疫付けたらええねん、アカンやつはアキラメロン」という思い切ったコロナ対策だ。

イスラエルで大規模調査 デルタ株に対して自然感染による免疫はワクチン免疫の13倍強い」で紹介したように、自然免疫はワクチン免疫よりも優れているため、今回のような弱毒コロナに対しては、さっさと感染して集団免疫を形成するのが合理的だ。

ゼロヘッジさんの記事には、

Rumors on the Chinese internet talked about local governments of Chongqing City and Zhejiang Province being criticized by Beijing because these regions were too slow to reach a high percentage of COVID positive patients.

(中国のインターネット上の噂では、重慶市と浙江省の地方政府が、COVID 陽性患者の高い割合に到達するのが遅すぎるため、北京から批判されているとのことでした。)

とあり、現在の中国における感染急拡大とは実は中共政権が意図したもので、地方政府は感染率を高めるために努力している様子が伺える。

中国では「症状があっても出勤可」「検査や陰性証明不要」となっており、むしろ感染を推奨しているような政策となっていることは、先日も紹介したとおりだ。

さらに、ゼロヘッジさんの記事では、中国共産党政権が9月下旬にはゼロコロナ政策の転換を決めていたことも報じられている。

・・と言うことは、11月に発生したゼロコロナ抗議デモは、当局がゼロコロナを解除するために仕掛けた「官製暴動」に過ぎなかったようだ。

また、WHOはゼロコロナなどの厳格な行動制限は「効果無かった」と白状していたが、どうやら中国の非ゼロコロナ転換を後押しするものだったぽい。

このように見ていくと、中国は国民全員を一刻も早くコロナ(弱毒オミクロン)感染させるという、「集団免疫獲得」に舵を切ったことが分かる。

ゼロコロナ解除以降から一か月も経たずに、人口の半分以上が感染するという異常な感染ペースは、実は中共政権が望んだものだった。

以前のブログでは、中国のコロナ感染拡大は・・

  • 中国共産党政権に対する民衆革命(易姓革命)の誘発
  • 中国人富裕層へのキャピタルフライト(資産持って国外逃亡)の示唆

・・といった目的で実施されたものである可能性を紹介したが、どうやら違うようだ。

そもそも、中国国民は「非ゼロコロナ」を受け入れている様子すらあり、中共政権を打ち倒すような民衆革命が起こる気配は今のところナッシングだ。

となると、中国共産党政権がコロナ感染を拡大させる意図は何処にあるのか。

一つ考えられるのは、「ロシアの金・資源本位通貨は新世界秩序に向けたグレートリセット」で紹介した、新たな金融秩序に向けた動き・・というものだろうか。

実は、中国では石油使用の急増が示唆されるなど、ゼロコロナで停滞した経済の急回復が近そうな雰囲気が出てきている。

さらに、石油絡みで言うと、ついに人民元による中東原油販売&世界のドル離れについてFT紙が取り上げた。

米ドルの信用低下が不可逆的に進行中であることを示唆する記事だが、中国が「非ゼロコロナ」に強制移行した裏でこのような記事が出てきていることからは、金融システムのグレートリセットが新たなステージに入ったことが伺える。

思い起こせば、世界的なコロナ危機によって日米欧の中央銀行はQEを超拡大し、金融システムの脆弱性は一段と高まった。

20221202FRB総資産

リーマンショックを遥かに上回るマネーが実体経済に流入すると共にサプライチェーン混乱により、インフレが誘発され、リーマンショック以降続いてきた金融緩和は強制終了となった。

そして「崩壊しそうなドルと日銀の金融政策、そして新たな通貨システム」等で紹介したように、FRBが進めるQTによって米銀行は信用収縮に陥り始めており、ドルの流動性枯渇からの巨大な金融危機の発生が懸念される状況となっている。

コロナ危機は、この「グレートリセット」誘発という役目を終えたため、中国は「非ゼロコロナ」に移行した・・と言う感じか。

なお、コロナ危機については、あのウォール・ストリート・ジャーナルにワクチンを批判する「Are Vaccines Fueling New Covid Variants?」との意見記事が掲載されるなど、西側諸国でも終わりそうな雰囲気が高まっている。

この記事では、ワクチン接種率の高いアメリカ北東部地域でXBB株が優勢となり70歳以上の高齢者の入院が増えていることから、ワクチン接種した方がコロナ感染しやすくなっているとして、ワクチン一辺倒となっている政府・専門家の対応を批判している。

さらに・・

“Such rapid and simultaneous emergence of multiple variants with enormous growth advantages is unprecedented,” a Dec. 19 study in the journal Nature notes. Under selective evolutionary pressures, the virus appears to have developed mutations that enable it to transmit more easily and escape antibodies elicited by vaccines and prior infection.

(12 月 19 日に発行された Nature 誌の研究では、「巨大な成長の利点を持つ複数の亜種がこのように急速かつ同時に出現することは前例がありません」と記されています。選択的進化の圧力の下で、ウイルスはより容易に伝染し、ワクチンや以前の感染によって誘発された抗体を逃れることを可能にする突然変異を発達させたようです)

として、ワクチン接種が抗体を忌避する変異株の出現を助長していることまでもが指摘されている。

と言うことで、ワクチン接種の問題を指摘する記事が、メジャーメディアから出てきたことを踏まえると、西側諸国も中国のような「ノーガード集団免疫作戦」に移行していくと思われる。

ちなみに、日本ではコロナ死者数が急増していることが報じられ始めている。

日本における「コロナ死(関連死)」とは、死亡時陽性であれば死因を問わずにカウントされるため、真のコロナ死を表す数字でないことはこれまでに何度か紹介したとおりだ。

人がガンや糖尿病で亡くなる場合、その直接の死因は風邪をこじらせた肺炎等であることが多いが、それがコロナの場合だと、本来はガンでも「コロナ関連死」とカウントされる。

市中のコロナ感染が増えるほど死亡時にコロナ陽性という人も増えるため、その数に意味は無い・・のだが、ワクチン接種した高齢者がコロナ感染しやすくなっている状況にはなっていると言え、ワクチン問題が取り上げられる日は近そうだ。

と言うことで、世界的なコロナ終了&金融システムのグレートリセットが進むなかで、もう一つ気になる動きが並行している。

それが、原油価格の下落だ。

ゼロヘッジさんの記事では、中国の経済再開に合わせて原油価格は140ドルまで高騰する記事が出ている。

中国が経済回復モードに移行するので、原油高騰は当然の反応なのだが、実際の原油価格の日足チャートを見てみると・・

20220111原油価格日足チャート

・・むしろ、明らかなベアトレンドのパーフェクトオーダーとなっていることが分かる。

この下落トレンドは11月中旬頃から続いており、時期的には中国の「非ゼロコロナ」転換と歩調を合わせたものであることが分かる。

また、中国の盟友にもなっているサウジアラビアさんは、需給懸念を踏まえてアジア向けの原油価格を引き下げたとか。

さらに、欧米勢によるロシア原油の価格上限が、ロシアのエネルギー収支に影響を与えていることが報じられており、ロシア原油も大きく下落していることが分かる。

こうして見ると、世界的にコロナが終わって経済回復しそうなのに、産油国一同は原油価格を下落させていることが分かる。

経済回復に伴って原油価格は上がりそうなところを、わざわざ下落させているようにも見受けられるが・・、一体何のためなのか。

この点について、Wikipediaのバブル経済の項目に興味深い記述がある。

それがこれ。

それ以外に1986年初めに原油価格が急落し、交易条件が改善した。このことによる交易利得は、1987年5月の緊急経済対策とほぼ同規模となる大きなものとなり、景気を刺激したとされている[19]経済学者の田中秀臣は「原油価格の下落などの要因を、日本経済の潜在能力が向上したと誤って過大評価してしまい、日本はバブル時代へと突入していった」と指摘している[20]

Wikipedia バブル経済より抜粋)

・・とあるように、バブル経済は公定歩合の引き下げと言った金融緩和に加え、原油価格の下落によるものだったことが分かっている。

つまり、「金融危機が見えてきたアメリカと日本バブル」「FRBの金融引締めは怒涛の暴落と円高、そして日本バブルへ」で紹介したような、金融緩和を続ける日本に対して資金が集まりそうなことに加えて、安い原油というバブル要因が揃いつつあるのだ。

中国がコロナを強制終了させ、経済復活に向けて動き出したとなれば・・やっとバブル来るか!


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